新生WANDS 上原大史の歌唱力と上杉昇との優劣を語る【ワンズ再結成】
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筆者は大のWANDSファンだ。
既発曲は当然すべて聴いているし、WANDSに関することなら、おそらく一晩中でも余裕で語ることが出来る。
当ブログでもWANDSをテーマに、暑苦しい記事をいくつか執筆しているが、おかげさまでそれらの記事はPV数の稼ぎ頭だ。
WANDSの記事にアクセスが集まるということは、それだけ世の中がWANDSに興味があるという事なので、ファンとしては非常に喜ばしいこと。
そんな中お届けする今回の記事は、WANDS再結成に対する筆者の想いと、新しいボーカリスト「上原大史(読み方:うえはらだいし)」について語っていきたいと思う。
※「うえはらたいし」というクエリで、当記事へのアクセスが増えていますが、上記にも記載してあるように、正確には「うえはらだいし」です。
記事の後半で、「上杉と上原どちらが上か」筆者なりの考えを書いています。他の項目はどうでもいいという方は目次から直接飛んで下さい。
- WANDS再結成のニュース
- 上杉昇のいないWANDS
- 上杉昇のいないWANDSを聴いてみる
- WANDS新ボーカリスト「上原大史(うえはらだいし)」
- 上原大史のWANDSでの歌声をさらに聴いてみる
- 上杉昇と上原大史はどちらが上か
- 上原大史の魅力がつまった楽曲たち
WANDS再結成のニュース
WANDSが突如復活するというのニュースを知ったのが、2019年の暮れである。
またWANDSが拝めるなんて夢のようだ!
何の疑いもなく上杉がボーカルであることを前提に、小躍りして喜んだあの日。
しかし現実は、筆者の喜びをあざ笑うかのようだった。
某掲示板に書かれていた眉唾情報だが、WANDS再始動に向け、上杉昇にも声は掛かっていたようだ。しかし、諸事情により辞退したとのこと。
ビーイングとしてもWANDSを復活させるなら、ネームバリュー的にもボーカルに上杉を据えるのがベターな判断だと思うし、あながち間違った情報でもないと思う。
ただ、現在の上杉の活動を鑑みれば、辞退するのも納得できる。
何故かと言えば、現在の彼の音楽性だ。
WANDSで生ぬるいポップソングなんて歌っている場合ではないなと思った。
上杉昇に声が掛かったのが本当であれ嘘であれ、上杉ラヴな筆者としては寂しい以外の感情は湧かなかった。
WANDS好きとはいえ、正直なところ「上杉昇が歌っているWANDSが好き」なのである。
筆者と同じように、"上杉ありき"のWANDSファンというのは、現在でも意外と多いのではないだろうか。
「WANDSの再始動」自体は、筆者の中で理屈抜きに喜ばしいことである。
WANDSを知らないリスナーに、彼らの音を届けられる。
だがやはり、上杉昇がいないという現実は、喜びと同じくらい不満な想いもあった。
WANDS再始動におけるインタビューにて、柴崎浩(G)が「続きをやってみたくなった」なんて語っていたが、
WANDS、始動「続きをやってみたくなった」 | BARKS
「上杉がいないWANDSには興味がない」から以前脱退したんじゃねーの?と冷静にツッコむ自分がいた。当時の筆者は、そんなことも言いたくなるほどネガティブな感情に支配されていたわけだ。
上杉昇のいないWANDS
上杉上杉うるさいと思うが、ここは私のブログなのでこのまま進めさせていただこう。
一時は上杉のいないWANDSを見限り、いっそのこと聴かずに通り過ぎてもいいかなとさえ思わせていた。
だが筆者の中で、何年も好きなバンドの上位に食い込むWANDS。
聴くのをやめようという感情は日増しに増大していったが、やはり気になるのもファンの悲しい性。
結局、聴いてから判断すればいいじゃないかと自分を納得させ、生まれ変わったWANDSを一度聴いてみようと決心した。
上杉昇のいないWANDSを聴いてみる
まず手近なところで、YouTubeのMVを観ることにした。
「新ボーカルかどんなものか俺がジャッジしてやろう」と、なぜか上から目線でWANDSの新作を聴き始めた。
当時を少し振り返ってみる
上杉の代わりが務まるボーカリストなどそうそう現れてたまるか。
※この段階ではまったく期待していない。
「真っ赤なLip」MV視聴後…
う、うまい 目茶苦茶うまい
声もカッコいい・・・
というわけで、WANDS新ボーカリストの第一印象はこんな感じ。
正直唖然とした。
まったく期待していなかったため、ハードルが極めて低かったのもあるが、その分を差し引いてもかなり驚いたのは間違いない。
上杉昇のように、ディストーションが少しかかったクセのあるセクシーな声。ピッチも安定しているし、何より歌詞が聞き取りやすい。ボーカリストとしてのスキルは相当なものを持っていると感じた。
WANDS新ボーカリスト「上原大史(うえはらだいし)」
WANDSの新しいボーカリストは上原大史(読み方:うえはらだいし)というイケメンだ。
正直、上杉昇よりも数倍イケメンである。
出典:BARKS
皆そうなのかもしれないけれど、上原大史の名前を初めて聞いたときは全く誰だか分からなかった。
ただ、どうせビーイングのやることなので、事務所で抱えているくすぶった若手か、系列会社から連れてきたのだろうと思ったが、今回は後者だった。
上原大史は、ビーイング系列のCRIMZONという事務所に所属する(2020年現在)「-真天地開闢集団-ジグザグ」というV系バンドのボーカル「命(みこと)」らしい。
尤も「上原=命」というのは公式発表ではない。
しかし、数多のトレンドブログが検証している画像を見る限りほぼ間違いないと思う。
※ちなみに「CRIMZON」という事務所はビーイング系列の中でもヴィジュアル系に特化した事務所。まったくの余談だが「CRIMZON」には「-真天地開闢集団-ジグザグ」と「甘い暴力」という2バンドのみが在籍している。
それにしても、長戸大幸(プロデューサー)は、まさかという所から人材を引っ張ってきたものだ。
再始動のニュースが発表された段階で、ヴィジュアル系のメンバーが、WANDSの新ボーカリストになるなんて誰が予想できたであろう。
上原大史のWANDSでの歌声をさらに聴いてみる
上述したように、上原大史の歌声の第一印象は想像以上に良かった。
だがそれは、「WANDSが久しぶりに発表した新曲だったから」という要因も絡むと思った。
なぜなら、当たり前だが新曲は初めて聴く曲である。
楽曲に思い入れが無いぶんフラットな気持ちで歌声を聴けたとしても不思議ではない。
「真っ赤なLip」自体のクオリティが高いことも影響し、それが上原大史への好印象に繋がっただけかもしれない。それに、いくら歌唱力が高くても、WANDSのボーカルとして相応しいかどうかは、一曲聴いただけでは判断できない。
というわけで、上原大史の真のポテンシャルを測るべく、彼が歌うWANDS往年の名曲を聴くことに決めた。
さらに、上杉昇のイメージが強い曲をあえて意地悪に選んでみた。
その方が上原大史の真のポテンシャルが伝わるのではないかと。
選んだのは、完全無欠のキラーチューン「もっと強く抱きしめたなら」。
驚くことにほとんど違和感はない。
伸びやかなハイトーンはもちろんのこと、上杉昇特有のクセのあるビブラートもうまく再現されていた。
「もっと強く抱きしめたなら」は、WANDSがブレイクするきっかけになったような曲で、ファンにとっても大事な曲である。
古参ファンに配慮して、当然ながら上杉昇の歌唱法にずいぶん寄せている。
「真っ赤なLip」で聴ける歌声よりも、少々大袈裟なくらい、"上杉風"の味付けがなされているのは誰が聴いても明らかだろう。
だが、"上杉感"を差し引いても、上原大史のボーカリストとしてのポテンシャルをまざまざと見せつけられた気がした。
細かいこと言えば、ピッチが安定していない部分や、声がうわずる箇所もいくらか存在する。
しかし、「あの」WANDSをここまで再現してくれたのだから、上原大史には素直に拍手を送りたくなった。
上原は、もともとWANDSのことが好きで、自身も子どもの頃に聴いていたとインタビューでも度々語っている。
憧れのWANDSに加入するため、ボイストレーニングを含め相当な努力を積んできたのではないだろうか。そうでなければ、ここまでクオリティはちょっとやそっとじゃ出せないはずだ。
ちなみに、WANDSに加入することが決まった当時の上原大史の心境が以下である。
上原:そうですそうです、だってWANDSですから。みんなが知ってる、あの伝説のバンドと言われてるレジェンドのバンドで、僕も子どもの頃に聴いていたバンドのボーカルを“俺がやんの?” “無理でしょ”って感じでした。
出典:BARKS
どのバンドにも面倒な古参ファンがたくさん存在する。
それは当然WANDSも例外ではない。
未だに「WANDSのボーカリストは上杉昇しか認めない」と息巻いている人もいるだろう。
そんな世界に飛び込もうと決めたのだから不退転の覚悟で臨んだはず。
下手を打てば大バッシングの嵐に見舞われる恐れだってあったのだ。
結果的には、WANDSに相応しいボーカリストとして、強烈な存在感を見せつけたのだから凄い男だと思う。
あと意外だったのが「真っ赤なLip」のYouTube動画のコメント欄である。
上原大史を叩くコメントも半分くらいあるのかなと思っていたのだが、そのほとんどは「上杉は上杉」「上原は上原」の良さがあると、多くファンが好意的に捉えている。
いずれにしても、上原の歌を聴けば、ある程度納得せざるを得ないだろう。
異論を挟む余地がないほどに、彼のボーカリゼイションは卓越しているのだから。
改めて上原の歌を聴いても、よくここまで上杉昇に似せて歌えるものだと感動すら覚えている。
第三期のボーカリストである「和久二郎」も、一聴すれば上杉風だったけれど、コアなWANDSファンが聴けば一発で「和久二郎」だと気付くレベルの声だった。
その一方で、ライトなWANDSファンは「錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう」を聴いてもボーカルの変化に気が付いていなかったようだ。
高い歌唱力で古参ファンを納得させ、歌の魅力+ビジュアルの良さで新たなファンも獲得した上原大史。そして、新生WANDS。
順風満帆なスタートを切ったことで、今後の期待もますます高まるWANDS。個人的には過去のヒット曲をまるっとセルフカバーしたアルバムを二枚組でリリースしてもらいたい。
上杉昇と上原大史はどちらが上か
筆者の個人的な意見は「上杉昇」。
これは絶対にゆずれない。
そもそも、なぜこのテーマで項目を作ったかというと、上杉と上原を比べてどちらが上かと語っている人間が少ないなと思ったからだ。
動画のコメントでも上原を絶賛する声が多数だったし(実際素晴らしいのだけれど)、もっと意見が割れてもいいのにと単純に思っていた。
筆者はそういった個人の意見がもっと訊きたいのだ。
音楽をはじめとするエンタメ業界は特に顕著だが、なぜいつも意見が画一化されてしまうのかと疑問に思っている。
たとえば、特定のアーティストの人気が高まると、否定する意見を認めない風潮が出てくる。あれって何なのかなと常に感じるのだ。個人の考え方くらい自由にさせてくれよと。
いかん、これ以上ヒートアップすると、記事内容があさっての方向に飛んでいくのでこの辺にする。
「上杉と上原を比べるのはナンセンスだ」と、YouTube動画のコメントで発言している人もいたが、個人的には比べても問題ないと思っている。
それも音楽の楽しみ方の一つではないだろうか。
それに、ずっとWANDSを支えてきたファンなら比べたくなるのも当然。
上杉昇のカリスマ性のおかげでWANDSは大きくなったと言っても過言ではない。彼の詞がなければ、WANDSの世界はここまで大衆に支持されていないはず。
だから、WANDSがWANDSである限り「上杉昇」の存在も常に付きまとうと思うのだ。
上述した上杉昇のカリスマ性。
それこそが筆者の中で、「上杉昇>上原大史」になる大きな理由となっている。
単純な歌唱力で比較するなら、甲乙つけがたい。
音源のみなら圧倒的に上杉昇に軍配が上がるけれど、彼はライブが下手すぎる。
WANDSが全盛期だった頃のライブを観ても、ほとんど声が出ていない。
近年のライブでは、上杉にしか出せない独特な世界を強く感じられるけれど、歌唱力は決して安定しているとは言えない。
一方の上原大史は、音源でのクオリティは上杉に及ばないが、ライブでの表現力なら余裕で上回っているのではないだろうか。
それはジグザグでの活動も影響していると思う。
ジグザグでやっている音楽は、比較的ポップスに寄せたWANDSはもちろん、上杉のソロや猫騙と比べても圧倒的に幅が広い。それゆえ、さまざまなタイプの歌唱法が求められるため、必然的に表現力が上がったのだと思う。
こうして、両者の歌に対する特徴を挙げていくと、イーブンのような結果になってしまう。
つまり、単純な歌唱力では優劣がつけられないため、カリスマ性というよく分からないパラメータを持ち出してジャッジしているに過ぎないのかもしれない。
尤も、「どちらが上か」なんて質問は訊く人によって答えは千差万別だし、意味のないものだけれど、頻繁にボーカリストが変わる海外のバンドなんかは、どちらが上かでファン同士が楽しくコミュニケーションしていたりもする(時に険悪にもなるが)。
喧嘩になるほど、言い争うことは愚かだが、聴き比べて楽しむということなら、それはそれで実りある音楽体験ではないだろうか。
そういった意味では、筆者は上原大史を高く評価しているし、今後もWANDSのボーカリストとして、いつまでも歌ってほしいと願っている。
だが、何かのきっかけで上杉昇が再加入するなら、その方が嬉しいし、上原大史には悪いが席を譲ってもらいたいと思っている。
上原大史の魅力がつまった楽曲たち
最後に、上原大史のボーカリストとしての魅力に満ちたWANDSの楽曲についても少し触れていこう。
新生WANDSとの出会いの曲「真っ赤なLip」
イントロからすでに往年のWANDSサウンドが炸裂しており、曲を聴いた瞬間に胸が熱くなった。シンセの音がまんまあの頃のままで、古参ファンは大喜びしたんじゃないだろうか。ギターよりもシンセが目立っているのが、何ともWANDSらしい。
それもそのはずで、初期メンバーである大島康祐(現:大島こうすけ)が作曲・編曲を担当しているようだ。未だにこんなキャッチーなメロディが書けるなんて、彼の辞書に才能の枯渇という文字はないようだ。
個人的には復帰第二弾シングル「抱き寄せ 高まる 君の体温と共に」も"どストライク"な楽曲だった。
作曲/編曲:柴崎浩というのがまずポイントが高い。
二期の後半では、積極的に作曲していたけれど、柴崎浩という男は相変わらず良い曲を書く。
余談だが、西川貴教とのバンド「abingdon boys school」でも名曲を連発していたので聴いたことのない方はぜひ。捨て曲がないのでどの曲を聴いてもらっても構いません。
「抱き寄せ 高まる 君の体温と共に」は、「真っ赤なLip」よりもギターの音が聴き取りやすく、ギタリストとしては最高のナンバーである。特にAメロのバッキングなんてリズミカルでソリッドで気持ちがいい。
映像を観て思ったけれど、柴崎と木村はいつまでも若々しくてほんと見た目が変わらない。木村真也の演奏中のアクションも、あの頃のままで微笑ましい限り。
これらクオリティの高いシングルが収録されたフルアルバム『BURN THE SECRET』もリリースされ、ますます勢いに乗ってきたWANDS。
ちなみに『BURN THE SECRET』はレビュー記事を執筆しているので、まだ聴いてないよと言う方はぜひ参考にしてみてほしい。
それではまた。
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