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邦楽ロックをアイドル化させた犯人は一体誰だったのか

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邦楽ロックをアイドル化させた犯人

近年ますます加速する邦楽ロック(邦ロック)バンドをアイドル扱いする風潮について語っていきたい。

 

 

突然だが、最近筆者は「#ババババンビ」というアイドルグループに嵌っている。

#ババババンビ

出典:ドワンゴジェイピーnews


現場(オタク用語でライブ/イベント会場のこと)に足を運んだり、グッズを購入するなど、いわゆる「ドルオタ」ほどアイドル沼に嵌っているわけではなく、音源やラジオを聴いたり、配信を観て楽しんでいる。

 

とにかく彼女たちは「かわいい」のひとことに尽きるのだが、メンバーそれぞれのキャラクターも個性的でいつ見てもキラキラしている。

 

正直ここまでアイドルに嵌るとは思っていなかったが、見ているだけで元気をもらえるし、アイドルのパワーをまざまざと実感する今日この頃。

 

つい先日、#ババババンビのライブ配信を観ていた際、「ロックバンド」「アイドル」のライブには、異なる点があることに気が付いた。 

 

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ロックバンドとアイドルのライブの違い 

「ライブへ足を運ぶ動機」である。

 

 

ロックバンドのライブでは

 

「演奏を生で聴いてみたい」

「ボーカルの生歌を聴いてみたい」

つまり「音楽」に対する欲求がライブへ足を運ぶ動機となる場合が多い。

 

 

一方のアイドルも「生歌を聴きたい」「ダンスを見てみたい」という「音楽的」な欲求が足を運ばせる動機のひとつだが、それ以上に

 

「推しメンに会いたい」

といった「人」に対する欲求の方が勝っているように感じた。

 

 

この違いこそ、ロックバンドとアイドルを明確に線引きしている境界線ではないか思えたのだ。

 

 

つまり、最初に「興味を持つ」という段階から両者には明確な違いがある。

 

  • ロックバンドはまず「音」に興味を持ち、やがて「人」に移っていく
  • アイドルはまず「人」に興味を持ち、やがて「音」に移っていく

もちろん、例外はいくらでもあるだろうが、概ねこの考え方が従来の図式だろう。

 

 

だが、昨今のロックシーンは、この図式が「ある者」の存在によって壊れつつある。

 

 

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ロックシーンのあり方を変えた存在

 

「ある者」というのは、ロックバンドのメンバーに対する顔ファン

 

この「顔ファン」こそが、邦楽ロックをアイドル化させた犯人であると筆者は考えてる。

 

 

 

ロックが広く市民権を得た結果、ポップスと同等に扱われるようになった昨今。

 

ついには「アイドル」のような扱いを受けるバンドマンが生まれてしまったのだ。

 

要するに、ロックバンドに対し「○○(アーティスト名)のメンバーに会いたいからライブへ行く」といったファンが増えているという事。

 

尤も、こうした考え方は一昔前から蔓延している。

 

特にヴィジュアル系なんかは、その最たる例だ。

 

ヴィジュアル系でありながらアイドル視されるバンドもいくらか存在したが、昨今はあまりにも目に余る。

 

ロック全体がカジュアルな方向へシフトした弊害だと思っているが、それはまた別の記事で改めて語りたいと思う。

 

 

 

ロックバンドをアイドル視する層は、SNSで見ている限り、特に「邦ロック」ファンを自称する若年層が目立つ。

 

彼(彼女)らはEXILEをはじめとするLDH系列のアーティスト」をアイドルだと馬鹿にする。

 

しかし、自分たちのやっていることは、LDHのファンと大きな違いはないことに気が付いていない。

 

 

つまり、ロックバンドとアイドルの境界線がどんどん失われているという事だ。

  

音楽との付き合い方は人それぞれで、きっかけや目的は何だって良いわけだが、ひとつ問題が出てくる。

 

 

ロックバンドがアイドル化することによって、ルックスが良くなければ表舞台に立てない恐れがあるのだ。

 

どれほど素晴らしい名曲を書いても、万人を惹きつける演奏テクニックがあったとしても、仮にブサイクだったならリスナーに反応してもらえないかもしれない。

 

尤も、すでにその傾向は出始めている。

 

ロックがポップス化している現状を鑑みれば、今後はさらに加速してくだだろう。

 

 

ロックバンドをアイドル的に崇拝するという事は、音楽を評価せず、「人」ありきで音楽を聴いていることになる。

 

そんなことだから、アーティストに不祥事が発覚したくらいでファンをやめてしまうのだ。

ロックバンドをアイドル視する行為が、どれだけアーティストの不利益になっているか、一度考えてもらいたい。 

 

 

ただし、ルックスが及第点以下であっても、お構いなしにブレイクしてくバンドやアーティストも存在する。

 

なぜそんなことが起こるのかといえば、イメージ戦略の成功が挙げられる。

 

 

だが筆者はそれよりも、ライブパフォーマンスの圧倒的な支持にあると思っている。

 

まさに「アイドル」的なライブの楽しさがそこにはある。

 

 

フェスをはじめとした、ライブ中心の活動にシフトしている昨今の音楽業界においては当然の流れかもしれない。

 

ただしそれは、ロックにおける作品性よりも、ライブの楽しさに重きを置くキッズの琴線に触れているに過ぎない。

 

ライブで「楽しみたい」、もっと言えば、「暴れたい」キッズにとってみれば「音楽」は及第点ならなんだって良いわけだ。

 

たとえば、ライブで火が付きブレイクしたバンドの音楽性が、今とは全く違っていたとしても、おそらくどこかのタイミングで売れていただろう。

 

悲しいかな今はそんな時代だ。結局「人」に会うためにライブに足を運ぶ。

 

重複するが、ライブ中心の活動(フェス文化の隆盛)が、その傾向をさらに助長させている。

 

 

それはつまり、音楽をストイックに表現しようとするアーティストが評価されにくい土壌だといえる。

 

 

ロックとアイドルの垣根がなくなることは、音楽界全体にとってみれば喜ばしいことかもしれない。

 

本来ジャンルを分けて音楽を評価することはナンセンスだからだ。

 

だが、リスナー側はある程度の線引きをするべきではないか。

 

互いが文化として後世に残ってくためには、それぞれの立ち位置を明確にしておいた方が良い気がする。

 

まったく異なるものが交わるからこそ、予想できない化学反応が起こるわけだし。

 

 

音楽を聴いて、バンドやアーティストが何を伝えたいのか今一度じっくり考えてみてほしい。

 

これはロックバンドだけに限らない。アイドルの楽曲からも感じられることはたくさんある。

 

はじめの一歩は「ルックスの良さに惹かれる」でも良い。

 

でも、何かの縁でせっかく巡り会えたアーティストだ。

 

その先にある「音楽」にもしっかりと向き合ってもらいたい。

 

純粋に「音」を「楽」しんでください。

 

 

それではまた。

 

 

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