名古屋(愛知県)出身のバンド/アーティストを【11組】まとめてみた
今回は名古屋市(愛知県)出身のアーティストやロックバンドを紹介していこう。
なぜ「名古屋(愛知県)」からピックアップするのかいうと、筆者が生まれも育ちも現住所も愛知県というのがまず大きな理由。
あとは、名古屋ではなく「愛知県」の存在をアピールするためでもある。
世の中には、愛知県を「名古屋県」と勘違いしている人間もいるみたいだし(明治時代には実際に名古屋県が存在したらしいが)、過去を振り返ると「名古屋」は通じても、愛知県の場所が分からないという人に出会ったこともある。
だから「愛知県の中に名古屋がある」と覚えて帰ってもらうためだ。
それから、愛知県は他県からの評判が何かと悪い。
印象の悪い事柄として、交通事故の数は常に上位をキープ、県民はケチで世間体を気にする見栄っ張りばかり、名古屋市長が阿保すぎる、ラジオ番組の傷害事件で世間を騒がせた「宮地佑紀生」は名古屋市出身。
こんなものは氷山の一角で、愛知県の悪い所を挙げ始めたらキリがない。悪い評判が関係しているか分からないが、バンドのライブツアーでは名古屋だけ飛ばされることも日常茶飯事だ。
そこで「愛知県(名古屋)にはこんなに素晴らしいアーティストがいるんですよ」という、ささやかなイメージアップに繋がればいいかなという狙いもある。
それではどうぞ。
名古屋市(愛知県)出身のアーティスト/バンド
浅井健一
名古屋出身アーティストでまず名前を挙げたいのが"ベンジー"こと「浅井健一」である。ちなみにブランキーのメンバーでは照井利幸も名古屋市出身。
生きる伝説として、後続バンドに影響を与え続けている浅井健一だが、今も名古屋に対する地元愛を貫いている。その最たる例が、彼が時折発する名古屋弁だろう。
通常、東京で仕事をするようになれば自然に標準語になっていくものだが、浅井健一はデビュー30年を経てもなお「映像」「文字」媒体かかわらず、インタビュー等で名古屋弁を普通に使っている。
名古屋弁は決して綺麗な方言ではないため、各種メディアで名古屋弁を見たり聞いたりすると、愛知県民としては複雑な気持ちになるが、ベンジーが使っている時だけは何だか嬉しくなるから不思議である。
ちなみに、漫画家の鳥山明も名古屋市出身なのだが、筆者は漫画好きという事もあり非常に誇らしい。浅井健一は鳥山明に匹敵するほど他県に自慢したい人の一人だ。
浅井健一に関して印象的なエピソードがある。
筆者がバンドをやっていた頃、古着屋で働いていたのだが、店内でBLANKEY JET CITYのライブ映像を流していた。ある日、バイカーファッションに身を包んだ、コワモテでガタイのいい、いかにもガラの悪いおじさん(客)がブランキーの映像を観ながら私の方へ近寄ってきた。
戦々恐々だ。
絶対何か文句を言われると思い身構えた。
すると、次の瞬間、
「俺こいつ(映像のベンジーを指差して)のツレなんだけど」
と笑顔で話しかけてきたのだ。
先程までの緊張が解け、凄まじい安堵感が広がった。
ベンジーについていろいろ訊いてみたかったが、「浅井健一の友人」というだけで舞い上がってしまい、今ではほとんど記憶にないくらい満足に会話できなかったのが悔やまれる。
唯一覚えているのが
「浅井さんて怖い方なんですか?」
という質問に
「アイツなんて全然だよ」
と答えてもらったことだ。
「まぁこの人なら大抵の人は怖くないだろうな」と感じたのはよく覚えている。
SCANDAL
今や活動の幅を世界にまで広げた、日本が誇るガールズバンド「SCANDAL」 。
2006年大阪で結成されたため、世間的なイメージは「大阪」なのかもしれないが、ギターボーカル「HARUNA」(江南市)とギター「MAMI」(名古屋市)の二人は愛知県出身である。
元々「キャレスボーカル&ダンススクール」というボーカル/ダンススクールに通っていたメンバー同士で結成された、いわば企画物のようなバンドたっだが、今では多くのロックリスナーが認めるロックバンドに成長した。
SCANDALはシングル曲だけを聴いているレベルなので、あまり語れることもないが、ベンジーのようなちょっとしたエピソードがある。
10年ほど前にお付き合いしていた女性の友人が、上で挙げた「キャレスボーカル&ダンススクール」の名古屋校に通っており、そこで「HARUNA」「MAMI」両名と面識があると言っていた。スクールでの二人の様子は至って普通で、そこまで目立つ存在でもなかったようだ。そんな二人が「SCANDAL」としてデビューし大活躍しているのをとても驚いていた。
Lynch.
2020年現在、名古屋出身のヴィジュアル系で最も勢いのある(と勝手に思っている)ラウドロックバンド「Lynch.」 。
2000年代初頭のヘヴィロックをベースに、メタル、ハードコアなどありとあらゆるラウドなサウンドを取り込んだ音楽スタイル。そのため、ジャンルでのカテゴライズが難しく、「Lynch.」独自のラウドロックを形成したと言える。
ではここで、ボーカル「葉月」の地元愛について語っていこう。
「葉月」は名古屋市出身なのだが、なんと現在(2020年)も名古屋に在住している。これだけ売れているバンドのメンバーにもかかわらず地元を離れていないのだ。
以下の対談で名古屋在住を明かしており、RYUICHIが驚いている様子も確認できる。
デビューして間もないならともかく、メジャーデビューしてかれこれ10年を迎えるというバンドだ。都内近郊に住んだ方が仕事上何かと都合が良いはずだが葉月はそれをしない。理由は明かされていないがきっと名古屋が好きに違いない。ちなみに他のメンバーについては不明。
04 Limited Sazabys
名古屋市内のライブハウスで出会ったGEN、HIROKAZ、RYU-TA、UDOにより、2008年に結成されたパンクロックバンド。
メンバーの内、愛知県出身はボーカル「GEN」(田原市 or 豊橋市)、ドラム「KOUHEI」(名古屋市)の二人。
Hi-STANDARD直系の所謂「メロコア」サウンドを武器に、キャッチーなメロディとハイトーンボーカル、ボーカル「GEN」のビジュアルで人気を博す。
ここ数年はメロコア系をほとんど聴いていないため、04 Limited Sazabysの楽曲に関する知識は皆無に等しいが、彼らが行う『自主企画イベント「YON FES」』の情報はしっかりチェックしている。
「YON FES」は名古屋で開催されているが、そもそも名古屋はロックフェスが少ないし、あったとしても規模が小さく、他県に後れを取っている印象が強い。
4リミにはぜひ頑張ってもらい、今後も名古屋を盛り上げていってもらいたい。
coldrain
2007年名古屋で結成されたポストハードコア/メタルコアバンド。
国内では最も好きなポストハードコア系バンドである。結成当初のインディーズ時から追いかけており、バンドに対する思い入れはかなり強い。ちなみに「AVER」「Wheel Of Life」という二つのバンドに在籍していたメンバーが合流し「coldrain」というバンドが生まれた。
近年のcoldrainは海外でのライブ活動も活発で、手の届かない存在になりつつあるが、邦楽ロックバンドの素晴らしさを海外の音楽ファンに見せつけてもらいたい。
ライブといえば、2020年地元名古屋でバンド主催のイベント「BLARE FEST. 2020」を開催している。今後も開催されるかは未定だが、4リミ同様名古屋を盛り上げるためにぜひ頑張ってほしい。
OUTRAGE
一般層の知名度は皆無だろうが、メタラーの間ではジャパメタの絶対的存在であり、そのサウンドは海外のメタルバンドにもまったく引けを足らない。まさに「名古屋が世界に誇るメタルバンド」と言えるため、愛知県民としては鼻が高い。
OUTRAGEの地元愛はこちらのMVで確認できる。
自転車で滑走するシーンの他、何度か「街並み」が登場するのだが、これは名古屋の中でも有名な「大須商店街」で撮影されたもの。MVを初めて観たとき「どっかで見たことある店ばっかりだな」と思ったのだが、大須の街だと判明した時は、久しぶりにテンションが上がったのを覚えている。
岩田剛典(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)
説明不要の大人気ダンスボーカルグループ「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」でダンサーを務め、俳優として活躍する岩田剛典も実は名古屋市出身。「岩ちゃん」というニックネームで女性ファンの圧倒的支持を得ている。
ビジュアルに優れ、慶應義塾大学を卒業、高校時代にはラクロスの日本代表候補に選ばれるなど、「天は二物を与えず」を真っ向から否定するスーパーマンぶり。
岩田剛典に特に思い入れはないが、出演する映画はたまに観ることがある。本業の役者に比べればまだまだだが、大根という程でもなく努力が伺える。役者としての岩田剛典に限っていえば筆者の中では比較的好感度は高い。
ダンスはまったく知識がないため偉そうに語れることは何もありません。
いぜれにせよ、世間を賑わす人気者が愛知県(名古屋)から登場したことは嬉しい限りだ。
May’n
「マクロスF」関連の楽曲で人気を博したアニソンシンガー「May’n」 も名古屋市出身。
アニソンシンガーといえば、圧倒的な歌唱力が自慢。そして「May’n」の歌も例外ではない。どの曲を聴いてもスカッとするハイトーンボイスが冴えわたる。
2005年デビュー時の年齢が15歳だったため、いつまでも若い印象があったものの、実はかなりのキャリアを重ねている。近年は大きく話題になる活躍が出来ていないが、将来は「奥井雅美」のような「アニソンの女王」と呼ばれる存在になることを期待している。
緑黄色社会
2018年メジャーデビューを果たし、最近めきめきと頭角を現し始めた「緑黄色社会」は愛知県で結成。
歌を聴かせる楽曲がメインであるため、いわゆる「ポップロック」というジャンルになる。要するに、歌とメロディが優れていなければ評価されづらい音楽性という事。
そして「緑黄色社会」はそのどちらも高いクオリティで兼ね備えている。歌がめちゃくちゃ上手いため聴いていて気持ちが良いし、その歌を活かすためのアレンジも秀逸。鍵盤が印象に残る楽曲が多く、とにかく聴きやすいためロックビギナーにもってこいなバンドである。
ENTH
名古屋で結成されたメロディックパンクバンド。2010年前身バンドから現在の「ENTH」に改名。
ハイブリットなパンクバンドということで一部のロックファンから注目を浴びるENTH。サウンドを聴く限り、たしかにパンク以外の影響も伺えるが、「パンク」の範疇から大きく逸脱しているわけではない。古き良きメロコアを感じさせるものの、勢いだけではなく計算された細かなフレーズや印象的なリフを挟んでくるため、サウンド自体でも楽しめる。とはいえ、構成するサウンドはENTHの側面に過ぎない。すべての楽曲で貫かれる軽快でキャッチーなメロディこそENTH最大の武器。普遍的でありながらも良い意味でクセがあり何回聴いても聴き飽きない。自信を持って薦められるバンド。
SPYAIR
名古屋市で結成されたロックバンド。メンバー4人共に愛知県出身である。名古屋の栄広場を拠点とし、路上ライブで腕を磨いた過去を持つ。
SPYAIRは当ブログであまり話題に挙げることはないが、実はコアなファンだったりする。上述した路上ライブの頃から存在は知っていて、ライブを観たこともあるので思い入れは強いバンド。
コアなファン以外にはあまり知られていないが、SPYAIRは元々現在のような音楽性ではなかった。所謂2000年代初頭の「ニューメタル」「ヘヴィロック」がルーツで、KORNさながらのバキバキなラウドロック/ミクスチャーを鳴らしていたのだ。現在はポップでメロディアスな路線に変更し大成功を収めたが、おそらく初期の音楽性で活動していたら、今ほど売れることもなかっただろう。だが、あれはあれで普通にカッコよかった。カップリングやアルバム曲でも良いので、いつかまた発表して中高生をビビらせてもらいたい。
名古屋(愛知県)出身のバンド/アーティスト
ということで、名古屋(愛知県)出身のアーティストをずらっと紹介してきた。
なるべくジャンルが被らないよう意識したので、お気に入りが一組でも見つかれば幸いである。
それではまた。
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