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邦ロックの定義とは?J-POPとの違いを元バンドマンがどのサイトよりも分かりやすく解説してみた

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邦ロックの定義とは?J-POPとの違い

邦ロックの定義は何なのか?

J-POPとの違いは何なのか?

 

この問いは多くの邦ロック好きが疑問に思っていることであり、Yahoo知恵袋でも、付随する質問が数多く投稿されていることからもそれは明らかだ。

 

そこで当稿では、邦ロックとJ-POPの違いについて、邦ロックの定義などを交えて、元バンドマンである筆者が分かりやすく解説をしていきたい。

  

 

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邦ロックとは?その定義とは

ここ数年、邦ロック好きの若者が増え続けている。

だが、そもそも邦ロックが何かを説明できる者は少ないはず。

 

ジャンルにこだわるばかりが音楽ではないが、ジャンルにこだわるのも日本人の特徴である。

 

 

ではまず、邦ロックの定義から話を進めていこう。

 

 

邦ロックというのは邦楽ロックの略であり、言葉のままであるが、早い話「日本産のロック」である。

 

 

では、日本で生み出されたロックは、すべて邦ロックに当てはまるのか?

 

 

当然答えはノーである。

 

 

邦ロックは特殊なジャンル 

「じゃあ邦ロックってなんだ?」ということになるが、今回ブログのテーマにしている『邦ロック』という言葉は、近年の若者が使う少し特殊なカテゴリーの音楽ジャンル(言葉)なのだ。

 

 

 

たとえば、みんな大好きKing Gnuは言うまでもなく邦ロックバンドである。

 

 

 

だが、邦楽ロックバンドの代表格ともいえるサザンオールスターズは一般的に邦ロックにカテゴライズされない

サザンオールスターズ

出典:kkbox
 

日本でロックをやっているにもかかわらず、サザンは邦ロックではないのだ。混乱してきたかもしれないが、カテゴリ分けの好きな日本の音楽業界ではよくある話である。

 

 

 

こうした現象は、ロックバンド以外のソロアーティストでも同様に存在する。

 

米津玄師は邦ロックだが

 

 

矢沢永吉は邦ロックではない。

 

 

邦ロックかそうでないかの違いが少しわかっただろうか?

 

 

つまり、「邦ロック」と呼ばれるアーティストは、日本のロックアーティストの中でも、若者が好みそうな「バンド」「アーティスト」を指していることがほとんどだということ(もちろん例外は多数存在するが)。

 

加えて、「邦ロック」という言葉自体が、若者独自の表現という側面もあり、昨今のネットスラングに近いとも言える。

 

 

 

似たような表現で、一昔前はロキノン系」という言葉も蔓延していたが、「邦ロック」という言葉は、「ロキノン系」よりもっと曖昧な基準で、カテゴライズ出来てしまうので、便利といえば便利な言葉だ。

 

 

 

ただし、

 

ロキノン系」も「邦ロック」も、いわゆる「音楽ジャンル」の呼称ではない。

 

ここだけは絶対に間違えてはいけないポイントだ。

 

 

『邦ロック』は「音楽ジャンル」の名称ではない

邦ロックの中には「オルタナ」「メタルコア」「ポップロック」「ミクスチャー」などなど、通常「ロック」にカテゴライズされるジャンルはほとんど含まれる

 

この考え方が事態を余計ややこしくしているのだ。

 

 

たとえば、上で挙げたような「ロック」以外のジャンルでも、安易に「邦ロック」と捉えている層も存在するし、「アイドル」までも「邦ロック」に含めて語るリスナーもいて、もう意味が分からない。

 

テレビゲームはすべて「ファミコン」だと思っていた母親のような様なものだ。

 

 

つまり、サウンド的に確立された定義が存在しないため、

「○○な音」⇒「邦ロック」

と単純に言い切れないこともあり、余計混乱を招いているのだと思う。

 

 

 

ここでYahoo知恵袋の、とある回答を引用する。

 

このように、「邦ロック」という呼称は「ロキノン系」が変化した言葉だと主張する人もいる。

概ね、2010年以降にデビューもしくは頭角を現した雑誌ROCKIN' ON JAPAN、スペースシャワーTVあたりから見つかったバンド連中を指して云うから。

出典:Yahoo知恵袋

 

筆者も上記の意見に賛同する部分はあるが、近年盛んに使われている「邦ロック」の意味合いは、ロキノン系を含め、さらに広い範囲までも内包している気がする。

 

 

 

というわけで、私の考える邦ロックの定義は

 

(ロキノン系含め)若者が好みそうなロックサウンドのアーティスト

 

といったザックリした認識で問題ないと思う。

 

 

歯切れの悪い答えに聞こえるかもしれないが、「邦ロック」という言葉を頻繁に用いる大手メディアも、厳密に定義付け出来てはいない。

 

これが「邦ロック」いう曖昧なジャンルの現状であり正体である。

 

 

おそらく普段から「邦ロック」という言葉をよく使っている人も、厳密には分かっていないだろうし、日本中探しても明確な答えを出せる人間もいないはず。

  

 

 

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J-POPとは?

では今度はJ-POPの解説をしていこう。

 

J-POPはwikipediaでの説明が早いので引用させていただく

J-POP(ジェーポップ、英: Japanese Popの略で、和製英語である)は、日本で制作されたポピュラー音楽を指す言葉であり、1989年頃にその語と概念が誕生した後、1993年頃から青年が歌唱する曲のジャンルの一つとして広く認識されるようになった。

出典:wikipedia

 

ちなみに"青年が歌唱する"と書かれているが、

青年には女性も含まれるので性別は関係ない。

 

似たような例で、「少年」という言葉には少女も含まれるのでそれと同じである。

 

 

 

引用したwikipediaで明言されているように、

J-POPというのは日本のポピュラーミュージックということが分かる。

 

 

 

ではポピュラーミュージックとは何なのか?

 

これもwikipediaに頼ってしまおう

ポピュラー音楽とは、何らかの「広く訴求力のある」音楽ジャンルに属す、人々の好みに訴求した、あらゆる時代の音楽を包括的に指す用語、等と定義づけられ、具体的にはロック、ポップ、ソウル、レゲエ、ラップ、ダンスミュージックなどが例としてあげられる。

出典:wikipedia

 

「広く訴求力のある」音楽ジャンルに属す、

人々の好みに訴求した、あらゆる時代の音楽を包括的に指す用語

 

とあり、その下にはご丁寧にジャンルまで記載されており非常にわかりやすい。

 

 

 

「訴求力」というのは、アピールの類語で、

 

大辞林 第三版の解説では

「広告や宣伝が読者・視聴者など対象に訴える力」

 

一般的には「買い手の購買意欲に働きかける力」のことである。

 

 

 

少しこんがらがってきたが、こんな解釈ではどうだろうか。

「広く訴求力のある」音楽ジャンルに属す、人々の好みに訴求した、あらゆる時代の音楽を包括的に指す用語

 

みんなが購入したい思う(流行している)音楽ジャンルに属し、大衆のニーズに応えられる音楽

 

 

 

では例を挙げてみよう。

 

 

現在日本では邦ロックが流行しているが、

邦ロックのアーティストすべてがJ-POPではないということ。

 

邦ロックにカテゴライズされていても、一般的にニッチでニーズの無い音楽性ではJ-POPとは呼べない。

 

言い換えれば、広く大衆にアピールできる要素があれば、邦ロックであってもJ-POPと呼べるのではないだろうか。

 

ごくごく一般的な音楽リスナーにアピールするには、歌を邪魔しない演奏が前提にあり、メロディが起伏に富んでいて歌謡曲的であることが条件だろう。

 

 

 

たとえば、King Gnu/Official髭男dism/Mrs. GREEN APPLEなんかが顕著である。

King Gnu

出典:CLUB GNU


音楽性はロックと呼んでも差し支えないが、ロディアスであり楽曲の中で歌がまず印象に残る

 

こうした要素を持った邦ロックアーティストを「J-POP」と呼んでも問題はないはずだ。

 

 

ここまでの話で結論付けたが、歌モノバンドのほとんどはJ-POPと呼んでいい。

 

さらに付け加えるなら、「歌」が前面に出ていれば、いかなるジャンルも「J-POP」になりうるということだ。

 

 

今回は邦ロックとJ-POPの違いなので、差別化のための道具として「歌」を話の中心に持ってきたが、歌の存在しない「インスト曲」であっても、大衆に聴かれる要素があれば「J-POP」と呼んでもいいだろう

 

 

乱暴に結論付けたが、ここまでの話なら当然そうなってしかるべきだ。

 

 

 

そして、いわゆる「歌モノ」とは正反対のラウド系バンドは、歌モノバンドに比べ、歌が前面に出ていることが少ないし、一般的なニーズも低いことがほとんどである。そうなると、いくら売れているラウドロックバンドでもJ-POPに該当しない。

 

 

ラウド系でも比較的「歌」を前面に押し出した「Survive Said The Prophet」のようなバンドは、度々J-POPにカテゴライズされている。

だが、サバプロにはそういったポップな曲もあるというレベルの話で、ラウド系バンド全体を考えれば、本来は含めるべきではないだろう。この辺りのバンドまでJ-POPで一纏めにするから、話がややこしくなるのだ。

 

 

ラウド系をどうしてもJ-POPにカテゴライズしたいなら、デスメタルのような凶悪なサウンドを一般リスナーも普通に聴くような時代にするしかない。

 

 

たとえば、スイーツ女子がデスコアサウンドをBGMに、カフェでお茶をするような時代が到来すれば、それは紛れもなくポピュラーミュージックと呼べる。だが未来永劫そんな日は来ない。

 

 

今回調べた結果、J-POPか否かというのは、結局日本人の好みによって左右されることが分かった。現状では上述した分け方が誤解をまねきにくいし、明確に分けやすくなるはずである。

 

 

邦ロックとJ-POPの違い まとめ

個人的に納得のいく答えに辿り着いたがいかがだっただろう。

 

 

邦ロックとJ-POPの違いを、ひとことでまとめると

 

謡曲的な「歌」の要素を前面に押し出した「邦ロックアーティスト」を「J-POP」と呼ぶ

 

ということでどうだろう。

 

 

だがここで勘違いしてはいけない。

 

J-POPにカテゴライズされたからといっても、邦ロックでなくなったわけではない。

 

そうしたアーティストは、邦ロックでありJ-POPなのである

 

 

今回の記事があなたの疑問の解消に役立ってくれたら幸いだ。

 

それではまた。

 

 

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