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【なぜ】ジャニーズがサブスクで聴けないたったひとつの理由/時代遅れの販売戦略に明日はない

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人々の生活になくてはならなくなったサブスクリプションサービス。

 

音楽の世界にも各社しのぎを削るように年々サービスが立ち上げらた。

 

若者を中心に月額制で音楽を楽しむ時代が到来し、現在は広く一般化している。

 

 

そんな中、なかなかサブスク配信を行わないのが、当稿の主役であるジャニーズ事務所だ。

 

 

2021年現在、ジャニーズ所属のアイドルでサブスクが解禁されているのは

嵐(2019年)

堂本剛(2020年)

Twenty★Twenty(2020年)

KAT-TUN(2021年)

少し調べた結果、上記4組が確認できた(他にもいるという事でしたらコメントもしくはツイッターでご指摘ください)。

 

配信されているアイドルがまったくゼロではないものの、これはあまりにも少ない。

 

数々のアイドルを抱えるジャニーズなのだが、完全に時代を逆行しているとも取れる販売戦略。

 

ジャニーズ事務所は、なぜサブスク解禁をこれほど渋るのか。

 

その理由と、解禁しないことで起こる問題点を語っていきたいと思う。

  

ジャニーズはなぜサブスクで聴けないのか

なぜジャニーズはサブスクで聴けないのか

これは考えるまでもなく、フィジカル(CD)での売り上げを維持するためだろう。

 

では、フィジカルとサブスク配信とではどの程度開きがあるのか?

 

 

サブスクは「収益的に厳しい」なんて声を聞くし、筆者もずっと気になっていたので実際はどうなのかざっくりと計算してみた。

 

 

以下のサイトが分かりやすかったので引用させていただきます。

サブスクで「1再生」されて、作詞家、作曲家にはいくら支払われるの?

 

Apple Musicを例にしたいのだが、たとえば、サブスクで一曲聴かれるごとに「原盤権」を持ったレーベルなどにおよそ1円の収益が発生するらしい。

CDと同じで考えると、ここから6〜10%くらいがJASRAC音楽出版社に行き、そこから契約した比率で作家に分配される。

 

 

ざっと計算されているのだが、作家やアーティスト本人は1円を基準にさらに減額された数字になるということだ。

サブスクリプションの印税だけで月20万円稼ぐとなると何再生必要か!?実に2,000,000回だ!

アーティストがこの数字で、レーベル自体は上記の2倍程度らしいので一回再生されて0.2円となる。

 

そこから、 契約料、制作費、不良品償却費、物流費、一般管理費(販促費、人件費、家賃、光熱費ほか)、製造費、付属品費、宣伝費などなど、いわゆる「諸経費」が差し引かれて、0.02円弱が1再生当たりのレーベル(事務所)の純利益になる

 

 

片やCDはどうなのか。

 

今度は別のサイトを引用させていただきます。

CD1枚190円の利益!レコード会社はどのくらい儲けてるの?

 

上記サイトの計算方法で考えると、一枚3000円のアルバムの利益は、およそ2190円となり、経費を引いた純利益としてはざっくり200円強と言ったところだろう。

 

馬鹿みたいな計算になるが、アルバムを10曲として単純に200円を10で割れば、一曲当たりの利益は20円

 

サブスクとの差は1000倍

 

 

細かな計算はおそらく間違っているし、強引に答えを出した部分もあるが、何となくでも両者の間に大きな隔たりがあることが分かった。

 

 

サブスクは一度配信してしまえば、サービスが消滅しない限り半永久的に稼ぎ続けてくれる。

 

ただし、利益は上述した通り"雀の涙"なので、CD並みの利益を上げたいなら相当な再生回数が要求されるということだ。

 

それならば、従来の顧客相手にCDを売っていた方が、遥かに稼ぎやすいのは明白。

 

だからこそ、ジャニーズ事務所はサブスク配信になかなかゴーサインを出さないのだと思う。

 

 

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時代遅れのジャニーズに明日はあるか

なぜジャニーズはサブスクで聴けないのか

新規顧客を逃す要因になる

時代は完全に「サブスクで音楽を聴く」という方向に流れつつある。

 

ICT総研の需要予測では

  • 2022年末 2,770万人
  • 2023年末 2,930万人

に利用者が拡大すると予測されており、それ以降も伸び続けることが予想できる。

 

サブスクを解禁することで、CDの購入率は下がってしまうかもしれないが、新規顧客を取り込むには音楽サブスクは打ってつけだ。

 

とりあえず気になった曲を聴くことができるのだから、今まで金を払ってまで聴こうとしなかった潜在顧客にもリーチ出来る。

 

単純にジャニーズの楽曲に触れる人数が増えるわけで、サブスクで聴いて気に入ればひょっとして購入してくれるかもしれない。

 

それに、聴かれる頻度が上がれば、拡散される規模も拡大する。

 

近年「バイラル・ヒット」と声高に叫ばれているが、世界中にアピールするチャンスにもなるのではないか。

 

 

ジャニヲタの悲痛な声

ジャニヲタの声に多いのが、サブスク配信されていないことで「他人に気軽に薦められない」というのがある。

 

たとえばリアルな友人なら、自分のCDを貸せば済むのかもしれないが、ネットの友人となるとそれが出来ない。

 

近年は、ネットでのつながりを重視する人も増えてきているため益々不満は募っていくだろう。

 

 

アメリカではリアルよりネットの友人の方が多いなんてデータも出ている。

「ネットの友人」が「リアルな友人」を超す:米国調査 | WIRED.jp

 

上の記事のように日本もいつ同じ事態になってもおかしくはない。というかすでにそうなっているかもしれないが。

 

 

良い曲だからといって、「聴いてほしいから買ってくれ」とお願いしたところですんなり購入してくれるネットの友人など珍しいだろう。

 

ましてや、ジャニーズアイドル自体に偏見をもっているリスナーも少なくない。

 

「とりあえず聴いてみてよ」と言えない状況は、時代性を考えれば余計自分たちの首を絞めることにならないだろうか。

 

 

サブスク解禁しても問題ないのでは?

上述したように、ジャニーズ事務所がサブスク解禁を拒むのは、CDの売上が落ちることを懸念しているからと考えられる。

 

ただ、ジャニヲタの行動パターンを考えれば、たとえサブスクに移行したとしても、従来通りCDが欲しければ購入すると思うのだ。

 

ましてやジャニーズアイドルのCDや映像作品は特典が盛り沢山なことでも有名。 

 

それに初回限定盤などにしか収録されない楽曲もある。

 

甘い考え方かもしれないが、サブスクでは通常盤と同じ楽曲を配信し、レアな特典を限定盤に盛り込めば、これまでと変わらず購入してくれないだろうか。

 

サブスク解禁によってCDの売上が落ちることより、解禁しないことで顧客の不満が解消されないデメリットの方が長い目で見れば深刻な気もする。

 

 

ジャニーズはなぜサブスクで聴けないのか まとめ

ということで、ジャニーズがサブスク解禁しない理由と、それに関連したあれこれを語ってきた。

 

これは2021年現在の話で、来年にはジャニーズ所属の全アイドルがいきなり解禁しているかもしれない。

 

個人的には早くそうなってほしいし、ジャニヲタの方々はいろいろな意味で尚更そう思っているだろう。

 

Snow ManSixTONESをもう少し聴きたいのだが、CDを購入する余裕がないので何とかしていただきたいと願うばかりだ。

 

それではまた。

 

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