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BABYMETALアンチが彼女たちを嫌うたった一つの理由とメタラーがメタルを聴くスタンス

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メタルが大好きなはずのメタラー(メタルヘッズ)が、どうしてBABYMETALを目の敵にするのか?

 

「そりゃアイドルだからでしょ」

 

という声が聞こえてきそうだが、ではなぜ「アイドル」「メタル」が融合すると途端に嫌われてしまうのか。

 

今回はメタラーの生態を絡めその理由を語っていきたいと思う。

 

 

ちなみに当ブログでは、BABYMETALのことを「アイドル」として扱うと決めているのでその点はあしからず。

 

そうなった経緯は以下の記事で語っています。

  

メタラーのスタンス 

BABYMETALが嫌われる理由を語る上で、メタラーがどんなスタンスで「メタルミュージック」を聴いているのかまず解説する必要がある。

 

 

メタラーは極めて保守的な生き物だ。

 

従来からの伝統や習慣を尊重し、いわゆる「革命」を嫌う傾向にある。

 

したがって「メタル」の在り方について固定観念に囚われていることが多い。

 

 

メタルバンドは○○でなければならない

 

といった、メタラー間でのみ通用する暗黙のルールを決めていることが多い。外野から見ればそうした得体の知れないルールこそが嫌悪や揶揄の対象になったりもする。

 

そして、メタラーは自分がマイノリティであることを認識した上で、むしろそれを誇りに思いメタルを聴いているのだ。

 

したがって、暗黙のルールを逸脱した新しい風が吹こうものなら「メタル」というコミュニティから排除しようとする。

 

「ニューメタル」メタルコアを例に挙げてみよう。

 

両者をメタルのサブジャンルとして扱う層がいる一方で、伝統的なメタルを好むリスナーは「あんなものはメタルではない!」と言って切り捨てる。

 

 

BABYMETALは「アイドル+メタル」という全く新しい「メタル」の形を定義付けた存在。

 

メタラーにとってそれは前例がなく許しがたいことなのだ。

 

 

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BABYMETAL(ベビーメタル)が嫌われるたった一つの理由

世の中に点在するBABYMETALアンチは、彼女たちがアイドルでありながらメタルを鳴らしていることに腹を立てている。

 

言い換えるなら「私たちのメタルを商売の道具にするな」といったところだろう。

 

これこそメタラーがBABYMETALを嫌うたった一つの理由だと筆者は考えている。

 

 

BABYMETALだけが過剰に嫌われる理由とは

だが、メタルサウンドを用いて音楽活動するのは何もBABYMETALだけではない。

 

そういった状況の中でBABYMETALだけがここまで嫌われる理由は、彼女たちのコンセプトや立ち位置にある。

 

それは、アイドルでありながら、同時に「メタルバンド/アーティストである」という事実。

 

 

ここでメタルと親和性の高いジャンルとしてアニメソングを例に挙げてみよう。

  

筆者の好きなワルキューレという女性アニソングループがいる。

 

彼女たちの楽曲「Walküre Attack!(ワルキューレアタック)」

 

この曲は、イントロ/間奏のシンフォニックな要素、サビ後半のギターフレーズをはじめ楽曲全体がメロディックスピードメタルのような構造になっている。個人的には北欧メタルバンドが演奏しても違和感がないほど絶妙なダサさ(褒め言葉)に満ちている。

 

以上の事から、筆者はワルキューレの「Walküre Attack!」をメタルミュージックのひとつとして聴いている。

 

もちろんアニソンだという認識もあるけれど、サウンドやジャンルにこだわって音楽を聴くことが好きなので今のスタンスになった。

 

 

上記はほんの一例であり、アニソン界にはBABYMETALに匹敵する本格的なメタルミュージックを用いた楽曲が実はたくさん存在している。 

 

つまり、BABYMETAL同様、アニメソングも「メタル」を商売道具として使用しているわけだ。

 

だからといって、そうしたアニソンに敵意を剥き出しにするメタラーなどほぼいないだろう。

 

 

その理由はアーティストのターゲットに違いがあるからだ。

 

 

再びワルキューレを例に挙げるが、彼女たちのターゲットは、あくまでもアニメソングや広義のアイドルファン。

 

ワルキューレは楽曲の多くでメタルサウンドが用いられるが、キャラクター性はアニメマクロスΔでの設定からアイドルという側面が強い。

つまり、BABYMETALのようにアイドルと同時に「メタルアーティスト」として売り込んでいない。最初からメタラーをターゲットにしていないのだ。

 

あくまでもアニソン/アイドルファンに向けた販売戦略をとっている。

 

 

一方のBABYMETALは、キャラクター性や活動内容からアイドルファンはもちろんの事、明らかにメタラーを取り込もうという強い意思が感じられる。

 

彼女たちを認めたくないメタラーは、結局アイドルでありながらメタルアーティストと同等の扱いを受けるBABYMETALが気に入らないのだ。

 

 

似たような例として、PassCodeをはじめとするラウド系アイドルも挙げることが出来る。

彼女たちもアイドル然としたキャラクター性を保ちつつ、本格的なサウンドで活動しているという類似点があり、コアなロックファンの取り込みに成功している。

 

以上の事から、ラウド(ロック)系アイドルを嫌う層も上記に該当するのではないだろうか。

 

 

BABYMETAL(ベビーメタル)が嫌われるたった一つの理由 まとめ

ということで、BABYMETALがメタラーから嫌われる理由について持論を語ってきた。 

 

BABYMETALが大きく売れた事によって、もう少しメタル界全体の地位向上に繋がっていればメタラーも少しは認めていたかもしれない。

 

彼女たちの成功で多少メタルリスナーは増えたかもしれないが、ブレイクの規模を考えればメタル界への影響という意味では少し物足りなさが残る。

 

BABYMETALや、それに追随するように生まれた「ロック系アイドル」のファンが増えただけで「メタル」自体にはそこまでスポットライトが当たっているように思えないのだ。

 

結局は「ロック系アイドル」という基盤を作ったことが一番の功績であり、「類似するアイドルの量産」といったメタル界とは別の場所でムーブメントを起こしたに過ぎないのではないか。

 

現状ロック系アイドルの勢いは凄まじく今更どうすることも出来ないが、各種メディアには「メタル」の部分をもう少しフィーチャーしてもらって、既存のメタルバンドが正当に評価される土壌を作ってもらいたいものだ。

 

それではまた。

 

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