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なぜアイドル音楽が嫌われるのか?3つの理由から考察してみた

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アイドル

出典:avex management Web
 

アイドル業界は、一時の勢いがなくなったものの、未だ「アイドル戦国時代」というムーブメントが続いている。

 

AKBグループをはじめとした、さまざまなアイドルたちがランキングを席巻し、テレビやネット等のメディアで顔を見ない日は無いというほどの活躍ぶりだ。

 

人気が出れるにつれて、それに比例して増えていくのがアンチの数。

中でも、純粋な音楽ファンほど、「アイドル音楽」に対し敵意をむき出しにする。

 

当稿では、なぜアイドル音楽が嫌われているのか、3つの理由から考察し、併せて私の考えも述べていきたいと思う。



 

"音楽"のみで売れているわけではないから

アイドルの音源を購入するファンの多くは、楽曲の良さに惹かれて音源を購入しているわけではない。いわゆる顔ファンが購買層の多くを占めることが、ヘイトを集める要因になっている。

 

音楽ファンはこういった状況に過敏に反応する。結局、音楽以外の要素で、知名度を上げたり売り上げを伸ばすことに納得がいかないのだ。要するに、純粋な音楽の力だけで勝負しろよということ。個人的なことを言えば、アイドルは音楽性よりも「いかにポップな存在として輝けるか」だと思っているので別に構わないが、多くの音楽ファンはそれを許さない。

 

 

もう一つは、アイドルのCDにありがちな「販売戦略」に対するヘイトである。

 

たとえば、収録曲のカップリングを替え(同じ収録内容の場合もある)、ジャケット等を変更し「Aタイプ」「Bタイプ」「Cタイプ」というような、商品に複数のパターンを設け、ひとりのファンが複数枚購入するよう誘導し、客単価を上げる戦略である。

 

 

 

もうひとつの例は、CDに特典を付けた販売戦略である。握手券であったり、ライブチケットの引換券をCDに付属させ、複数枚購入を促なす戦略。

アイドル握手会

出典:ORICON NEWS

 

これらの行為は、先述した顔ファンがCDを購入する理由と同様に、音楽を正当に評価していないばかりか、音楽に対する冒涜ともとれる。

 

繰り返すが、純粋な音楽ファンは、作品に対する評価以外で、購入する動機づけがなされていることを嫌う。こうしたアイドルを取り巻く状況は、アイドル音楽が嫌われる最たる例ではないだろうか。

 

 

 

アイドルは売れているから叩かれやすい 

有名だからこそ嫌われるのではないかという事である。

 

冒頭にも既述したが、人物や団体は知名度がある程度高くなると、比例してアンチの数も増えていく傾向にある。これは音楽業界に限ったことではなく、一般の芸能人を含めたいわゆる「有名人」なら誰しもそうだろう。

 

万人に受け入れられる人間などいないし、人気者が叩かれるのは世の常である。

 

ここ最近は芸能人に対する誹謗中傷が犯罪レベルにまで激化しているが、SNSの隆盛がこうした行為に拍車をかけていると思う。

 

特に音楽というのは個人の嗜好が出やすい分野であり、自分の好きなアーティストや分野を持ち上げるため、気に入らない対象を蔑むことが日常茶飯事だ。

 

逆の考え方をすれば、アンチといえども話題に上っているのだから、人々の注目を集めているという意味では、有難いことかもしれない。

 

もちろん、根拠も無く誹謗中傷する輩や、過度に炎上させる阿呆は許してはいけない。だが、極少数のファンしか存在せず、ひっそりと活動を終えるアイドルも、それはそれで悲しい事ではある。 

 

 

アイドルはアーティストではないから 

いまやアイドルもアーティストと呼ばれる時代になった。

 

日本では歌手や演奏家を含め、音楽に携わる人間を、誰彼構わずアーティストと呼ぶようになったが、あなたはアーティストの定義をご存じだろうか。

 

 

言葉自体を直訳すれば”芸術家”だが、「芸術作品を創作・創造し、表現する人」という意味がある。ただし、これは単に言葉としての意味である。

 

 

日本の音楽業界で使われている「アーティスト」という呼び名の意味は、また少し違っていてややこしい。実はミュージシャンと関係があるのだ。

アーティスト

 

もともと音楽家のことを、ミュージシャンと呼ぶのは誰でも知っているとは思うが、これは、歌唱力や楽器の演奏技術はもちろん、作詞/作曲の能力まで備えており、そのどれもが高いレベルにある人間のことを指す。


対して、歌唱力に恵まれていても、楽器演奏技術や、作詞/作曲能力の低い人間が音楽業界に増えてきたことを受け、そういった人間とミュージシャンとの差別化を図るため、歌に特化した者を「アーティスト」と呼ぶようになったそうだ。

 

ただし、先に挙げた「芸術作品を創作・創造し、表現する人」という意味で、アーティストと呼んでいる場合もあり、その定義はかなり曖昧である。

 

 

アイドルを批判している人が、どちらの意味で捉えているのか分からないが、アイドルが"アーティスト"と呼ばれることを、疎ましく感じている人間が多いことがアイドル音楽が嫌われる要因になっているということだ。

 

音楽好きは、音楽にストイックに打ち込んでいる"アーティスト"なり"ミュージシャン"をリスペクトする傾向がある。そうなると中途半端なアイドルという存在は、バッシングの対象になりやすい。

 

 

果たしてアイドルは「アーティスト」と呼ぶにふさわしいのか。

 

「芸術作品を創作・創造し、表現する」ことができ、歌唱力に優れたアイドルならば誰も文句は言わないだろう。

 

 

実際この線引きは、ものすごく難しい。

 

アイドルは曲を自作することが少ないが、かといって、それが即アーティスト失格とは言い切れない。作家に与えられた音楽であっても、自分たちのフィルターを通して、全く新しい芸術として創造し、ダンスなど歌以外の総合的な要素で、それらを表現しているアイドルグループも存在する。

 

だが、そんなアイドルでも歌唱力が低い場合もある。

 

 

先に挙げた二つの定義のうち、どちらも満たしたアイドルというのは、一握りも存在しないのかもしれない。というか、そんなアイドルが本当に存在するなら、それこそアーティストと呼ぶべきだろう。

 

 

いずれにせよ、明確にルールを設けて定義付けするのは難しいのだが、間違いなく言えることは、アイドルであれアーティストであれ音楽の評価は平等に下すべきだということ。

 

そこを蔑ろにしては、本当に聴かれるべき良質な音楽が埋もれてしまう恐れがあるし、ただでさえ衰退している音楽業界がさらに衰退してしまうだろう。

 

 

まとめ 

現状が続く限り、アイドル音楽に対するヘイト行為が無くなることはないと思うが、そうした行いは、はっきり言って時間の無駄である。音楽好きを自称するなら、外野がどうなろうと、自分の好きな音楽だけをただひたすらに探求してもらいたい。

 

個人的にはアイドルが売れてチャートを席巻しようが構わないし、生活する上で何も困らない。物が売れれば経済が回るわけで、悪いことでもない。私の好きなミュージシャンが、末永く活動を続けてくれれば、あとは何も望まない。

 

それではまた。

 

 

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