あなたは自分の好きなバンドを、他人に否定されたことがあるだろうか。
ダサい
センス悪い
なんでこんなの聴いてるの?
などなど
こういった現象はバンド好きにとって何物にも代えがたい苦痛である。先日Yahoo知恵袋をのぞいていたら、冒頭に掲載した質問に類似する物が多数見つかった。多くのバンド好きが同じような経験をしているようだ。
筆者は、ジャンルの垣根を越えて幅広く音楽を聴いている。特にアンダーグラウンドで活動するロックバンドに惹かれることが多い。音楽を好きになって以来、そのスタンスは現在も変わっていないのだが、気に入ったバンドを知人に勧めても大概が渋い反応である。
当稿では、過去に好きなバンドを否定されまくった筆者が、あれこれ考えてたどりついた対処法をシェアしていきたいと思う。傷ついたりムカムカする心の処方箋になれば幸いだ。
音楽は誰のために聴く?
バンドミュージックに限らず、音楽を聴く際は、まずこの考え方をしっかりと胸に刻み込んでほしい。
誰のために音楽を聴いている?
答えは言うまでもなく自分自身のためだ。
友人とシェアするためではない。
流行に乗るためでもない。
かといって、そうした音楽との付き合い方を頭ごなしに否定することはできない。
音楽との付き合い方は人それぞれだからだ。
自分以外の人間と共通の音楽を楽しむ。
素晴らしい事である。
「独りの食事よりもみんなで食事をした方がおいしい」
というのと似ているかもしれない。
だが根本は、自分自身が楽しむために行う行為ではないだろうか。
流行りに乗って音楽を聴くにしても、自分の嗜好からあまりにもかけ離れていれば流行歌を聴くことはしないだろう。
結局は自分が楽しいかどうかである。
「音楽」という物は誰が何と言おうと、自分が「良い!」と思ったから聴いているという事実を絶対に忘れないでほしい。
私はロックが好きだがアニソンも同じくらい好きである。
ここ数か月はACIDMANがマイブームだが、(読者さんは誰も知らないであろう)Aチャンネルの主題歌も同じ頻度でヘビロテしている。
アニソンだけではない。
クラシック音楽も好きだし、ヒップホップやJ-POPも変わらない情熱で接しているつもりだ。
今も昔も、ロック好きというのは偏屈で変わり者が多い。それと同時に自分の好きなものしか認めない頭の堅さを持つ。
私の周りだけかもしれないが、ロック好きがヒップホップを聴こうもんなら、大バッシングされた時期があった。アニソンなど言語道断である。
まさにYahoo知恵袋で、多くのリスナーが悩んでいる状態と同じ。
そんな時どうしたらいいのか?
答えはかんたんだ。
否定する人間を自分とはまったく別の生き物だと思えばいい。
自分以外、世の中に生きているすべての生き物は、自分とは別の価値観で生きている別の生き物だと思い込もう。そうすれば否定されようが「そういう考え方もあるな」で済む。
人は、自らの嗜好を否定されたとき、どういう行動に出るだろう。
多くの人間は、自分の感性が正しい事を証明するために、相手を説得するはずだ。
今回の件で言えば、自分の好きなバンドの素晴らしい点を挙げて、相手を論破しようとするはず。
だがそれは無駄な事である。
なぜって?相手は自分とは違う生き物だからだ。
仮に判ってもらえるまで激論を繰り返したとしても、その行為に一体どれだけの意味があるだろう。
たしかに、同じ音楽を好きになる同志が増えることは嬉しいことかもしれない。
でも冷静になって良く考えてみてほしい。
判ってもらうまで素晴らしい部分をあげつらうのは、自らの価値観を他人に押し付けている時点で、否定している人間と根本は同じだ。そんな人間と同じになりたくなかったら、わかってもらうためにアツくなるべきじゃない。
否定されたらとにかく反論するな。
それが最も穏便に済ませる方法である。
それが仲の良い友人だったら?
その場合は、価値観を共有できない関係として、うまく付き合っていくしかない。音楽の趣味が合わないくらいで壊れる友情なら、そんな物は初めから存在しなかったということだ。それに人生なんてそんなことの繰り返し。そもそも人間関係は、心身ともに疲れるように出来ている。
「でもなんかモヤモヤするし負けた気がするから悔しい」
そう思ってしまうのは人間だから仕方ないが、項目のタイトルを思い出してほしい。
誰のために音楽を聴いている?
自分のためだ。
自分が良いと思ったから聴いている。
所詮音楽を聴くことなんてシンプルにそれだけのはず。
あれこれ難しく考えるのは学者先生に任せておけばいい。
否定した相手に判ってもらう必要なんてない。誰が誰を叩こうが関係ない。
自分が良いと思った音楽は、誰に何を言われようが、その良さは未来永劫絶対に変わらないのだから。
意見が割れた時は判ってもらおうとするな。そのために情熱を注ぐことは無意味であり愚かな行為である。その情熱は自分の好きな音楽にすべて注ぎ込めばいい。
仮に、他人に否定されたくらいで聴くことを渋るような音楽なら、所詮その程度の情熱しか持っていなかったということだ。そんな音楽は聴くことをやめて、もっと情熱を注げる音楽を探すべき。
他人の意見に依存するな。自分の感覚を信じて素直にそれに従えば良い。
それではまた。
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