かつては男の世界だったヘビーメタルシーン。
今はすっかり時代も変わり、女性ボーカルを擁する様々なメタルバンドが台頭してきた。
そこで当稿では、筆者が厳選したガールズメタルバンドのおすすめをいくつか紹介していきたい。
ただ、「ガールズメタル」の定義が曖昧で、ボーカルのみ女性のケースもあれば、メンバー全員が女性という場合もある。
出来るだけ一度にまとめて紹介したかったため、今回は最低限の条件として女性ボーカルのメタルバンドということでチョイスした。
- 女性ボーカルのガールズメタルバンド
- 女性ボーカルのガールズメタルバンド まとめ
女性ボーカルのガールズメタルバンド
LOVEBITES(ラヴバイツ)
ジャンル:メロディックスピードメタル/パワーメタル
活動期間: 2016年 - 現在
元DESTROSEのmihoとharunaを中心に結成された。
筆者がLOVEBITESを知ったのはMIYAKO(G)のおかげ。
MIYAKOは、元「SIAM SHADE」のNATCHINを中心に結成された「21g(現在は解散)」のギタリストだった。
彼女は、21gの在籍中にLOVEBITESへサポート加入が決まり、結果的に両バンドとも追いかけることとなり現在に至る。
オールドスクールメタルをベースに、オリジナリティが光る本格的なメロスピを鳴らしているガールズメタルバンド。
高い演奏力とキャッチーなメロディは瞬く間に話題となり、現在は海外でのリリース、ライブを敢行するなどワールドワイドに活躍中。
LOVEBITEおすすめアルバム
Unlucky Morpheus(アンラッキー・モルフェウス)
ジャンル:メロディックスピードメタル
活動期間: 2008年 - 現在
通称「あんきも」。男女混合ガールズメタルバンド。
基本スタイルはメロスピであるが、メンバーの嗜好が影響し「メタルコア」などモダンメタルサウンドやグロウルを巧みに取り入れた斬新な楽曲は極めて個性的である。
サウンド以外で特筆すべきは天外冬黄 (てんげふゆき)の圧倒的なボーカリゼイション。突き抜ける伸びやかなハイトーンは必聴。
Unlucky Morpheusのおすすめアルバム
▼レビューもしているので気になった方はあわせてどうぞ
Mary's Blood(メアリーズブラッド)
ジャンル:ヘヴィメタル etc...
活動期間: 2009年 - 現在
DESTROSEの元メンバーEYE、ERI、NIBOSHI、MARIにCHIBAを加え結成された。
元々あまり聴いていないバンドだったが、アニソンをメタルカバーした「Re>Animator」というアルバムで一気に興味がそそられた。
素晴らしいクオリティの作品。
そこから過去の作品を遡って聴いてみたのだが、ヘヴィメタルをベースに様々な音楽性を貪欲に吸収したサウンドを展開している印象。
楽曲によってはパンクやラウドロックの要素も感じられるので幅広いロックリスナーに訴求できるバンドだと思う。
Mary's Bloodのおすすめアルバム
BAND-MAID(バンドメイド)
ジャンル:ハードロック/ヘヴィメタル
活動期間: 2013年 - 現在
「メイドファッションとロック」というコンセプトが、日本のみならず欧米のロックファンのハートを鷲掴みにし、現在は世界を股にかけ活躍中。
BAND-MAIDの音楽性は基本的にハードロックなのだが、近年の作品はメタル寄りの物が目立ち始め、サウンドのアグレッシブさは年々上昇している。
特に2021年1月20日リリースされた「Unseen World」の出来は神掛かっていた。
HR/HMファンは必ず聴きましょう。
▼レビューもしているので気になった方はあわせてどうぞ
BAND-MAIDのおすすめアルバム
HEAD PHONES PRESIDENT(ヘッド・フォン・プレジデント)
ジャンル:オルタナティヴメタル/プログレッシブメタル/ニューメタル etc...
活動期間: 2000年 - 現在
男女混合ガールズメタルバンド。
一般的な知名度は皆無だが、海外でも根強いファンを抱えるなど知る人ぞ知る優良バンド。
「ヘッドフォンから聴こえてくる音楽で1番に」という願いを込めたバンド名が最高にイカしている。
幅が広すぎる音楽性なのでジャンルを限定するのが困難だが、叙情性があり退廃的な音楽が好きならハマれる条件を満たしていると思う。
今回紹介している中では最もラウドロック寄りでストリート感もあるので、正統派ヘヴィメタルが苦手でも素直にカッコいいと感じられるのではないだろうか。
逆にメタラーからはボーカルが弱いなど辛辣な意見もある。たしかに海外勢と比較するとパワー不足は否めないが、そこは結局好みの問題だろう。
HEAD PHONES PRESIDENTのおすすめアルバム
BRIDEAR(ブライディア)
ジャンル:ジャーマンメタル/メロディックスピードメタル/パワーメタル
活動期間: 2012年 - 現在
BRIDEARは、そのジャンルの持つ伝統を重んじて丁寧にサウンドを鳴らしている。
どうして日本はこれらすべての素晴らしいガールズバンドを持つことができるのでしょうか?感動しました。ドイツからのご挨拶。
こうしたコメントは他にも多数寄せられており、彼女たちの実力が本物だという一つの証明ではないだろうか。
現在ブレイク中のバンドと比較すると派手さはないが、堅実なプレイに裏打ちされた楽曲はどれも申し分ないのでプロモーション次第で大きく化ける気がする。
BRIDEARのおすすめアルバム
Aldious(アルディアス)
ジャンル:メロディックスピードメタル/パワーメタル/ヘヴィメタル
活動期間: 2008年 - 現在
過去にボーカルが二度交代しており、二代目「Re:NO」に代わった際は賛否両論巻き起こった。
個人的には初代「Rami」三代目「R!N」がメタルミュージックとの相性は良いと思う。
二代目「Re:NO」は、下手ではないもののバンドサウンドに少し負けているかなと感じている。
ちなみに映像のボーカリストは三代目「R!N」で三人の中で最も好きな声。
サウンドのバリエーション、飽きさせない展開とアレンジ、安定感のある演奏、そして純度の高いメタル。安心してすすめられるガールズメタルバンド。
Aldiousのおすすめアルバム
CYNTIA(シンティア)
活動期間: 2011年 - 2017年
KARAの東京ドーム公演でのバックバンド出演、アルバム「Lady Made」が119ヶ国のiTunesで配信され世界同時メジャーデビューを果たすなど、大きな活躍が期待されていた。
しかし、YUI(G)がフォーカルジストニアと診断され協議を重ねた結果、2017年に無期限活動休止を発表。
そんな中、ボーカル「SAKI」が2020年ソロ活動を開始したため良いタイミングだなと思い今回チョイスした。
シンプルで力強いメタルサウンドと、キャッチーなメロディを信条としている彼女たちだが、音楽性は常に迷っていた印象がある。
特に活動後期はビジュアルも含め"ポップ"な面を全開に押し出した、いわゆる「ポップロック」方面に舵を切ったこともありファンを驚かせた。
そのおかげもあるが、後期の音楽性はかなり聴きやすい。
もはや「メタル」と呼べないレベルかも知れないがバッキングなどのフレーズはメタルの香りを残していると思う。
SIAM SHADEのポップナンバーのような感じだろうか。
したがって、前期後期でかなり音楽性が変わっているため、どちらが良いかはリスナーの好みに委ねられるわけだが、どちらも聴きどころがあり個人的に選ぶのは難しい。
CYNTIAのおすすめアルバム
▼ハードなCYNTIAが好みならこちら
▼ポップなCYNTIAが好みならこちら
女性ボーカルのガールズメタルバンド まとめ
筆者が厳選したガールズメタルバンドいかがだっただろう。
どれが良いのか迷ったらとりあえず「LOVEBITES」を聴けば間違いないと思う。
2021年現在、ガールズメタル界隈では最も勢いのあるバンドだし、純メタラーの琴線に触れるサウンドしか鳴らしていない。
今度は女性ボーカルのラウドロック特集をやってみたいと思っているのでお楽しみに。
それではまた。
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