歌手とアーティストの違い|両者を分ける真のボーダーラインとは?
情報サイトやテレビ番組を観ていると、同じ人物、グループであっても「歌手」「アーティスト」と、呼ばれ方が媒体によって異なることがある。
当ブログでは、便宜上「アーティスト」と表記することがほとんどだが、厳密には両者を分けて考えなければならない。
歌手とアーティストの違いはどこにあるのかさっそく解説していきたいと思う。
歌手とアーティストの違い
歌手
文字通り「歌い手」であり、歌を歌うことでお金をもらっている人物を指した呼称。
したがって、歌唱力のあるなし、売れる売れないにかかわらず、現状で歌を歌っていればすべて「歌手」という事になる。
ドラマやバラエティ出演など、歌以外の仕事もこなすアイドルも歌を歌っている以上は立派な歌手だ。
近年では「菅田将暉」が該当するが、上記とは逆に、元々は俳優でも歌の活動をしている際は「歌手」と呼んでも差し支えない。
とにかく、歌を歌うことが職業の一部、もしくは全てであれば状況はどうであれ歌手と呼べる存在だということだ。
アーティスト
そのまま日本語に訳せば「芸術家」。
芸術家とは
芸術作品を創作・創造し、表現する人
音楽家、美術家、写真家、映像作家、著作家など、該当する職業は多岐にわたる。
今回のテーマに当てはめれば「アーティスト」とは「音楽を芸術として表現できる人間」という事になる。
日本では、「自身で作詞作曲しなければアーティストとは呼ばない」という風潮があるがあれは間違いっていると思う。
例外もあるが、歌手であっても「声」を使って芸術を表現しているからだ。
つまり「歌手」も、上述した「音楽家」に含まれる。
歌手とアーティストの違い まとめ
アーティスト:
芸術家。音楽を芸術として表現している人「音楽家」。
歌手:
歌を歌うことを職業にし、声で音楽を表現している「音楽家(アーティスト)」。
歌手とアーティストのボーダーライン
前項で「歌手もアーティストである」と定義付けた。
しかしそれは一般論としての話であり、すべての歌手がアーティストと言われても納得できないと思う。
作品の善し悪しは別にして、あなたにも、なぜアーティストと呼ばれているか不思議な歌手が一人や二人はいるのではないだろうか。
音楽をカテゴライズするのはナンセンスだという意見もある。
だが、歌手やアイドル自身が「自分はアーティストと呼ばれたい」というケースだって珍しくない。
一般リスナーの認識として、歌手よりもアーティストの方が格上だという漠然としたイメージが蔓延しているからだろう。
だからこそメディアも「アーティスト」を便利な言葉だと認識した上で乱用しているはず。
とりあえず「アーティスト」と呼んでおけば角が立たないし、歌手自身のイメージも保たれる。
では「歌手」と「アーティスト」を分けるボーダーラインはどこにあるのか考えていきたい。
たとえば、ある「歌手」をアーティストかどうか判断する際、最終的には芸術的かどうかが大きな基準になってくる。
ただし、芸術的な基準なんて極めて曖昧で、それこそ人によってボーダーラインは様々。
近年、急激に知名度を上げた「歌い手」なんかも「アーティスト」かどうかで意見が割れている。
結局は歌手それぞれの信念
一部の「歌手」をアーティストと呼びたくない層は、スキル云々の前に、その歌手から感じられる軽薄さに辟易しているのではないだろうか。
「上手く歌う事だけが目標」だとしたら「芸術」になりにくいと思うのだ。
または、作家に与えられた曲を「ただ歌っただけ」の作品など。
だからこそ、アイドルをアーティストと呼ぶ風潮に異議を唱える人が出てくる。
中には、ビジネスライクに取り組んだ作品が素晴らしい芸術に化けることもある。
声を楽器にすることを旨とした「声楽家」という職業があることからもそれは明白だ。
だから一概には言えないけれど、
何かを「表現したい」という強い気持ち =「信念」
は歌声に宿る気がするのだ。
それを聴いたリスナーが心を震わせ「芸術」として感動できるのではないだろうか。
やはりアーティストに大切な物はスキルではなく信念だと思う。
歌手とアーティストの違い まとめ
ということで歌手とアーティストの違いをまとめてきた。
筆者のように面倒なことを考えなければ、両者の違いは単純明快だということが分かっていただけたと思う。
ただ、個人的にはいつまでもこだわりたいし、音楽を聴く上で大切にしていきたい想いでもある。
それではまた。
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