LOVEBITESがますます好きになる『GLORY, GLORY, TO THE WORLD』レビュー&感想
2021年3月10日リリースされたLOVEBITESミニアルバム『GLORY, GLORY, TO THE WORLD』をレビューしていきたい。
2018年にリリースされたミニ・アルバム『BATTLE?AGAINST?DAMNATION』同様、本作も今後フルアルバム等で収録される予定のない独立した新作なので、アルバムしかチェックしていないというあなたもぜひ聴いてみてほしい。
LOVEBITES『GLORY, GLORY, TO THE WORLD』収録曲
- Glory To The World
- No Time To Hesitate
- Paranoia
- Dystopia Symphony
全作詞
asami / Ayako Kawai
作曲
#1 midori / Mao
#2 miyako
#3 asami / Mao
#4 miyako
完全限定盤Bのみに収録
- Winds Of Transylvania (オリジナル・ヴァージョン)
- Winds Of Transylvania (インストゥルメンタル・ヴァージョン)
作詞:asami
作曲:asami / Mao
LOVEBITES『GLORY, GLORY, TO THE WORLD』総評レビュー
☆おすすめ曲 ⇒ 1/2/3/4/5
2月21日に配信楽曲としてリリースされた「Winds Of Transylvania」の興奮冷めやらぬまま発表された本作。
デビューから一貫してハイペースでリリースを重ねているLOVEBITES。
最近は特にやる気があるなと感じているが、今が攻め時だという想いもあるだろう。
加えて、彼女たちの調子が上向いていることもその一因ではないだろうか。
そんなLOVEBITESの勢いがそのままパッケージされたGLORY, GLORY, TO THE WORLD。
全4曲とボリュームは少ないものの、情報量の多いバリエーション豊かな楽曲のおかげで満足のいく作品に仕上がっていると思う。
相変わらずのパワーと疾走感を纏った、クオリティの高いメタルサウンドに圧倒されることうけあい。
LOVEBITESはシンフォニック/パワー・メタル系とスラッシュメタルを行き来するサウンドを得意としているが、ここに来てまた一つ上のステージに上がってしまったようだ。
世界の名だたるバンドたちと比較して、劣っている箇所を探すことがますます難しくなってきた。
というか、たった4曲でここまでワクワクさせてくれるメタルバンドは世界中を見渡しても稀ではないだろうか。
"センス"という陳腐な言葉で絶賛するのはいささか気が引けるが、楽曲の至る所で極上のセンスがほとばしっている。
メタラーの琴線に触れる「次はこう来てくれたらいいな」というフレーズやリフを惜しげもなく投入してくれるから聴いていて楽しくて仕方がない。
しかも、ほとんどのフレーズが期待を大きく上回るのだ。これをセンスと呼ばずして何と言えばいいのだろう。
先日リリースされたアルバムレビューでもasami(Vo)の成長に触れているけれど、数年前はファンからあれこれ不満をぶつけられていたのが信じられない。
本作でも聴ける彼女の進化したボーカルは、アグレッシブなサウンドに負けない確かな存在感を放っている。
特にゾクゾクする低音の凄みが増したような気がする。個人的にはもっと荒々しく吐き捨てるボーカルも聴いてみたい。
メロディに乗せる歌詞もさらに良くなってきたと思う。無理に言葉を詰めんでいないから、asamiの武器である伸びやかな歌声が活きている。
サウンド、歌ともに申し分ない出来で、上のレビューでも同じようなことを言っている気がするけど、本作も全メタラーの必須アイテムです。
LOVEBITES『GLORY, GLORY, TO THE WORLD』サウンド
ではそれぞれの楽曲を簡単に解説していこう。
Glory To The World
オープニングを飾る王道パワーメタルナンバー。
個人的にこの系統のイントロを聴くとKamelotを連想してしまう。
No Time To Hesitate
miyako作曲。
とにかく彼女の書く曲はダーティーな魅力があり男前。
荒ぶるアグレッションが具現化したゴリっとしたサウンドでザクザク刻むバッキングが快感。
Paranoia
勇壮な雰囲気からスラッシーなリフへ移行した瞬間の高揚感が最高。
asami(&Mao)作曲なのだが、彼女はメタルをやっていくうちにスラッシュメタルの魅力に目覚め、挑戦の意味も込めスラッシーなこの曲を作ったそうだ。
asamiはギターが弾けないためピアノでリフを作成したというエピソードも衝撃的だった。
忙しない展開と対照的な歌謡曲を彷彿とさせるメロディがコントラストを生みサウンドのスリリングさを倍増させている。
Dystopia Symphony
ピアノの音色が効果的に配置されている。
全編に渡って入っているわけではないが、楽曲の世界観を決定付けるほどの強い存在感があると思う。
ちなみにベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」をモチーフに制作されている。
LOVEBITES『GLORY, GLORY, TO THE WORLD』まとめ
ということで本日リリースされたばかりのLOVEBITESのニューミニアルバム『GLORY, GLORY, TO THE WORLD』をレビューしてきた。
まさに完璧と言える作品で何ひとつ不満点はない。
LOVEBITESファンなら、ますます彼女たちの事が好きになると思う。問答無用でマストです。
それではまた。
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