【V系】ヴィジュアル系はこんな人でも好きになる 独特な世界にハマる心理
日本には様々な音楽ジャンル(スタイル)が存在する。
その中には、ファンでなければ到底理解できない物もあり、ヴィジュアル系(V系)は、その最たる例だろう。
ヴィジュアル系は、その音楽性やコンセプトを含めた世界観が独特である。
それと同列に語られるほどバンギャと呼ばれる「V系音楽」を好むファンの存在もまた独特だ。
邦ロック、J-POPが好きな、ごく一般的な音楽リスナーからすれば、「V系」「バンギャ」はキモいと感じる対象で、「何であんな音楽聴いているの?」と思われることだってある。
バンギャがヴィジュアル系にハマる心理は、メディアでも度々話題となる。
先日、心理学の偉い先生が「V系バンギャの深層心理」と題しアツく語っていた。
他にも、バンギャ座談会のようなもので彼女たちの生態がレポートされている。
筆者はそれらすべてに目を通してみたが、結局、世間が抱くバンギャのパブリックイメージを掘り返しているだけでまったく面白みがなかった。
読み物としては、誰しもが想像する"バンギャ"らしさをピックアップする方が、読者の反応も良いと思うので仕方ない部分はある。
そこで当稿は、個人ブログの強みを活かし、大手メディアが取り上げないファンの生態を語ってみたい。
というのも、筆者のパートナーが元バンギャだったため、少しばかり内情に詳しいのだ。
つい数年前まで現役バンギャとして活動していたので情報としても鮮度はあるかなと思う。
狭い世界の話かもしれないが、こんな人でもヴィジュアル系にハマるというのをお伝えできれば幸いである。
特にヴィジュアル系に偏見を持っている人に読んでもらいたい。
ヴィジュアル系を好きになる心理
まず大まかに、どんなタイプの人間がヴィジュアル系を好きになるか挙げてみよう。
大きく分ければこの三点になる。
もちろん上記以外にもV系を好きになるきっかけはあるだろうが、あくまでも筆者が知る中で割合が多そうな物をピックアップした。
化粧をしているバンドマンが好き(顔ファン)
ここに該当するヴィジュアル系ファンは、アイドルに対する顔ファンとほぼ変わりはない。
メンバーの容姿のみに惹かれており、音楽性やバンドのコンセプトは二の次と言ったタイプ。
推しメンに会いたいがためにライブに通い、メンバーのためにグッズを購入する。
どちらかと言えば、世間一般の"バンギャ"に対するイメージである「メンヘラ」といった類いの人間ではなく、比較的健全な精神であることがほとんど。
V系を取り巻く世界観が好き(メンヘラ)
ヴィジュアル系の世界観は独特だと上述したが、その要因は、彼らから発せられる退廃的なイメージによるものだ。
嫌いな人はとことん嫌う歌詞の世界や衣装の奇抜さなどなど。
極めてドロドロとした世界観は、心を病んでいるバンギャ予備軍の琴線にガンガン触れていく。
。。。というのが大手メディアが取り上げるイメージではないだろうか。
実際、バンギャはそういった「おかしな人たちの集まり」だと認識している人も多いはず。
だがこれは半分間違いで、退廃的な物が嫌いなバンギャもいる。
要するに、メンヘラばかりではないということだ。
一昔前なら、「村社会」のようなコミュニティを形成し、暗い世界に閉じこもって外部との接触を避けるのがバンギャだった。
パートナーに聞いた話では、顔ファンと同じで、音楽性や世界観の面でも意外とメンヘラのファンは少ないらしい。
中には量産型邦ロックや、わかりやすいJ-POPが好きなバンギャもいるそうで、それには大変驚いた。
それを裏付けるように、アイドルばりにキラキラとした世界観のヴィジュアル系バンドも存在する。というか、業界全体で見てもそういったバンドの数は年々増加しているようだ。
文字通り「キラキラ系(オサレ系)」というジャンルで活動しており、その元祖は「baroque(バロック)」だと言われている。
多様化するバンギャの嗜好に合わせ誕生したのか定かではないが、ドロドロとしたV系など過去のものだと言わんばかり。
いずれにせよ、新たなV系文化を形成していると言えるだろう。
曲が好き(音楽バカ)
ヴィジュアル系バンドの楽曲が好きで、その世界にハマっていった者たちのこと。
これはまさに筆者のことである。
過去にこんな記事を執筆するほど、ヴィジュアル系は思い入れのあるジャンルだ。
当ブログではメタルの話題ばかりだが、非メタル系のV系バンドも数多く聴いており、音楽的には並みのバンギャより何倍も詳しいと自負している。
男性でV系を聴き込む人間がどれだけいるか定かではないが、全音楽リスナーの割合と比較すれば、ごく少数ではないだろうか。
周りにどう思われようが、好きな音楽をとことんまで追い求めるという意味での「音楽バカ」である。
V系への偏見をなくしたい
今回こんなテーマで記事を執筆した理由は、V系の楽曲に対する偏見をなくしたいと思ったからだ。
出典:Yahoo知恵袋
上記はYahoo知恵袋からの引用。
「ヴィジュアル系を好きになる人の心理は?」に対する回答だ。
ヴィジュアル系は音の面でまだまだ偏見の目で見られてる。
「サウンド志向の人間は曲で判断する」
こういうことをドヤ顔で発言してしまうタイプの多くは、ヴィジュアル系の曲を聴かずに判断していることがほとんどだ。
たいして聴きもせず、「V系は見た目だけだから音楽性で劣っている」と決めつけ、自分の聴いている音楽こそ至高だと勘違いしている。
なぜV系が支持されているのか考察しない。
したがって、「楽曲が好きでV系ファンになるわけがない」と思ってしまう。
おそらく「アイドルを好きになる人の心理は?」と訊いたら、「V系にハマる人と同じでは?」と回答をするだろう。
要するに思考が止まっているタイプの音楽バカだ。
月並みな表現で蔑まされるくらいなら、いっそのこと「キモいから嫌いだ」とはっきり言われた方がましである。
上述したように、ヴィジュアル系は様々な理由でハマっていく人がいるが、音楽に感銘を受ける人間がいることも理解してほしい。
それはアイドルの音楽に対しても同じことが言えるだろう。
筆者がなぜ「ヴィジュアル系」にここまで入れ込んでいるのかというと、普段から洋楽メタルを聴いており、その延長のような感覚なのだ。
ヴィジュアル系バンドの演奏力は年々高くなっている気がする。
プログレメタル/ジェントなど人間離れしたプレイを軽々と演奏できるプレイヤーが育ってきた。
要するに、海外のメタルミュージックと同じ感覚で聴けるレベルに到達しているのだ。
非ビジュアル系の国産メタルは、良質な新人が出てきてもジャンルの規模が小さすぎるためか、なかなかメディアに名前が挙がってこない。
そうなると、取り上げられやすいヴィジュアル系にぶち当たってしまうというのもある。
いずれにせよ、「音」ありきでV系を聴いているため、メンバーの顔はもちろん、どういったコンセプトで活動しているか等、曲以外の要素は何だって構わない。
メンバーがブサイクでもデブでもハゲでも問題ない。
V系にハマる人間の中には、筆者のように変わった奴がいることも認識してほしいのだ。
それはおまえが男だからだろ
と思われたかもしれないが、バンギャの中にも、見た目ではなく曲のみに惹かれる者も多くはないが存在する。さすがに筆者ほど極端ではないだろうが。
ヴィジュアル系はこんな人でも好きになる まとめ
というわけで、ヴィジュアル系にハマるファンの生態について語ってきた。
パブリックイメージから少し論点をずらして例を挙げてみたが、好きになる理由は様々でV系ファンを一纏めに出来ないことが分かっていただけただろうか。
ただし、自分を含めた周囲に偶然居なかっただけで、古いタイプの「バンギャ」もまだまだたくさん存在していると思われる。
"ヴィジュアル系"という文化と共に、ファンに対する偏見も完全には無くならないだろうけど、いつの日か邦ロックやJ-POPと同列に語られる日が来ることを願っている。
それではまた。
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