出典:Skream!
GO!GO!7188の解散についてはこちらの記事で語っております
あなたはGO!GO!7188というバンドをご存じだろうか?
2000年代初期に大活躍した3ピースロックバンド。
2012年の解散後も、根強いファンがいることでも有名である。
そして一部のロックファンから神格化されており”伝説のバンド”と呼ばれることもある。
出典:ソニーミュージック
そんなGO!GO!7188のメンバーで、ボーカル/ギター、全楽曲の作曲を担当していた
「ユウ(中島優美)」という人物がいる。
今回は、筆者の敬愛するユウがどれだけ素晴らしいアーティストなのかを知ってもらうべく企画した内容になっている。
7000文字弱とかなり長い文章ですが、気合を入れて書き上げたのでユウファンの方はもちろん、そうでないという方もぜひ最後までご覧ください。
- ユウ(中島優美)は天才
- ユウ(中島優美)は少年である
- 楽曲にみるユウ(中島優美)独特の感性
- ユウ(中島優美)の卓越したメロディセンス
- 歌詞に見るユウ(中島優美)独特の才能
- ユウの生み出す楽曲は不思議な中毒性ある
- ユウ(中島優美)はボーカルも魅力的
- 【天才】チリヌルヲワカ ユウ(中島優美)のまとめ
ユウ(中島優美)は天才
いきなり言い切ってしまったが、筆者はユウ(中島優美)のことを天才だと信じて疑わない。
正直「天才」なんて言葉は簡単に使っていい表現ではないし、使うあたっては相応の責任が伴う事も分かっている。
だが、ここまで理解してもなお、ユウだけは天才と言い切っても差し支えないと思ってしまう。
おそらく中島優美のコアファンなら、皆が同じように彼女を天才だと認めているに違いない。
過去にユウが産み出してきた曲や歌詞。それらをあらためて鑑賞しても「天才」としか形容できないものが多いのだから。
GO!GO!7188での活躍を鑑みると現状の知名度に納得がいかないファンも多いと思う。
現在のユウは知る人ぞ知る存在になってしまった。
これだけの才能がありながら、ここまで過小評価されている人も珍しいのではないだろうか。
そんなユウだが、GO!GO!7188解散後はチリヌルヲワカというバンドで活動している。
厳密にはGO!GO!7188在籍時の2005年にチリヌルヲワカはすでに結成されており、本格的に活動を開始したのは同バンド解散後である。
紆余曲折あり現在はサポートドラムを加えたスリーピースにて活動中。
チリヌルヲワカに関しては、以下の記事で詳しく語っているのでお時間のある方はご参照ください。
知る人ぞ知るアーティストとなってしまったユウではあるが、チリヌルヲワカでの活動においても他の追随を許さない彼女独自の世界を構築し"孤高の存在"と呼べるまでに成長した。
生み出す楽曲は言うまでもないが、ライブでの佇まいもロックンローラー然として単純にカッコいい。
ユウを見ていると本当に「音楽をやるために生まれてきた人間」なのだといつも感じる。
逆にユウから音楽を取ってしまったら、どうしようもない人間なのかもしれない。
でもそれでいいし、それがいい。
音楽に限らず芸術に携わる人間というのはそうでなくては受け手として面白くない。
良い意味でも悪い意味でも、常人とかけ離れていた方が面白いものが生まれるだろうし、それを受け取るリスナーサイドも感銘を受けやすいのではないだろうか。
本来、他人の心を動かすというのは容易なことではない。
アーティストというのはエキセントリックでなければならないと思う。
ユウ(中島優美)は少年である
女性であるはずのユウが少年とはどういうことだ?
と思われた方、
筆者なりの考えがあるので少し我慢して読み進めてみてほしい。
その番組内では「フリートーク」のようなコーナーが冒頭で設けられており、そこで会話をするユウは、己の信念を曲げず自己主張を展開することが目立つ。
「我が強い人物だな」と思っていつもラジオを聴いている。
↓ちなみにラジオはこちらで聴けます
ラジオでのフリートークは日常の何気ない会話がメインで、アルバムリリース直後やツアー中でもなければ、音楽をメインにトークをすることさえない。
そんな緩さがリスナーからも高好評を得ている。
筆者は放送80回辺りから毎週欠かさず聴いていたと思うのでリスナー歴は長い方だと思うが、このラジオを聴いていて常々感じている事があった。
感性がどことなく男性的で、女性らしさがあまり感じられないのだ。
ビジュアル的には年々女性らしさを増しており、個人的には昔と比べ綺麗になっているとは思う。
トークにおいても趣味嗜好など女性らしい一面を垣間見せることもあるが、やはり男性的だと感じてしまう瞬間が何度もある。
しかも、ただの男性ではなくユウから少年性が感じられるのだ。
サバサバした性格もそれに拍車をかけているのかもしれない。
いずれにせよ、無邪気でワガママな男児のような印象を受ける。
もちろん大人として最低限の常識は持ち合わせているが、今その瞬間を最大限楽しむために、ありったけの遊び心でぶつかっているように感じられるのだ。
男児がおもちゃを与えられて喜んでいるような
そんな情景が浮かんでくるのである。
詰まるところユウは「子供っぽい」ということになるのかもしれない。
「子供っぽい」といえば美術家の横尾忠則氏がこんな発言をしている。
芸術の核はインファンテリズムだと思っています。日本語に訳せば幼児性、少年性といったところでしょうか。そういうものが創作には必要です。芸術は、いつも子どもっぽく遊べることが大事なのです。
出典:東洋経済ONLINE
横尾氏の言葉は、筆者が感じるユウのイメージそのままだ。
ユウの独創的な発想や、孤高の芸術作品はこの「子供っぽさ」に起因してるのではないだろうか。
子供っぽいがゆえに、誰かに媚びることや信念を曲げることはしない。
ある種のわがままを通す力。
漫画『刃牙』シリーズでも「強さとはわがままを押し通す力」なんて哲学が登場するが、あれにちょっと似ている部分もある。
結局、わがままを押し通した先に、良くも悪くもその人の"強さ"が出るのだと思う。
アーティストの「強さ」とは、言ってみれば「個性」だ。
つまり、わがままで自由奔放なユウだからこそ、個性豊かな作品が生まれるのだろう。
ユウ本人は無自覚でわがままを押し通しているのかもしれないが、いずれにせよ自らの作品を作り出すことに全身全霊を注いでいるのは間違いない。
彼女がわがままである限り、ユウらしさが消えることはないだろう。
出典:Skream!
そんな姿がファンの心を捉えて離さないのだと思う。
これからもその少年の心でロックシーンを駆け抜け、唯一無二な世界を我々に見せてくれるだろう。
楽曲にみるユウ(中島優美)独特の感性
ユウの生み出す音楽は唯一無二である。
彼女の才能に魅了されたファンなら誰しもがそう思うに違いない。
ユウの音楽性だが、「GO!GO!7188」「チリヌルヲワカ」「ソロワーク」と全く違ったイメージの音楽を提示してきたが、広義ではオルタナティブロックに該当するだろう。
もちろん現在の形骸化された「オルタナティブ・ロック」ではなく、
本来の"オルタナティブ"という意味である。
上述したように、ユウは確固たる「自分」という物を持っていて、何かに媚びたり時代に迎合することはない。彼女が我を押し通す限り、それは今後も変わらないだろう。
ユウは己の望むスタンスで、出したい音のみを追求し、ユウにしか紡げない言葉で楽曲を生み出す。
それはどこにもない、誰にも似ていないユウ(中島優美)にしか表現できない世界。
まさにオルタナティブ・ロックを体現していると言える。
出典:OKMUSIC
ここまでベタ褒めしてきたが、ユウの生み出すサウンド自体はそれほど個性的なものではない。
ユウらしさが感じられる独特のリフやギターフレーズも存在するが、プロの世界を見渡せば匹敵する才能などごまんといる。
また、「オルタナティブ・ロック」というジャンルの範疇で語る場合も、ユウより優れた音楽性を持ったアーティストだっていくらでも存在すると思っている。
つまり、サウンド以外でユウの音楽を「唯一無二」だと決定付ける要素があるのだ。
ユウ(中島優美)の卓越したメロディセンス
まずは、ユウの生み出すメロディである。
GO!GO!7188在籍時から、和風なメロディセンスには定評があり、数々の名曲を生み出したメロディメーカーとしてユウは高い評価を得てきた。
現在その才能は誰も手の届かない頂まで上り詰めている。(と、ファンの私は勝手に思い込んでいる)
ユウがこれまで発表してきた楽曲の中で、印象的な和風メロディと言えばどの曲を思い出すだろう?
ファンそれぞれで答えは変わってくるだろうが、私は即答で「浮舟」だ。
筆者は「浮舟」を超える「和メロ」ロックに未だ出会ったことが無い。
雅びさ、現代ロックのカッコよさが同時に味わえる感覚は、他の曲ではそうそう体験できるものではない。
「浮舟」は沖縄民謡に触発された作風。
下手したらダサい歌謡曲になってしまうところだが、ギリギリのラインを突く絶妙なメロディセンス。
しかもポップネス全開で普遍的な輝きも放っている。
今後20年経ったところで浮舟の魅力は損なわれないだろうし、未来の音楽ファンが聴いても驚きと感動を与えることが出来ると思っている。
これ以上のオリジナリティがあるだろうか。
こんな曲を聴かされたら嫌でも天才と呼びたくなってしまう。
浮舟はほんの一例であるが、こうしたユウの和風メロディ路線は、チリヌルヲワカでの活動でさらに円熟味を増し進化/深化し続けている。
ではここで突然だがメロディが特に際立つ楽曲をひとつご紹介したい。
ユウ(中島優美)の変態メロディ
ユウの卓越したメロディセンスは、時に変態的ともいえる驚異の旋律を生み出すことがある、
「太陽の居ぬ間に」というアルバムに収録された、タイトルトラックである「太陽の居ぬ間に」。
※「太陽の居ぬ間に」は2021年2月現在配信されておらず、YouTubeの映像も存在しないためブログに添付できる素材がない。聴きたい方はCDを購入してください。
この曲のサビメロがかなりぶっ飛んでいる。
あるレビュアーは「最早お経のようだ!」と形容していて、まさにその通りだなと思った楽曲だ。
一聴すると抑揚のない平坦なメロディに聴こえる。
しかしよく聴いてみるとわかるのだが、実は驚くほどキャッチーな仕上がりなのだ。
筆者は元バンドマンであるが「太陽の居ぬ間に」のメロディは、並のアーティストでは考え付かないレベルの驚異の楽曲だと思っている。
歌詞に見るユウ(中島優美)独特の才能
ユウの音楽的才能を語るとき、メロディと双璧をなすのが彼女の紡ぐ歌詞の世界だ。
GO!GO!7188の頃は歌詞はアッコ(ベース)担当だったので、ユウの歌詞の才能に気付くことはなかった。
しかし、同バンド在籍時の2005年にリリースしたソロアルバム「てんのみかく」でその才能を垣間見ることとなる。
サウンド的には、GO!GO!7188とはまったく異なるアプローチで、従来のユウのイメージになかった新たな魅力に気付けたまさに隠れた名盤。
ユウの書く歌詞には英詞が存在せず、かたくなに日本語での表現にこだわっている。それはメロディ同様ユウの強いこだわりなのだろう。
いわゆる"文学的"で少し直接的な表現が少ないため難解な歌詞と言える。
近年は「文学系ロックバンド」も増えてきた。
したがって、ユウの表現が専売特許というわけでもないのだが、文学系バンドを愛聴するリスナーなら彼女の書く歌詞はきっと気に入ってもらえると思う。
では、ユウ作詞の中で聴いてほしいおすすめ曲をいくつか紹介していこう。
おすすめ楽曲「ホワイトホール」の歌詞の一節
世界中のモノを全部
積み上げ登っていけば
いつかは太陽だって
掴めるような気がした
アルバム「白穴」収録 『ホワイトホール』 より
おすすめ曲「アヲアヲ」の歌詞の一節
私たちは自然の脅威です
憧れを餌に生きる
~
なりたいような自分になれずにそっと青い春は散る
そして今日も
「無駄な時間を費やした」
こんな晴れた日に
アルバム「アヲアヲ」収録 『アヲアヲ』 より
ユウの生み出す楽曲は不思議な中毒性ある
これまでユウの生み出したメロディや歌詞を褒めたたえてきたが、それらが組み合わさった楽曲たちは恐ろしいまでの中毒性を持っている。
もう何度聴いても飽きないのである。
既述してきたように、普遍性と変態性を兼ね備えたメロディが要因となっている気がする。
中毒性云々は個人の感覚で違ってくるため声高に主張するわけにもいかないが、ユウのコアファンなら大なり小なり共感していただけるのではないだろうか。
ユウ(中島優美)はボーカルも魅力的
ユウの才能は楽曲制作だけにとどまらない。
彼女のボーカルも特筆すべき才能だと思っている。
まず単純に歌が上手い。
話している時は舌足らずで子どものようだが、歌唱している時のユウの声は「これが本当に同一人物なのか」と疑ってしまいたくなるほどカッコよくなる。
ピッチが安定しており力強いハイトーンも魅力。誰が聴いても「歌が上手い」と思えるレベルである。
話し声もそうだが、単純に歌声がカワイイというのもポイントが高い。
カッコよさと可愛さを兼ね備えた稀有なボーカリストだ。
ユウの歌声が嫌いな人に出会ったことはないが、多くのリスナーに訴求できるキャッチーさも魅力のひとつだと思う。歌声だけでももっと評価されていいとは思うのだが。
【天才】チリヌルヲワカ ユウ(中島優美)のまとめ
ファン目線で、ひたすら褒めまくるという気持ちの悪い記事だったがいかがだっただろう。
ファンなら共感してもらえると思うし、ユウを知らないという音楽ファンにも魅力が伝わっていれば幸いだ。
とはいえ、この記事読んでいただいているということは、ユウのことを大なり小なり知っている方だとは思う。
そんな同志たちに改めてユウの魅力を再確認してもらえたらこの上ない喜びである。
仮に偶然このページに辿り着き、記事を読まされてしまったという読者様がいらっしゃったら、ぜひユウ(中島優美)の作品に触れてみてください。
こちら2020年現在の最新ライブDVD。めちゃくちゃカッコいいユウが拝めるのでまだ観ていないという方はぜひ。
それではまた。
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