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ACIDMAN 人気曲や名曲からその魅力を改めて掘り下げる【アシッドマン】

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当ブログでも度々名前の挙がるACIDMAN

 

当稿では、彼らのさまざまな名曲について語るとともに、多くのロックファンを虜にする、その魅力を存分に伝えていきたいと思う。

 

 

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静と動を巧みに操る、奇跡のロックバンド

大木伸夫(ボーカル・ギター)
佐藤雅俊(ベース)
浦山一悟(ドラムス)

この3名からなるACIDMAN

 

ちなみに結成当初は4人組バンドで、ボーカルは大木以外の別の人間が担っていた。

 

スリーピース特有のシンプルに疾走するナンバーから、果てしなく大きなスケールのバラードまで、その音楽性の幅は恐ろしいまでの広さを誇る。

 

そうした、ACIDMANの幅の広い音楽性は、楽曲ごとだけでなく、一つの曲の中でも、がせめぎ合うスリリングな展開のものも少なくない。そうした一筋縄ではいかない楽曲を、他の追随を許さぬ圧倒的なオリジナリティで表現し続けている唯一無二のロックバンド。

 

 

薬剤師の免許を持ち、宇宙について造詣が深い大木伸夫の紡ぐ歌詞は、聞き慣れない言葉を用いた哲学的な表現が主である。ACIDMANを長年追い続けている大ファンの筆者であっても、一聴しただけでは歌詞で何を伝えたいのか分からないことも多い。

 

そんな難解な表現の歌詞は、たとえ理解できたとしても、その答えが絶対的な正解ではなく、リスナーそれぞれで違った解釈ができるという、いい意味での余白を残している。

 

 

私は、この世に二つとない、そんなACIDMANの音楽性に心から惚れ込んでいる。いずれにせよ、上述した音楽性が他との差別化となり、ACIDMANにしか鳴らせない音楽を生み出しているのだと思う。

 

 

次の項目からは、静と動を巧みに操るACIDMANの楽曲の中から、その特徴が色濃く出ている物を紹介していきたい。 

 

 

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ACIDMAN 人気曲/名曲

新世界

他人様にACIDMANをすすめる際は、まず3、4曲聴いてもらうが、「新世界」は絶対に外せない。ACIDMANが得意とするスタイルが凝縮されており、尚且つ、彼らの魅力が端的に伝わる楽曲だからだ。

 

ACIDMANの曲の中には「新世界」と似たような構成の物もあるけれど、ロックの激しさ、繊細さが如何なく発揮された屈指の名曲だと思う。ちなみに、ACIDMANを知らない人間にこの曲を聴かせて渋い反応をもらったことはない。ロック好きを納得させるパワーがこの曲にはあるはず。

 

激情がほとばしり、張り詰めた空気感が緊張を促す激しいイントロ

 

大木伸夫が優しく語り語りかけるように歌うエモーショナルなAメロ

 

解放に向かって力を溜めこむかのような、次第にテンションを上げていくBメロ

 

それまでの要素をぶち壊すかの如く、一気にスパークするサビ

 

そのどれもがシンプルな構造で、余計なギミックは一切ない。シンプルだからこそメロディ/サウンドがこの上なく映える。

 

筆者がロックに求める要素が「新世界」には凝縮されている。

 

 

造花が笑う

記念すべき、ACIDMANメジャーデビューシングル

 

「造花が笑う」がリリースされたのは2002年。

 

もう20年近くも前の作品だ。

 

 

今回記事を執筆するにあたり、改めて「造花が笑う」をしっかり聴きこんでみたが、現在のACIDMANが新曲として発表したとしても違和感はないと感じた。

 

もちろん彼らの音楽性は作品を追うごとに深化/進化している。しかし、「造花が笑う」と近年の作品を聴き比べると、根源的な「ACIDMANサウンド」という軸は変わっていないし、伝えたいことも一貫している。

 

つまり、20年前の時点で、ACIDMANの音楽性はすでに確立されていたと言えるだろう。

 

 

少し重複するが大事なことなのでもう一度。

 

ACIDMANは常に新しい表現に挑戦しているバンドで、作品を発表するごとに深化し、未知の音楽体験をリスナーに与え続けている。にもかかわらず、一方で「変わっていない」と思わせてしまう、『ジャンル「ACIDMAN」』とでもいうべき圧倒的なオリジナリティを活動当初から兼ね備えていたのだ。

 

これが簡単そうでなかなか難しい。

 

たとえば、自分たちの表現を長年追い求めるだけなら誰だって出来る。その上で、現在も第一線で活躍し、キャリアを重ねても変わらない支持を得ているところに、ACIDMANの凄さがある。この20年間、自分たちの信じた音を愚直に鳴らし続けてきた結果だ。

 

アツく語りすぎてしまった。すこし楽曲にも触れておこう。

 

「造花が笑う」という曲は、若さゆえ粗削りで、野暮ったく洗練されていない部分はある。だが、この時期の楽曲は、その「若さ」ゆえの荒々しいロックの衝動を逆に楽しんでもらいたい。

 

楽曲とは関係ないが、MVではハットをかぶっていない大木伸夫が観れる。今では非常にレアなので未視聴の方はぜひ。

 

 

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式日

ちなみに式日というのは「儀式を行う日」という意味である。

 

 

筆者は歌詞に惹かれて楽曲を好きになることは少ない。

 

多くはサウンドの質感や耳に残るメロディだったりする中で、「式日」は珍しく歌詞に感銘を受けた。正確にはメロディと歌詞が同時に入ってきたという感覚だろうか。稀にそういった楽曲に出会うことがあり、その場合は自分の中で圧倒的な名曲となる。

 

というわけで圧倒的な名曲である「式日」。

 

こんなにも暖かく優しい気持ちになれるポップな楽曲は、人生でそう何度も出会えるものではない。「春」「光」「太陽」「哀しみを溶かし」といったキーワードが、自分の中のネガティブな感情を拭い去ってくれる。聴いているだけで、訳もなく涙が溢れそうになる。

 

大好きな歌詞の一部を紹介します

世界が終わってすべてが消えて
それでも僕ら繫がっているだろう
そうやって思える 今日の光を
繫いでゆく 今日の日を

 

 

飛光

イントロからラストまでノンストップで疾走する、ACIDMAN「動」の要素を高純度で具現化したハイスピードナンバー。

 

「飛光」をひと通り聴いて特に印象に残るのは、切れ味鋭いギターカッティングだろう。イントロから鋭利な刃物で空気を切り裂くようなサウンドが登場するが、その勢いそのままにラストまで突っ走り、リスナーに一時も休まる隙を与えない。

 

ACIDMANの楽曲には、速いものがいくつかあるけれど「飛光」ほど焦燥感を感じる物は少ない。個人的にこういう曲に最も「ロック」を感じる。聴いていてソワソワしたり、いてもたってもいられなくなる感覚。と、同時に血がたぎるというか。

 

歌詞も非常に印象的だ。解釈が難しく正直何について歌っているのか分からないが、意味など分からなくとも、そのどれもがエネルギーに満ちた言葉なのは間違いない。

 

「生命を盾に飛ぶ」という表現は特に秀逸である。

 

 

プリズムの夜

ACIDMAN「静」を担うバラードの中にはいくつも名曲が存在する。

 

どの曲を紹介しようか迷った中で、まず「プリズムの夜」を選んだ。

 

この曲は2006年に発表された楽曲であり、ストリングスが導入され始めた頃の作品である。ACIDMANにとっては、所謂「転換期」と呼べる時期だ。今でこそ彼らの楽曲では当たり前になったストリングスであるが、当時は「バンドサウンド以外の音が入っているという事で、いちファンとしても結構衝撃的であった。

 

とはいえ、初めて聴いたときに、完成度の高さを認めざるをえなかったし、サウンドがどうなろうとACIDMANの根幹は揺るがないのだと確信した楽曲でもある。

 

ストリングスが導入されたことで、歌の強さがより前に出るようになったと思う。ただでさえエモーショナルな大木伸夫の歌声が、荘厳なサウンドのおかげで説得力を増し、ACIDMAN屈指の名曲となった。

 

「夜」というキーワードが非常に重要な楽曲であるが、ぜひ星の見える夜に本楽曲を聴いて感動で胸を震わせてもらいたい。

 

 

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スロウレイン

個人的に、ACIDMANのポップナンバーの中で最上位に君臨し、カラオケに行った際、喉の調子が良ければ必ず歌わせていただく思い入れの強い楽曲でもある。

 

この曲に惹かれた理由は、眩しくて「瑞々しい」から。サウンドもメロディも、すべてが瑞々しい。とにかく明るくて希望に満ち溢れている。聴いていると柄にもなくスキップしたくなってくるほど。また、どんなバイオリズムでも聴けてしまう、いい意味での「軽さ」も備えている。

 

 つまり、良質なポップソングが備えるべき要素をいくつも内包しているのだ。

 

サウンドは極めてカラフルな仕上がりになっており、どのパートを抜き出してみても「色」が見えてくる。本来は目に見えない「音」という存在であるが、「スロウレイン」を聴いていると、音にハッキリと色が付いているような感覚に陥る。

 

そして、それらの「色(音)」を曲全体で捉えた場合、漠然とした風景が浮かび上がる。

 

この「漠然とした」というのが私の中では重要なポイントなのだ。要するに、ぼんやりとしたイメージのみが浮かぶだけ。個人的な感覚になってしまうが、水や光が交差する幻想的な世界が見えてくる。

 

何となくのイメージなので、それがどこなのかわからない。

 

だが、分からないのが良い。

結果的に押しつけがましくない世界がそこには広がっている。

 

それこそが、いつどんな状況でも、どんな精神状態でも聴けてしまう「スロウレイン」の「ポップ(軽)さ」であり、聴きやすさに繋がっているのだと勝手に解釈している。

 

 

ACIDMANの魅力 まとめ

ポップからハードなロックまで、非常に幅の広いACIDMANの楽曲を紹介してきたがいかがだっただろう。

 

今回取り上げた楽曲は「新世界」以外すべてベストアルバムに収録されているので、気になった方はそちらをチェックしてみてほしい。名曲満載のアルバムになっており、ACIDMANがどんなバンドかすぐにわかるはず。

 

 

 

あまり時間がとれず、今回は6曲しか紹介出来なかった。まだまだ語りたい曲がたくさんあるので、また折を見て追記していきたい。

 

それではまた。

 

 

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