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【洋楽編】2020年下半期ヘビロテしたマイベストソング10曲

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前回の「邦楽編」に続き2020年下半期、筆者がヘビロテしまくった大好きな曲を紹介していく企画である。

 

邦楽編はこちらです。

 

相変わらず暑苦しいメタル成分多めでお送りします。

 

  

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2020年上半期マイベストソング「洋楽編」

PALADIN(パラディン)「SHOOT FOR THE SUN」

2019年5月17日リリースされたアルバム「Ascension」収録。

 

この曲、実は上半期のマイベストソングにも選出している。あれから数か月経ってもまだ飽きずに聴きまくっていたということだ。洋楽は特にその傾向があるが、ひとつの曲(アルバム)をひたすら聴き続けることが多い。とはいえ「SHOOT FOR THE SUN」はそれが病的なレベルにある。とにかく飽きないというこの中毒性は久しぶりの感覚だ。

 

 

・リフは良いのにメロディがダメ

・メロディは良いのにボーカルがダメ

・楽曲は良いのにサウンドプロダクションがダメ

 

などなど、メタルミュージックは、自分にフィットする楽曲となかなか出会えない。これはメタラーあるあるだと思うけれど、あちらを立てればこちらが立たずということが本当に多い。

 

そんな中「SHOOT FOR THE SUN」は、筆者の"好き"がバランスよく詰まっている。リフ/メロディ/ボーカル/サウンドすべてが好みにフィットしていて何度でも聴けてしまうし、初めて聴いた衝撃を、聴くたびに感じることが出来る稀有な楽曲なのだ。

 

このブームまだまだ続きそう。

 

 

 

まったくの余談だけれど、先日ツイッターで、PALADINに関するつぶやきを投稿したのだが、PALADINの公式アカウントから「いいね」をもらうという体験をした。単純にめちゃくちゃ嬉しかったのと、勝手なイメージで、海外のメタルアーティストがエゴサすることに驚いた(実際はスタッフがやっているのだろうが)。

 

 

BEARTOOTH(ベアトゥース)「I Have A Problem」

2014年6月10日リリースのアルバム「Disgusting」収録。

 

「ATTACK ATTAK!」でボーカル/キーボードを務めていたCaleb Shomo率いるBEARTOOTH。 


 

Caleb Shomoの才能はAA!での活躍ですでに実証済みだが、このバンドでもその高い音楽スキルを如何なく発揮している。ATTACK ATTAK!とは打って変わって、極めて男臭いハードコアサウンドを軸に楽曲を発表し続けている。

 

2020年現在、三枚のスタジオアルバムをリリースしているBEARTOOTH。筆者が一番聴きこんでいるのは、今回取り上げた「I Have A Problem」も収録されている1stアルバム「Disgusting」だ。漢臭いというか泥臭いというか、時代と逆行するかのような、お洒落とは無縁のハードコアサウンドが徹頭徹尾貫かれている。

 

血管がブチ切れそうなシャウトや、極めてラウドなリフは聴く者を興奮にいざなうこと必至。暑苦しいロックが好きな筆者は「これだよこれ!」とかなりテンションが上がった。とはいえ、BEARTOOTHの楽曲はハード一辺倒ではない。所謂ハードコアでは考えられないくらい、良質でキャッチーなサビメロがほとんどの楽曲で採用されており、メリハリのある楽曲構成になっている。

 

今回取り上げた「I Have A Problem」もそうした要素が顕著に表れていて、単純に気持ちの良い楽曲に仕上がっていて、飽きずに何度も楽しむことが出来た。

 

 

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TESTAMENT(テスタメント)「WWIII」

2020年4月3日リリースのアルバム「TITANS OF CREATION」収録。

 

ベイエリアクランチの雄「TESTAMENT」の新譜から選曲。アルバムとしての評価は、個人的に前作「BROTHERHOOD OF THE SNAKE」の勢いには劣るものの、全体としてはさすがのクオリティで、凡百のメタルバンドでは足元にも及ばない出来。

 

そんなアルバムの中で、この曲をよく聴いていた理由は「疾走感+重量感」

 

 

スラッシュメタルってそういうもんだろ?

 

と言われてしまいそうだが、どちらも兼ね備え、尚且つカッコよく仕上った曲は案外少ないものだ。疾走感はどうとでもなるが、そもそも、物理的に音を重くしたところで、それが楽曲の絶対的な重量感に繋がるわけではない。「重く」聴かせるには相応のセンスが必要になってくる。TESTAMENTは百戦錬磨のメタルアーティストで、その辺りのさじ加減は流石であり、何も考えず安心して聴ける。

 

 

In Fear and Faith(インフィアーアンドフェイス)「A Creeping Dose」

2012年10月16日リリースのアルバム「In Fear and Faith」に収録。

 

2006年アメリカで結成されたポスト・ハードコアバンド。

 

「In Fear and Faith」は当ブログでもたまに名前の挙がるバンドで、すでに解散しているものの未だに愛聴しているお気に入りのバンド。アルバムごとでクオリティにバラつきがあるため全楽曲を溺愛しているわけではないが、音楽スタイルとしては概ね好きなタイプ。

 

特にこの「A Creeping Dose」という曲は格別に贔屓している。無性に聴きたくなる時期があって、それが今回訪れた。出会った頃から数え、何度聴いたか分からないほど聴き狂った曲でとにかく大好き。2020年現在でも、この曲を超えるポストハードコアの楽曲は未だ見つけられていない。

 

「A Creeping Dose」は、激しさと美しさと儚さが共存した奇跡のような曲だと思っている。歌詞の意味はまったく分からないものの、形容しがたい異常なドラマチック感に涙腺が緩む。音楽は、言葉や国境を超えるとよく表現されるが、こうした楽曲の存在はそれを強く実感できる。

 

やはり音楽は理屈抜きで素晴らしいものだ。

 

 

SYLOSIS(サイロシス)「I Sever」

2020年2月7日リリースされたアルバム「Cycle of Suffering」収録。

 

2000年イギリスで結成されたメロディックデス/スラッシュメタルバンド。

 

SYLOSISは、媒体によってジャンルの表現が異なるが、筆者としてはメロデス要素強めのモダンスラッシュメタルと思って聴いている。つまりどストライクという事だ。個人的に、メタルコアの要素を少しだけ削ってもらえると、さらに好きにバンドにはなる。

 

SYLOSISは、2020年現在、五枚のスタジオアルバムをリリースしている。そのどれもが高いクオリティを誇り、疾走感のあるアグレッシブなメタルを好むリスナーなら気に入ること間違いなし。近年の作品はモダンな要素が目立ってきているが、基本的に出している音はスラッシュメタルを軸に展開している。そのため、細かいことを考えなければスタイルは一貫しており、どのアルバムにも必ず聴きどころはある。

 

SYLOSISの楽曲は展開が目まぐるしく変化するものが多く、リスナーを飽きさせない。「I Sever」も、先の読めない展開で非常にスリリングだし、吐き捨てるようなボーカルスタイルはメタラーの琴線に触れることうけあいだ。

 

 

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DECADENCE(デカダンス)「SIX TAPE」

2019年11月1日リリースされたアルバム「SIX TAPE」収録。

 

2003年スウェーデンで結成されたデスラッシュ/メロディックデスメタルバンド。

 

DECADENCEは先ほど紹介したSYLOSISに続き、メロデス風味のスラッシュメタルバンド。尤も、本人たちは自らの音楽性を「メロディックスラッシュメタルと表現している。いずれにせよ、その音楽のカッコよさは変わらない。

 

曲を聴いて気が付いた読者さんもいるかもしれないが、ボーカルは女性である("Metallic" Kitty Saric)。メロデスで女性ボーカルといえばARCH ENEMYがまず頭に浮かぶだろう。

 

厳密に言えば、DECADENCEは生粋のメロデスバンドではないため、単純にARCH ENEMYと比較はできないものの、メタルミュージックを大きな括りで分けるなら同じカテゴリーに属するバンドである。したがって、ARCH ENEMYが好きならば、DECADENCEの世界に違和感なく入っていけると思う。というか、筆者が完全にそのタイプで、ARCH ENEMYについてググっていたら、偶然DECADENCEを発見し、すっかりそのサウンドに魅了されてしまった。

 

今ではARCH ENEMYを押しのけ、女性ボーカルのメタルはDECADENCEばかり聴くようになった。ハイクオリティなメタルミュージックを発表し続けているDECADENCEだが、楽曲のクオリティと知名度がまったく比例しておらず、なぜここまで売れていないのか不思議でたまらない。

 

私と音楽の趣味が似ている人なら間違いなくハマると思います。ぜひ「DECADENCE」を覚えて帰ってください。

 

 

AMERICAN DREAM MACHINE(アメリカンドリームマシーン)「DEAD」

2020年8月1日リリースされたシングル。

2020年12月18日リリースのアルバム「DEADHEARTS」収録。

 

2019年7月31日に結成されたフレッシュなロックバンド。ポストハードコアを軸にエモの要素を加えたモダンなアプローチが魅力。

 

AMERICAN DREAM MACHINEは、偶然YouTubeで見つけたのだが、掘り出し物を発見したような嬉しさがあった。最近この手の、ストレートにドライブしながら純粋に歌も楽しめるエモいロックバンドとなかなか出会えず寂しい思いをしていたのだ。ポストハードコアをルーツにしているだけあって、ヘヴィなリフもたっぷり堪能できる。個人的にかなり贅沢なバンドだ。先日リリースされたばかりのアルバム「DEADHEARTS」も粒ぞろい。Bring Me the Horizonを彷彿とさせるトレンドを意識した楽曲も収録されており全体的にバラエティに富んでいて大満足だった。

 

 

SYSTEM OF A DOWN(システムオブアダウン)「Genocidal Humanoidz」

2020年11月6日リリースされた配信シングル。

 

実に15年ぶりとなったこちらの新曲。「新譜の発表は絶望的だ」なんて何年も噂されていたSOADであるが、本作がリリースされた経緯には深刻な事情があった。

 

 

少し長くなるが激ロックの記事を引用させていただく。

彼らの文化的な故郷であるアルツァフとアルメニアを舞台に現在行われている深刻な戦争や、アゼルバイジャンによる虐○行為について語っている楽曲で、SOADは楽曲を通して同地で起きている出来事への理解を深めてもらうことと、人道に対する犯罪行為の被害を受けている人々への支援を呼びかけている。また活動から得たバンドの利益は、アルツァフとアルメニアで生活を必要としている人々に、基本的な生存に必要な物資を提供することに貢献している、米国を拠点とする慈善団体"アルメニア基金"に寄付されるという。

引用元:激ロック

 

 

こうした事情があるため、Amazonでは「音楽に政治を持ち込むな」といったレビューが投稿されていた。音楽と政治の問題は、邦楽界でもさんざん議論されてるが、筆者はその辺り正直どうでもいい。良質な曲を発表してくれるなら、アーティストがどんな思想を抱こうが何とも思わない。

 

戦争や虐○行為は一人の人間として深く受け止めなければいけないが、それはそれとして、SOADの新譜が発表されたことを素直に喜びたい。単純にチャリティだけが目的なら既存の作品でも良かったわけで、わざわざ新譜をリリースしたという事は、次の作品やアルバムへの期待も当然高まる。まぁアルバムは当分ないだろうけど。このまま書き進めていくと、余計なことを言ってしまいそうなので、そろそろ楽曲に話を戻そう。

 

 

本作は元々Scars On Broadway用に制作されていた楽曲だそうだ。(「Scars On Broadway」とはSOADのギタリストダロン・マラキアンのサイドプロジェクトで2006年ごろ結成されている。)

 

つまり、経緯は不明だが、「SOB」の楽曲を「SOAD」で発表したという事になる。 曲の出所はどうであれ、サージ・タンキアンがボーカルを執れば、どんな楽曲もSOADになってしまう。

 

「Genocidal Humanoidz」は、往年の変態っぷりは減退しているし、全盛期に比べればほとばしるパワーも足りない気がする。リリースされた経緯と、曲のクオリティに、賛否両論巻き起こっているが筆者は純粋に楽しめた楽曲。どこを切ってもSYSTEM OF A DOWNな楽曲に仕上げているのは流石だし、彼らにしか鳴らせない圧倒的なオリジナリティは健在だ。

 

 

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WARBRINGER(ウォーブリンガー)「Firepower Kills」

2020年4月24日リリースされたアルバム「Weapons of Tomorrow」収録。

 

2004年アメリカで結成されたスラッシュメタルバンド。2000年代後半のスラッシュメタルリバイバルムーヴメントで台頭してきたバンドの一つ。筆者の敬愛するベイエリア・スラッシュ」の系譜に属する。

 

 

「シンプルなスラッシュメタルが聴きたいな」と思っていた頃に、YouTubeで発掘したバンド。それ以来よく聴くようにはなったが、WARBRINGERというバンドは、アルバムのクオリティにかなりのバラつきがあって、まったく聴けない作品もある。

 

2020年現在、6枚のスタジオアルバムをリリースしているが、個人的に半分は完全に駄作だと思っている。こう言っては失礼だが、筆者の中では二軍レベルのバンド。

 

ただ、好きなアルバムには、どストライクなキラーチューンが収録されたものがあり、そういった曲のみヘビロテしているという形だ。今回選んだ曲もその中に該当する。

 

難しい事は抜きにして、とにかく突っ走るスラッシュメタルを欲している時は、彼らの曲をよく聴いていた。クロスオーバースラッシュはコミカル過ぎて、気分的に聴けない時があり、需要の隙間をうまく埋めてくれた存在だ。

 

 

MORS SUBITA(モルス・スビタ)「Sick」

2020年10月30日リリースされたアルバム「Extinction Era」収録。

 

聞きなれないバンドかと思うが、MORS SUBITA(モルス・スビタ)は、2000(or1999)年にフィンランドで結成されたメロデス/スラッシュメタルバンド。

 

「MORS SUBITA」というのがそもそもよく分からない言葉だけれど、ラテン語"Sudden Death"という意味があるそうだ。

 

 

2020年もいろいろなバンドを発掘してきたけれど、MORS SUBITAはかなりのお宝だった。ヘビロテ率で言えば、他のバンドに劣るけれど、長く付き合えるバンドという意味では本当に良い出会いだったと思う。曲のいたる所で、筆者のツボを突きまくる抜群の楽曲センスは、近年出会ったバンドの中では群を抜いている。どのアルバムももれなくカッコよかった。

 

所謂「捨て曲」のないバンドで、どんな曲であってもしっかり期待に応えてくれる。筆者が「メタル」という音楽に求める要素を、高いクオリティで具現化してくれる頼もしいバンドだ。今後も追い続けていきたい。

 

 

まとめ

というわけで、2020年下半期の洋楽ヘビロテマイベスト10曲いかがだっただろう。

 

気になったアーティストが一組でもいたら幸いである。

 

それではまた。

 

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