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カバー曲ばかり歌う歌手がバッシングを減らす方法

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音楽業界には他人のカバーばかりしている歌手、アーティスト(と呼べるのか分からない)が存在する。以前に比べ、カバーブームの熱は多少おさまっているが、メディアが取り上げなくとも文化としては残っていくだろうし、カバーアーティストも絶えることはないだろう。

 

そういったカバーばかりするアーティストたちは、音楽ファンからオリジナリティが無いということで批難されることが珍しくない。

 

以前よく槍玉に挙げられていたのは、

 

「Goosehouse」(事実上解散。現在はPlay.gooseとして活動中)

May J.

BENI

 

辺りだろうか。

 

具体的な批難内容は、先程もすこし触れたが、

「オリジナリティが無いから嫌い」

という意見が大半。

 

それ以外では、

「有名曲ばかりカバーして原曲アーティストへのリスペクトが感じられない」

といった意見も比較的多い。

 

名前を出してしまって申し訳ないが「Goosehouse」に至っては、

「歌っている最中の笑顔が不気味」

という楽曲とは関係のない誹謗中傷までされる始末。

 

いずれにせよ、何事もやり過ぎは良くないという事だろう。

 

 

ということで今回は、カバーばかりしている歌手やアーティストが、少しでもバッシングされなくなるにはどうすれば良いのか。筆者なりの考えを語っていきたい。

 

 

アーティストがカバーするということ

 

個人的に、アーテイストがカバーをすること自体は賛成である。

 

ネットではカバー自体に否定的な意見も多数あって、「カバーをする意味がない」とまで発言している人もいる。

 

たしかに、そう思われても仕方がないクオリティのカバーも目に付く。

 

考え方は人それぞれで、他人がどう思っても構わないのだが、筆者の考えはこうだ。

 

 

賛成の理由は以下。

「他人の曲を演奏したらどうなるんだろう」

「どこまで自分(たち)色に染め上げてくるだろう」

などの単純なワクワク感である。

 

 

あと限定的な理由としては以下。

 

 

ルーツからかけ離れていそうな曲をカバーした場合。

「この人(たち)こんな曲も好きだったんだ」という驚き

 

 

カバーされた曲が自分の知らない曲だった場合。

新しい音楽を知るきっかけになる

 

等々の理由からアーティストのカバーには賛成である。

 

 

逆にカバーばかりして嫌われているアーティストたちは、上記のような事柄が足りていないような気がするのだ。

 

 

嫌われるカバーアーティストの悪いところ

 

ずばり、「カバー曲で金儲けしよう」という心根だ。

 

 

カバーを主体に活動していないアーティストは、カバー曲を作品のどこに収録するか?

 

大概は、シングルのカップリングや、アルバムの中盤以降など、いわゆる目立たない

箇所へ収録することが多い。

 

つまり、そういったアーティストにとって、カバー曲はメインを張る存在ではないということ。新たな一面を見せるための飛び道具的な役割、また、単純なファンサービスなど。

 

 

それに対し、カバーを主体として活動しているアーティストは、売れることを見込んだガチガチの選曲でアルバムを一枚制作する。

 

この商売臭さこそリスナーの反感を買う要因ではないだろうか。

 

 

簡単に予想できることではあるが、諸悪の根源は所属事務所にある。

 

テレビ番組「マツコ&有吉の怒り新党にて、数年前マツコ・デラックスが語っていたが、所属事務所が「○○のカバーで行く」と決めたら、アーティストはそれに従うしかないようだ。

 

要するにアーティスト側としては「やらされている」だけであり、その結果バッシングされてはたまったものではない。とはいえ、アルバム丸ごと「ド定番」の大ヒット曲でまとめられていたら、音楽ファンの一部は違和感を抱くに決まっている。

 

 

 

尤も、過去のヒット曲が満載されていれば、作品としては極めて耳障りが良いので、音楽にこだわりのないリスナーからは支持されるだろう。だが、アーティストとしての活動を長い目で見た場合、やはり悪手ではないだろうか。仮にヒットしたとしても、所詮一過性の物で終わってしまうし、その後の活動に支障が出るほど印象が悪くなる。

 

 

 

ここで、May J.がバッシング当時のことを振り返っているニュース記事を引用したい。


記事内ではバッシングされた理由が挙げられている。

May J.が歌うエンドソングとしての『Let It Go』は、プロモーションのためにテレビなどで歌うという役割をはじめから付与されており、May J.はその使命を全うしたに過ぎなかった。

 

しかし、劇中歌を歌った松たか子にはその役割はなく、メディアでは一切この曲を歌わなかったためにどんどんと神格化されていき、結果May J.には、「テレビにしゃしゃり出て“レリゴー”を歌いまくっている」という悪いイメージがついてしまったのだ。

 

その背景には、当時May J.がカバー作品を多くリリースしていたことも関係している。「May J.、またカバー?」「カバーばっかでムカつく」といった批判がネット上を中心に一気に沸き、さらに出演したテレビ番組での発言が切り取られて広く伝わったことなども手伝って、彼女はすっかり世間のバッシング対象となってしまったのである。

出典:livedoorニュース

 

まとめると、 

レリゴーを歌いまくっているという悪いイメージがつく

 ⇒カバーばっかりでむかつく

という内容。

 

この記事から推測するまでもなく、松たか子が「Let It Go」をテレビで歌いまくっていても、May J.ほどバッシングされることはなかっただろう。

 

つまり、カバーを使った金儲けは、嫌悪感を抱く材料にしかなっていないということ。

 

 

カバー曲ばかり歌う歌手がバッシングを減らす方法

長くなってしまったがいよいよ本題である。

 

カバーアーティストがバッシングを減らすためにはどうすればいいのか?

早い話が、ここまで語ってきた事と逆をすればいいだけだ。

 

今回は「アルバムを一枚作る」と仮定して書いていきたい。

 

知る人ぞ知る名曲もカバーしろ

出来ることなら、アルバム全曲を知る人ぞ知る名曲でまとめるのがベストだろう。

 

バッシングされたアーティストのカバーアルバムを実際調べてみたが、マニアックな所を攻めた選曲もあるにはある。だが、さらに突っ込んだコアな曲を選曲するべきだ。

 

 

「知る人ぞ知る名曲なんてどれだけあるんだ」と疑問に思う方もいるかもしれない。

 

 

あなたは、この世の中に「曲」がどれだけあるか知っているだろうか?

 

以下のブログにて(真意のほどは不明だが)4~8億曲ほどあるという計算が出ていた。

現存するすべての曲をあわせると何曲か | 先端ポピュラー音楽中学院中学

 

その中で「名曲」と呼ばれるものは、それこそ星の数ほど存在しているはず。

 

 

 

まぁ上の例は行き過ぎとしても、例えば、コアなファンしか知らないようなアルバム曲の中にも、名曲は存在する。カバーされるようなアーティストなら、「隠れた名曲」が少なくとも2、3曲はあるはず。

 

そういった、一部のファンしか知らないような「隠れた名曲」のみをピックアップし、カバーしていくだけで印象はかなり変わるのではないか。

 

 

定番曲ばかりのアルバムは、同業者と収録曲が被ることも多くなる。そうなれば必然的に「またこの曲かよ」と印象が悪くなるだけでなく、比較対象が増えるため受け手のハードルも上がってしまう。

 

仮に、カバー曲のクオリティが同業者より劣っていればどうなるか。当然バッシングの対象になりやすくなるはず。そういった事態を未然に防ぐためにも定番曲は収録するべきではない。

 

 

 

ただし、ライトリスナーの知らない「隠れた名曲」だけでアルバム一枚を作るというのもセールス的に厳しくなるはず。そこで、「ド定番:隠れ名曲」「半々」もしくは「6:4」程度の割合で収録してみてはどうだろう。

 

 

隠れた名曲なら、原曲を知るリスナーの数も減るし同業者ともかぶりにくくなる。そうなれば作品を比較するリスナーが相対的に少なくなり、バッシングの数も比例して少なくなるはず。

 

また、隠れた名曲の好きな「原曲ファン」の中には

「こんなマニアックな曲を歌ってくれてありがとう」

「渋いなコイツ」

といった気持ちになる者も出てくる。

 

つまり、嫌われるどころか好感度が上がるかもしれない。

 

 

そして、原曲をまったく知らないリスナーには、疑似オリジナル曲として音楽を届けることが出来る。

 

※世代の違う若いリスナーならば、ド定番さえ知らない可能性もある。そうなると全曲ド定番でアルバムを制作しても良いのではと考えることも出来るが、現状では大きなバッシングの対象となっているため今回はその考え方は除外した。

 

 

自分の個性を出すな

全編大ヒット曲のカバーでアルバムを作るなんていう「売れ線」を意識するあまり、アイデンティティを確立できていないのが問題なのだ。そんなことだからオリジナル曲も鳴かず飛ばずになる。

 

そもそも順序が逆で、なにかしらオリジナルの要素があって、その上でカバーをするからこそカバー曲が活きるのである。尤も、オリジナルが売れないがため、手っ取り早く成功を勝ち取りたくてカバーしているのだろうが。

 

 

カバーアーティストは「原曲の雰囲気が台無し」と揶揄されることが多い。

 

これはサウンドの変化も含め、アーティスト自身が個性を出している証拠だ。一見良い事のように思えるが、原曲ファンの中には、それを許さない層が一定数存在する。

 

だったらいっそのこと、個性を出さずカバーしたらいい。原曲にまったく忠実なカバーをする。オリジナルの要素はオリジナル曲で存分に発揮すればいい。

 

 

ただし、個性を爆発させたカバーは、良くも悪くもインパクトは残る。

 

ロックバンド「FLOW」はインディーズシングルで海援隊贈る言葉をカバーしブレイクのきっかけを掴む。

この曲は、原曲がもつ穏やかな雰囲気をぶち壊していたため賛否両論巻き起こったが、結果的には時代の流れに乗ることに成功した。つまり、個性を発揮したカバーはタイミングや使いどころによっては効果的な手法という事になる。だからこそ使いどころには注意が必要だ。いつ何時も個性を発揮していると、「Goosehouse」のように徹底的に嫌われてしまう。

 

 

カバー曲ばかり歌う歌手がバッシングを減らす方法 まとめ

というわけで、カバーアーティストがバッシングを減らすための方法を語ってきた。半分冗談のような内容になってしまったが、筆者はクソ真面目に書いているのであしからず。

 

どんなカバーであれ、原曲と比較して楽しめるリスナーばかりなら、こんなことを考える必要もなくなる。だが、それは現実的ではない。そう言い切れてしまう現状は悲しいが、フラットに音楽を楽しめるリスナーが増えることを切に願います。

 

それではまた。 

 

 

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