【洋楽編】2020年上半期ヘビロテしたマイベストソング10曲
2020年も折り返したので、上半期によく聴いた曲をまとめていこうと思う。今回は洋楽編なので邦楽編も余裕があれば紹介したいが予定は未定です。
メタルミュージックをこよなく愛しているので、基本的にやかましい音楽ばかりだがご勘弁を。普段そっち系を聴いている読者さんなら、一部を除いてグッとくるラインナップになっているかと思います。
2020年上半期マイベストソング「洋楽編」
Killswitch Engage「The Signal Fire」
ご存知大人気メタルコアバンド「Killswitch Engage」の2019年リリースのアルバム「Atonement」収録曲。
新旧ボーカリストの共演が話題になった本作。MVでも二人の絡みが楽しめてファンとしては嬉しい限り。まずスクリームと強烈なインパクトを残すスラッシーなリフで幕を開け、もうその瞬間に曲の世界へと引きずり込まれていた。作風としては近年の傾向だが、しっかりと歌を聴かせるタイプの曲。
ハワード・ジョーンズがチラリと映る演出に胸が高鳴ったし、繰り返しになってしまうが、二人が同じ画面でパフォーマンスしているのが、何よりもうれしくテンション爆上がりである。エモさと凶悪なサウンドが共存する曲自体は素晴らしいのだが、疾走パートが後半にもう一度あれば完璧だった。
PALADIN「SHOOT FOR THE SUN」
PALADINは2019年デビューの比較的新しめのバンドで、日本での知名度は極めて低い。アメリカで結成されたスラッシュ要素強めなパワーメタルバンド。ちなみにメンバーは日本のアニメ/ゲーム文化をリスペクトしており、ボーカリストの左腕にはマリオとロックマンのタトゥーが入っていて、何ともシュールだが微笑ましい。少し見づらいかもしれないがMVで確認できるのでぜひ。
この曲は、洋楽縛りで考えると、間違いなく上半期で最も再生回数が多い。もともとパワーメタルは一部を除いて得意ではないジャンルだが、PALADINはスラッシュやメロディックデスメタルの影響が楽曲にも色濃く出ているので私にとっては良いトコどりのバンドなのである。
何度聴いてもそのカッコよさに痺れるイントロのリフ、ロックマンのBGMにインスパイアされたというギターソロの旋律、このジャンルなら当たり前かもしれないが、最後までストイックに貫かれた疾走感、キャッチー過ぎる歌メロ、ハイトーンだが甘すぎない歌声等々、褒めればキリがない個人的に120点の曲。
AS I LAY DYING「My Own Grave」
メタルコアの帝王と呼ばれる「AS I LAY DYING」7年ぶりの新作「Shaped by Fire」収録曲。いろいろあって久しぶりのリリースだったため、はっきり言って存在を忘れかけていたのだが、この曲には完全にやられてしまった。
メロデス由来の残虐なリフと、サビでの美しすぎる旋律。このコントラストはある種、メタルコアにおける様式美ともいえる物だが、それを極限まで練磨させ、帝王と呼ぶにふさわしい完成度にまで仕上げられている。緩急をつけた楽曲構成だけでも素晴らしいが、速弾きのギターソロまでかましてくれて非の打ち所なし。
正直こうしたオーソドックスなメタルコアスタイルは年々衰退しているのだが、帝王の威厳でシーンを活性化させ、もう一度かつての盛り上がりを見せてほしい。
havok「Merchants of Death」
スラッシュリバイバルで頭角を表したバンドの一つで、予測不能な楽曲構成と、常人では思いつかないような変幻自在のギターリフが特徴。
この曲は2020年にリリースされたアルバム「V」に収録されているのだが、正直アルバムのクオリティは過去作に及んでいない。アルバム全体を通してリフに突出したものが少なく、曲構成もはっきり言えばつまらない物が多い。そんな中、この曲はイントロのリフからHavokの持ち味である難解なリフが炸裂しているし、そのリフが楽曲全体を支配してグイグイ引っ張っていく。一旦勢いの弱まるギターソロ後から、アウトロの盛り上がりもテンションが上がるポイントだ。スラッシュメタルの様式美をつらぬいた名曲。
fever333「BURN IT」
letlive.のフロントマンを中心に、2017年アメリカで結成されたラップコアバンド。レイジを彷彿とさせる攻撃的なラップと、リンキンパークのようなキャッチーさを併せ持っている。
筆者はデビュー以降愛聴してるバンドなのだが、個人的にこれまでハズレの作品がひとつもない。メンバーは自分たちの音楽性を「ラップとパンクロックの中間」と表現しているが、実際楽曲の幅はかなりあると思う。血管がブチ切れんばかりのテンションでまくし立てるラップから、サビでの開放的なメロディなど聴き所満載。ポストハードコアの要素もあるので、いわゆるラウド系の中では比較的聴きやすく、洋楽初心者にもおすすめ。
I Prevail「Gasoline」
2013年アメリカで結成されたポストハードコアバンド。過去に、テイラー・スウィフトのカバーがYouTubeでバズり一気に知名度を上げた。
最近のポストハードコアは、どんどんポップな路線に向かっているので、個人的に寂しい限りである。I Prevailもアルバムを通して聴くとかなりポップになってきたが、この曲のように残虐な面もいくらか残しているので今後も期待したい。
Sum41「A Death In The Family」
1996年カナダで結成されパンクロックバンド。
2019年リリースのアルバム「Order in Decline」収録曲で、往年のSum41節も感じさせつつ、2015年バンドへ復帰したデイヴ・バクシュ(ギター)の嗜好が炸裂したメタリックなリフ、速弾きギターソロも楽しめて、「こんなSum41が聴きたかった!」と素直に思えた。らしさを残しつつ緩急をつけたメロディや、飽きさせない楽曲構成にアレンジ、現時点での集大成ともいえる最高の一曲。ぜひこの路線で次の作品もお願いします。
EXHORDER「My Time」
1985年アメリカで結成された、超ベテランであるスラッシュ/グルーブメタルバンド。あのパンテラがリスペクトしており、グルーヴ・メタルの元祖と言われているバンドである。
2019年リリースのアルバム「Mourn The Southern Skies」収録されている曲だが、なんと27年ぶりのニューアルバムということでかなり驚いた。もともとまったく聴いていないバンドだったが、こちらのMVを観て一発でハマってしまった。
スラッシュメタルとしては、何の変哲もない楽曲だがそれが良い。漢らしい音圧で爆走するギターリフ、頭を振らずにはいられない前のめりなリズム隊、キャッチーだが少し古臭いメロディ。トレンドなど入り込む余地もない程、自分たちの信じたサウンドを叩きつける徹頭徹尾スラッシュメタル。素晴らしい。
RIOT V「Thundersteel」
1975年アメリカで結成されたパワー/スピードメタルバンド。2012年唯一の創設メンバーであったマーク・リアリ(ギター)の死去に伴い、バンド名を「RIOT」から「RIOT V」に改名した。
この曲はメタルヘッズの間では超有名なのだが、メタルを知らない読者さんのために簡単に説明すると
『「RIOT」といえば「Thundersteel」』
『「Thundersteel」といえば「RIOT」』
といっても過言ではないRIOT Vというバンドを象徴する1曲。
一度聴いたら忘れられないイントロのリフとサビのメロディ、ハイトーン過ぎるボーカルなど、インパクトが強く良くも悪くも個性的である。
筆者は断続的にパワープレイしたくなるので今回ここに登場したが、下半期のマイベストソングを選出する際も、ひょっとして入っているかもしれない。この曲に出会ってから10年以上経過しているが、未だに聴きたくなる。はっきり言って古臭い音楽性で、お洒落かダサいかと問われたら圧倒的にダサい曲だが、私にとってはいつまでも色あせない名曲。
Insolence「Head 2 Head」
ラップコアといっても、レゲエの音楽性が混ざっているのが特徴。 日本ではそこそこの知名度があるが、世界的には比較的マイナーなバンドで要するにあまり売れなかった。
この曲は、SiMのMAHがブログで紹介していて、久しぶりに聴きたくなってCDを引っ張り出してきたという流れである。実に数年ぶりに聴いたのだけど、ラップに勢いがあってそれだけでもカッコいいし、レゲエパートからラウドなバンドサウンドに移行する所は、何度聴いてもテンションが上がって気付けばリピートしている状態だった。
2020年上半期マイベストソング「洋楽編」まとめ
いつもながら洋楽編は、やかましい曲のオンパレードになってしまう。
今なら「ビリー・アイリッシュ」をラインナップに入れるなど、気の利いた事でも出来れば良いが、それは未来永劫無理そうである。
前回も同じようなことを考えたが、こうしてまとめてみると、古くっさいスピードメタルから、モダンなメタルコアまで、普段は何も考えず同じ感覚で聴いているのだが、メタルと一口にいっても幅が広いなと改めて思い知らされた。
それではまた。