【歌詞の意味考察】10-FEETのライオンは最も泣ける名曲【泣ける曲】
10-FEETの名曲は?と聞かれたらどんな曲を思い浮かべるだろう?
1Sec.
river
Goes On
アンテナラスト
2%
その向こうへ
Super Stomper
筆者の場合は少し考えただけで、これだけの名前が挙がってしまった。
10-FEETというバンドはそれだけ名曲を生み出している偉大なバンドだと思う。
そんな数ある名曲の中で、私が最も好きな曲は「ライオン」である。
10-FEET「ライオン」の歌詞について
「ライオン」を他人様に勧める際は必ずと言っていいほど、歌詞に注目してもらう。
10-FEETの歌詞は、難解な表現ながらメッセージ性が極めて強い、聴く者の心を揺さぶる物から、ストレートな表現で背中を押してくれる応援ソングまで幅が広い。
世の中には胸を打つ歌詞というのはごまんと存在するが、10-FEETほど素直に納得できる説得力を持ち、なおかつ強く訴えかけるメッセージ性を孕んだものはそうそうお目にかかれないだろう。
それは、歌詞を担当するTAKUMA(ボーカル/ギター)のパーソナリティの為せる業なのだと思う。
今回ご紹介している「ライオン」の歌詞も例外ではなく、何か訴えかける物があるのだが、個人的には他の楽曲と比較すると少しばかり毛色が違うような気がする。
そこで当稿では、ライオンの歌詞を私なりに解釈してみた。また、ライオンという楽曲がいかに素晴らしいかということも語っているので、最後までお付き合いよろしくお願いします。
10-FEET「ライオン」歌詞の意味考察
では改めて「ライオン」をお聴きください
10-FEET 「ライオン」の歌詞を考察してみる
「ライオン」の歌詞はこちらからどうぞ。
では10-FEET「ライオン」の歌詞の中から、気になる部分を抜粋し考察していこう。
たかが数分だけの恥と勇気で
お前の将来が変わるなら
吠えろ
腐りきる前に目を醒ませ
などの部分を見ると他者に向けた応援ソングに聞こえなくはない。
でもこの部分↓
笑って生きる事に疲れて
人は孤独な生き物だって
優しさと弱さの間で叫んだ
これはライオンの中でもひと際エモーショナルな歌詞だが、TAKUMAの心の叫びのように感じられる。
そしてサビの冒頭部分。
一体何の為の嘘なんだ!
先ほどの歌詞と合わせると、この曲の主人公の人物像や取り巻く環境が見えてくる。
10-FEET 「ライオン」の歌詞から考察する主人公のストーリー
他者に迎合し「作り笑い」でその場をやり過ごしてきたボク。
そうした毎日の生活の中、心から信頼できる人間などいなかった。
それが何よりも悲しかった。
それでもボクは他者に迎合して生きていくしかない。
当然現状に満足しているわけではない。でもやっぱり独りになるのは怖いんだ。
だから仕方なく迎合する道を選んだ。
だけどこんな生き方に何の意味があるっていうんだ!?
「自分」を出せないまま生きて行けというのか?
僕なんていてもいなくても一緒じゃないのか。
・・・毎夜こんなことを考えてはいるが、
そんな僕にも優しくしてくれる仲間はいる。
でも気付いてしまった。
僕はすでに独りになっていたんだ・・・
このような世界観だと想定してみた。
孤独感/閉塞感を抱えた主人公は楽曲の後半でいよいよ行動に移す。
歌詞の最後の部分。
心の形が変わっても
全てを犠牲にしてもいい
そこに愛とあなたが在るなら叫んで
叫んで…
この部分の解釈は本当に難しいけれど私はこう考えます。
今のままじゃなダメだ
現状を変えるためボク自身が変われるよう自分で努力するんだ!
この孤独な状況が好転するなら、昨日までのボクと違っていいじゃないか。
あの状態じゃどこまで行ってもボクという存在は「無」に等しいから。
ボクが行動を起こしてしまえば(偽りの)仲間たちとは、昨日と同じ関係性でいられないかもしれない。今まで見ていた景色が変わってしまうかもしれない。
でもいいんだ。ボクが生まれ変わるために昨日までのボクとはサヨナラ。
そこに存在した本当のやさしさ(愛)と、消え入りそうでもたしかに存在した"ボク"。このふたつは絶対に変わらないはずだ。
よし、いこう。
こんな感じに解釈してみたが、難しい歌詞だな。
「ライオン」の歌詞の凄まじい深さ
筆者は今回たまたまこのような考察をしたのだが、曲を聴いたリスナーそれぞれで、まったく違った景色が浮かぶだろう。非常に練られた歌詞になっていると思う。
ライオンを、単純に暗い曲だと認識しているリスナーもいるだろうし、その一方で応援ソングだと思って聴いている人もいるだろう。
とある時期の、狭い世界を歌ったパーソナルな内容にも感じられるし、誰もが共感できる普遍的なメッセージのようでもある。
きっとそれは、リスナーの歩んできた、それぞれの人生が楽曲に投影され、まったく違った解釈を産むからだと思う。
歌詞の内容がTAKUMAの実体験なのかどうかは分からないが、ここまで考えを巡らせられる内容で詞を紡げるというのはとてつもない才能だ。この重厚な世界観は、聴き終ると、まるで映画を見終わったかのような満足感が得られる。
「ライオン」はサウンドも聴き逃せない
「ライオン」の歌詞の素晴らしさを、あれこれと語ってきたが、ぜひサウンドにも改めて注目してほしい。
メインとなるバンドサウンドはいつもの10-FEETだが、曲の随所でホーンの音色が挿入されており、ジャジーかつアダルティな印象で、歌詞と相まってなおさら哀愁を誘う。
10-FEETの「ライオン」やはり名曲である
筆者の勝手な見解だが、「ライオン」の歌詞は、TAKUMAがTAKUMA自身を奮い立たせるため(もしくは当時の自分へ宛てた未来の自分からの応援歌として)書いたものではないかと思う。
そう思って聴き返してみると、TAKUMAのリアルな苦悩がより鮮明になって迫りくるようだ。
今回自分の考えを改めて文字にしていたら、またこの曲が好きになった。
tricotのカバーも素敵です
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