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【10円で買える名盤】No Warning「Torture Culture」のレビューと感想

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今回はNo Warning12年ぶりにリリースしたアルバム「Torture Culture」をレビューしていきたい。

 

ハードコアとメタルが融合したラウドファン必聴のサウンド。多種多様な音楽性を内包しており、いつまでも聴いていたくなるような飽きさせない一枚になっている。メロディアスな楽曲も随所で挿入されており、全体的に聴きやすいのもポイント。

 

そして、このアルバム「Torture Culture」は、楽曲の他にも特筆すべき点がある。

 

 

AmazonnにてMP3でアルバムを購入すると、なんと10円になるのだ。

 

単曲で購入した場合は1曲「250円」とよくある価格帯なのだが、アルバム単位で購入する際は、なぜか10円になる。最初は何かの間違いかと思ったが、正真正銘アルバム12曲がまとめて10円で手に入ってしまう。このクオリティで10円というのは、はっきり言って正気の沙汰ではない。

 

 

そんなアルバムであるが、12年ぶりのリリースといっても今年(2020年)ではなく、2017年の作品。先日たまたま激ロックのサイトでNo Warning復活」に関する記事を見つけ、10円という価格に唖然とし、アルバムを購入したという流れである。

 

 

ではここで、No Warningを知らない読者さんのためにバンドのことを少し紹介していこう。

 

No Warning(ノー・ウォーニング)はこんなバンド

 

1998年カナダで結成。

 

基本はハードコアパンクを軸に、作品によって他ジャンルの様々なエッセンスを加えている、といった音楽性。

 

地道な活動が実り、リンキン・パークが主宰するレーベル「MACHINE SHOP」のリリース第一弾アーティストとして、デビューアルバム「SUFFER,SURVIVE」を2004年発売。鳴り物入りでデビューすることとなった。

 

しかし、デビューアルバム以降、新譜はリリースされず、ファンの間では人知れず解散したと思われていた。(実際、wikipediaには2005年後半に解散したと記載がある)

 

そんな中、2017年、今回紹介している「Torture Culture」で復活を遂げたということだ。(厳密には2013、2015年に自身のレーベルからシングルをリリースしている。だが、大々的に「復活」と謳っているのは本作から)

 

筆者は先程触れたデビューアルバムである「SUFFER,SURVIVE」も当然所有しているのだが、これがまた掛け値なしの名盤である。音楽性はSUM 41「Chuck」に似た作風。冒頭に書いたようなハードコア+メタルを基本サウンドとしながら、キャッチーなサビメロのおかげでラウド初心者にも聴きやすい内容になっていた。

 

 

No Warning「Torture Culture」レビュー

前作の延長線上にある作風だが、デビューアルバムに比べ「Chuck感」はかなり減った。大きな要因としてボーカルの変化が挙げられる。

 

前作では比較的クリーンな声でサビを歌いあげることが多かったが、今作ではハードコア由来の良い意味で「汚い」ボーカルスタイルになり、よりハードコア色が増した。

 

サウンド的には、ハードコア+メタルのスタイルは健在。今作は「メタル」感をさらに強めて、プリミティブなリフが登場したり、純粋なスラッシュメタル感のある楽曲まで収録されている。

 

ハードコア+メタルとはいえ、近年のメタルコアのような音楽性ではない。あくまでも根底にあるのは「ハードコア」。NYHC(ニューヨークハードコア)の匂いが感じられ、あの独特な"ヤンチャ感"が楽曲のあちらこちらから溢れ出ている。そうなると、所謂メタルシーンにおける「クロスオーバー」とも言えなくもないが、それとも少し違う。

 

聴いていると不思議な感覚に陥るのだが、楽曲の中にあるハードコアとメタルの要素が、それぞれ独立して存在感を放つ。とはいえ、完全に分離しているというわけでもなく、絶妙なバランスで融合している。融合していながら、際立つ両者の要素。この辺りはバンドのセンスなのだろうが、まぁとにかくカッコいいです。

 

メンバーのインタビューで、「Torture Culture」へは、何も考えずやりたいことを全て詰め込んだという旨を語っている。前作は”大人たち”にとやかく言われて、自分たちの好きに制作できなかったらしい。

 

その反動もあるのだろうが、結果的にハードコア/スラッシュメタル/グランジなどなど、デコボコな作風になった。だが、どこ曲もクオリティが高いため、有無を言わせない説得力を持つ作品が完成した。抑圧から解放され、まさに初期衝動をぶつけたかのようなアツい作品。

 

そんな音を聴くと、結局ジャンルなどどうでも良くなってきて、カッコいいものはカッコいいと思わされてしまう。

 

先述したように、前作に比べ、ボーカルスタイルがよりハードに変化したため、全体的なキャッチーさは減退しているが、しっかり歌い上げる楽曲も存在する。様々な音楽性を内包するアルバムは「バラエティに富んだ」などとよく表現されるが、「Torture Culture」は多様性や振れ幅が半端ではない。一枚のアルバムで様々な音楽体験ができる本作は多くのラウドファンにぜひ聴いてもらいたい。

 

 

No Warning「Torture Culture」のレビュー まとめ

というわけで、No Warning「Torture Culture」をレビューしてきた。

 

内容もさることながら、兎にも角にもアルバム全12曲が10円で手に入ってしまうので、ぜひこの機会に聴いてもらいたい。

 

それではまた。

 

 

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