のりオト。

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【試聴あり】hideトリビュートインパルス 全曲レビュー おすすめ名盤 【hide TRIBUTE IMPULSE】

hideのトリビュートアルバム

「hide TRIBUTE IMPULSE(ヒデトリビュートインパルス)」が2018年6月に発売された。


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hideがなくなってもう20年経ったというのが一番驚きだったが今回のトリビュートアルバムのメンツは結構自分的にはツボ。まず何といってもDragon Ashの参加がうれしい。

 

亡くなったベースの馬場さんがhideファンだったことはロックファンには有名だ。いつか参加してくれないかと思っていましたがようやくといった感じ。

 

hideのトリビュートと言えば過去に何枚も発売されていて、途中は変なアレンジが施された盤など何やら迷走している感もあり正直満足できるものが少なかった。

 

結果から言えば今回の「hide TRIBUTE IMPULSE」は過去のhideトリビュートの中でも最高傑作。

 

過去のhideトリビュートで個人的に一番良かったのは、一発目に発表された「hide TRIBUTE SPIRITS」


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このSPIRITSはメンツが好みだったというのが単純に好きな理由。最新作のIMPULSEはそんなSPIRITSを超えて個人的なフェイバリットになった。

 

 

IMPULSE hide TRIBUTEはどんなアルバム?

まず今回は参加アーティストが過去のトリビュートに比べて豪華な気がします。それだけでこのアルバムの訴求力は高いかと。冒頭でも書きましたが私としてはDragon Ashが参加しているだけですでに満足(笑)

 

「hide TRIBUTE IMPULSE」にはhideの未発表ボーカルテイクが収録されることも大きな話題になっています。

hideのボーカルテイクなので、厳密には他アーティストのトリビュートではないのですが映画公開に合わせて収録されたとのこと。正直映画のための宣伝で収録されたのかもしれませんがファンとしては新しい歌声が聴けるだけでも感涙モノ。

 

 

トリビュートしたアーティストはこんな感じ↓

IMPULSEに参加したアーティストとカバーした楽曲

・ROCKET DIVE / Dragon Ash
・ピンク スパイダー / MIYAVI
D.O.D.(DRINK OR DIE) / FLOW
・GOOD BYE / Cocco
・ever free / 西川貴教
・DOUBT / HISASHI × YOW-ROW
・ELECTRIC CUCUMBER / ACID ANDROID
・EYES LOVE YOU / BREAKERZ
・BACTERIA / SEXFRiEND
・TELL ME / GRANRODEO
・HURRY GO ROUND (hide vocal Take2) (20th Memorial Track)

 

では全曲レビュー行ってみましょう。

※カバー曲の下に原曲も貼っておきましたので聴き比べてみてください。

 

01:ROCKET DIVE / Dragon Ash

ROCKET DIVE

ROCKET DIVE

  • provided courtesy of iTunes
ROCKET DIVE

ROCKET DIVE

  • provided courtesy of iTunes

 

降谷建志のヴォーカルが最高にマッチした、ただただカッコいいカバー。もともとROCKET DIVEが名曲で、そこへkjの声が乗るのだからカッコ悪くなるはずがない。

 

ストレートなアレンジで感度聴いても飽きないカッコよさがある。アレンジはほぼ原曲に忠実でギターソロ以外は特に大きく弄っている部分はないと思う。ギターの音も原曲に近づけているしhideへのリスペクトが感じられた。

 

 

kjがあまりにもマッチしすぎているので、なんかもう普通にDragon Ashの曲みたいに思えてくる。原曲にほぼ忠実にカバーしても滲み出てしまうバンドの魅力。その辺りがDragon Ashの個性なのだろう。やっぱりカッコいいバンドだよ。

 

 

余談だが、Dragon Ash布袋寅泰のアルバム「ALL TIME SUPER GUEST」にてBOOWYの「Dreamin`」をカバーしているがこちらも過度なアレンジをすることなくナイスなカバーだった。

DREAMIN'

DREAMIN'

  • provided courtesy of iTunes
DREAMIN'

DREAMIN'

  • provided courtesy of iTunes

 

 

 

02:ピンク スパイダー / MIYAVI

ピンク スパイダー

ピンク スパイダー

  • MIYAVI
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
ピンク スパイダー

ピンク スパイダー

  • provided courtesy of iTunes

 

原曲の地を這うようなメインリフのイメージが無くなりMIYAVIの手によって完全に生まれ変わったピンクスパイダー。歌を聴かせることに重点が置かれているため、原曲のヘヴィなイメージを想像すると多少肩透かしを食らうかもしれない。もちろんイメージの異なる楽曲に生まれ変わるのもトリビュートの良さではあるけどね。

 

hideファンとしては正直原曲の良さがなくなっていると感じるが、非常に個性的で面白いアレンジにはなっている。ただ一点、MIYAVIお得意のスラップ奏法もなくサウンドとしてはもう一捻り欲しかったところ。もっとMIYAVIの色を出しても良かったかなと思う。

 

 

03:D.O.D.(DRINK OR DIE) / FLOW

D.O.D. (DRINK OR DIE)

D.O.D. (DRINK OR DIE)

  • FLOW
  • ロック
  • provided courtesy of iTunes
D.O.D. (DRINK OR DIE)

D.O.D. (DRINK OR DIE)

  • hide
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

酒飲みを絶賛するというhideの馬鹿さ加減(褒め言葉)が炸裂した名曲のFLOW版。高速で刻むバッキングは基本的に原曲に忠実だが、随所でカラフルなギターの音色や電子音が挿入されていて、よりにぎやかな印象になった。

 

ヴォーカルkohshiがすこしhideの真似をして歌っているのが微笑ましく、楽しんでカバーしていることが伝わってきて好印象。

 

時にアニメバンドと揶揄されるFLOWだが、たしかな演奏技術はこの曲でも発揮されている。私はいいバンドだと思います。

 

 

 

04:GOOD BYE / Cocco

GOOD BYE

GOOD BYE

  • provided courtesy of iTunes
GOOD BYE

GOOD BYE

  • hide
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

原曲も泣けるがCoccoがさらに泣ける曲にしてしまった。

この曲を前に多くを語る必要はない。Coccoの声は最高。それ以上は野暮になる。

 

 

05:ever free / 西川貴教

ever free

ever free

  • 西川 貴教
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
ever free

ever free

  • provided courtesy of iTunes

 

パブリックイメージ通りの"西川貴教(TM Revolution)サウンド"になった「ever free」。これは賛否両論あるかもしれないが私は好きな方。サビ以外はテンポを落としているので、疾走感のある原曲ファンはそこが気に入らないかもしれない。でも全体的にギターゴリゴリのベースブリブリで普通にカッコいいと思う。

 

西川貴教の歌はいつもの西川節で特筆するような事柄はないが、相変わらず引くくらい歌がうまい。この人は何を歌っても自分の曲にしてしまうパワーがあってその点は単純に凄いと思う。

 

 

06:DOUBT / HISASHI × YOW-ROW

DOUBT

DOUBT

  • HISASHI × YOW-ROW
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
DOUBT

DOUBT

  • hide
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

HISASHI(GLAY)とYOW-ROW(GARI)による、hide流インダストリアルロックの名曲「DOUBT」。

原曲に比べギターの音が太くなり挿入される音数も増えているので、かなり重厚な印象に生まれ変わった。HISASHIの音楽的嗜好が炸裂したまさにHISASHIらしいサウンドではないだろうか。

 

個人的に「YOW-ROW」には大変申し訳ないが、この曲と彼のヴォーカルはマッチしていないような気がした。一部のスクリームとサビでの迫力の無さが特に顕著で、曲が持つヘヴィさが損なわれている。

 

 

07:ELECTRIC CUCUMBER / ACID ANDROID

ELECTRIC CUCUMBER

ELECTRIC CUCUMBER

  • provided courtesy of iTunes
Electric Cucumber

Electric Cucumber

  • provided courtesy of iTunes

yukihiro(L'Arc〜en〜Ciel)のソロプロジェクトACID ANDROIDによるzilch曲のカバー。

 

zilchというのはhideがレイ・マクヴェイ(セックス・ピストルズのサポートなど)、ポール・レイヴン(元キリング・ジョーク、元PRONG)らと結成した世界基準のバンド。マリリンマンソンとツアーを周る計画があったらしい。

参考:hide - Wikipedia

 

yukihiroには申し訳ないが圧倒的に原曲のラウドな感じが好み。ACID ANDROIDの音楽性は好きだが、この曲は思い入れがあるのでyukihiroのアレンジでは楽しめなかった。申し訳ない。

 

 

08:EYES LOVE YOU / BREAKERZ

EYES LOVE YOU

EYES LOVE YOU

  • provided courtesy of iTunes
EYES LOVE YOU

EYES LOVE YOU

  • hide
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

DAIGO率いるBREAKERZ hide1stシングルのカバー。BREAKERZはコナンのタイアップくらいしか知らいないのだがDAIGOは意外としっかり歌えるんだなと驚いた。トリビュートだからなのかもしれないが、DAIGOの癖のあるヴォーカルは影を潜め丁寧に言葉を伝えようという気概が感じられた。DAIGOいい声してるよね。

 

もともとBREAKERZの音を注意して聴いたことがないので単純に比較できないが、DAIGO同様サウンドの方も丁寧な仕上がり。アレンジは概ね原曲に忠実で間奏とアウトロでオリジナルのフレーズが入っている程度なので原曲ファンも安心して聴けます。

 

 

09:BACTERIA / SEXFRiEND

Bacteria

Bacteria

  • SEXFRiEND
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
BACTERIA

BACTERIA

  • hide
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

BiSHのアイナ・ジ・エンドが参加したユニット「SEXFRiEND」によるhide流インダストリアルロック「BACTERIA」のカバー。

 

個人的な話で申し訳ないのだが、こうしたロックのトリビュートにアイドルが参加することが未だに好意的に捉えられない古い思考のロックファンなのだが、今回のカバーはなかなか面白い試みだと思った。

 

原曲のやかましいサウンドが、声とギターだけという超シンプルな音に生まれ変わっていて、ゾクゾクするほどリアルな臨場感が味わえた。原曲ファンは賛否が別れるだろうがこれはこれで全然アリだと思う。

 

ただ「BACTERIA」はhideの曲の中でも相当に思い入れがあるので、原曲のインダストリアルな感じをさらにヘヴィにゴリゴリでメタリックなアレンジをしてくれる男臭いバンドにカバーしてほしかったかも。

 

 

10:TELL ME / GRANRODEO

TELL ME

TELL ME

  • provided courtesy of iTunes
TELL ME

TELL ME

  • hide
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

大人気アニソンユニットGRANRODEOによるhide屈指のポップナンバー「TELL ME」のカバー。

 

公式サイトのコメントでもギターのe-ZUKAが発言していたがアレンジは原曲にかなり忠実。ただ音はかなり太くなっています。音だけ聴けば相当カッコいいと思う。丁寧で巧いし。

 

問題はヴォーカルの方。KISHOWの声質というかボーカリゼイションに癖がありすぎてここは絶対に好き嫌いが別れる。決して下手なヴォーカリストではないけれど、この癖をどう捉えるかでこの曲の評価が決まるだろう。

 

 

11:HURRY GO ROUND (hide vocal Take2) (20th Memorial Track)

HURRY GO ROUND

HURRY GO ROUND

  • hide
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
HURRY GO ROUND

HURRY GO ROUND

  • provided courtesy of iTunes

いよいよ大トリ。我らがhideの登場です。

 

この曲に関してはアレンジがどうとかhideのヴォーカルがどうとか、とりあえず横に置いておいて、hideの新しい音源が聴けたことに「ありがとう」と言いたい。

 

hideの唄とPATAのギター最高です。

 

ではあらためて。hideの歌声とPATAのギターだけというシンプルな構成。余計な装飾が無い分、楽曲の持つ力強さ、儚さがより一層際立って胸の奥の方をギュ~と掴まれるような何とも言えない感覚に陥いる。こりゃ泣けるわ。

 

hideの粗削りながらも芯のある歌声とPATAの人となりが伝わってくる優しいギターの音色、どちらも最高なのだが、感動している心を平静に保って楽曲を聴いてみると、所謂デモ音源レベルだと気付いてしまうので楽曲クオリティとしては低いのかもしれない。

 

それを言っちゃあ身も蓋もないのだが、ボイスレコーダーで録音したようなhideのリアルすぎる歌声がすべてを吹っ飛ばしてくれるからプラマイゼロってことで。

 

 

hide TRIBUTE IMPULSE のまとめ

音楽性、満足度の高い良質なトリビュート盤ではないだろうか。

 

トリビュート盤の良いところは、新しく生まれ変わった楽曲を楽しむこと以外に、原曲の良さを再確認できるところだ。

 

今回でいえばhideの持つ普遍的なポップセンスやアレンジの先進性などが再確認できた。今聴いても十分に通用する楽曲を20年も前に生み出していたhide。

 

"天才"という言葉はあまり使いたくはないが、hideはやはり天才なのだと思う。音楽をやるために生まれてきた天才。だからこそ、亡くなって長い時間が経過しても、hideの残した楽曲たちは多くの人に感動を与えることが出来る。

 

 

生まれ変わった「HURRY GO ROUND」を聴くためだけにhide TRIBUTE IMPULSEを購入する熱烈なhideファンの方がひょっとしたらいるかもしれない。それは個人の自由なのでとやかく言いたくはないが、hide以外のアーティストも本当にどれも素晴らしい楽曲ばかりです。なによりhideへの愛情にあふれています。

 

hideラヴなあなたも原曲と聴き比べてぜひ楽しんでいただきたいと思います。


hide TRIBUTE IMPULSE [ (V.A.) ]