のりオト。

のりオト

音楽コラムやCDレビューなど音楽中心の雑記。たまに信長の野望201Xの話題も

【来夢】キズはV系の既成概念を破壊し新たなアイデンティティを確立した

キズというヴィジュアル系バンドをご存じだろうか。

 

メンバーは

Vo. 来夢(らいむ

Gt. reiki

Ba. ユエ

Dr. きょうのすけ

 の4ピースバンド。

 

音楽性は基本的にメタリックなリフが主体のゴリゴリしたサウンドが武器。ボーカルはV系特有の癖が多少感じられるが歌唱力は相当なレベル。 癖がなくなれば一般リスナーへの訴求力は高まるだろうが、独特な癖はV系の持ち味とも言えるのであえてこのままがいい。

 

キズおすすめ曲「天誅

キズ「天誅」

天誅

天誅

  • キズ
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

上の天誅という曲はイントロがブラジルの某パワーメタルバンドみたいでニヤニヤした。音の作り方はかなり好み。

Defying the Rules

Defying the Rules

  • Hibria
  • メタル
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

 

 

キズというバンドは知人の勧めで聴くことになったのだが、結果的に一聴しただけでハマってしまった。初めは単純に楽曲のカッコよさに惹かれたのだが、根掘り葉掘り調べていくうち知れば知る程キズというバンドの魅力にハマっていった。正確にはボーカル来夢の魅力に。

 

 

キズのボーカル来夢とは

キズでボーカルを担当している「来夢」という人物は元々「LEZARD」というバンドに在籍していた。

 

LEZARDはV系の中でも所謂キラキラ系にカテゴライズされていたバンド。キラキラ系について筆者はそこまで詳しくないのだが、一般的なイメージとしては比較的ポップな曲調でライブでは振付などをしているようなバンドだ。実際LEZARDを聴いてみたが意外にヘヴィな曲もあったりして音楽的な幅は広かったように思う。

 

そんなキラキラ系だったLEZARDを来夢は脱退し、キズを結成するわけだが、原因は所謂方向性の違いというやつ。LEZARDのキラキラ系として行ってきた活動に疑問を持っていた彼は自分の心に嘘をついてまで活動していくことを良しとせず、己のめざす音楽のために袂を分かった。

 

 

彼のその想いは先ほど紹介した「天誅」の歌詞に表れている。(キズの作詞はすべて来夢によるもの)

天誅」で描かれる世界観は表面的な感情だけでなく「なぜ自分がここにいてバンドをやっているのか」という深い部分にまでフォーカスされていた。

 

天誅で来夢が伝えたかったことはこれだけではない。

 

嘘だらけだった過去の自分の行いや、"ヴィジュアル系"というシステムそのものを徹底的に断罪し、そんな嘘に踊らされていたファンをもこれでもかと否定していて、その様は実に爽快。尤も"LEZARDの来夢"が好きだったファンにしてみたらこれ以上悲しいことはないと思うが。

 

 

ヴィジュアル系」というジャンルそのものが嫌になって、まったく違う畑(ジャンル)で勝負するバンドマンは数多く存在するが、ビジュアル系というフィールドにいながらヴィジュアル系そのものを直接的に否定するというキズのスタンスに感銘を受けた。

 

 

 

ビジュアル系というのは特殊なコミュニティを形成しており、通常の邦楽ロックとは比べ物にならないくらいファンの閉鎖性が強い。それは宗教的な連帯感とも言える。ヴィジュアル系が宗教クサいと言われる所以の一つだ。メインストリームでもそうした傾向は観られるがヴィジュアル系の比ではない。

 

そんな"ビジュアル系"という絶対不可侵領域のタブーをえぐったキズ(来夢)はどんな想いで活動を続けているのだろう。

先日ボーカル来夢の某インタビューを拝見したのだが、本人としてはビジュアル系に嫌悪感を抱いているわけではないものの、「ビジュアル系というジャンルに対し疑問を持っている」らしく何か新しいことをやってくれそうな期待はある。

 

 

どちらにしてもキズというバンドは、反体制を地で行くロックバンドらしいロックバンドだと思う。個人的に昨今の音楽シーンに蔓延する、必然性のない無駄な連帯感が得意な方ではないので、孤高の存在として独自のスタンスを貫いた活動が見てみたい。

 

 

キズ(来夢)の活動に期待している

ビジュアル系に限った話ではないけれど、現状どの音楽ジャンルも飽和している感が否めない。突飛な活動を試みるアーティストも少なからず存在するがそのほとんどが数年もしたら忘れ去られた存在になってしまう。

つまるところ音楽性もシステムもマンネリ化してしまっているのだ。音楽というメディア自体に元気がないというのが一番の問題だが、一音楽ファンとしては本当に由々しき事態だと思っている。

 

 

ビジュアル系に話を戻すが、ここ数年面白い存在が出てきていないことは顕著で、シーンとして見ても、エキサイティングとは程遠いものだ。やはり革命を起こせるような突然変異体が現れなければこの事態はひっくり返せないだろう。

 

来夢にはぜひキズというバンドで頑張っていただいてヴィジュアルシーン、ひいては音楽シーンに大きな風穴を開けてくれるのを期待している。


おしまい (TYPE B)