LiSA(リサ)は「脱・鬼滅の刃」する必要はない
鬼滅特需で説明不要の国民的アーティストとなった「LiSA(リサ)」。
大ブレイクしたアーティストは、マスコミの標的になるのが世の常。
先日、以下の記事がネットニュースで取り上げられていた。
これは2021年1月13日リリースされた「dawn」に関する話題。
「紅蓮華」での大躍進ぶりを鑑みれば、「dawn」がオリコン初登場5位というのはたしかにさみしく感じる。2019年から続く大活躍ぶりを考えると、ぶっちぎりで1位になってもおかしくはない。
さらに、「紅蓮華」と「炎」の間にリリースされた「unlasting」も、紅蓮華と比較するとダウンロード数は約10分の1。
「dawn」同様さみしい数字になっていおり、新規ファンを思ったほど獲得できていないことも明るみになった。
だが、そもそも「鬼滅の刃」人気に便乗できた楽曲が異常なだけで、今の音楽業界でこれだけの結果を残せているのは十分健闘していると言えるだろう。
上記のニュースでは
このままではすっかり〝鬼滅歌手〟のレッテルを貼られてしまう。今後抱えることになった課題はなんといっても〝脱・鬼滅〟。それができたら歌手としてさらにステップアップしそうだ
出典:日刊サイゾー
なんて言われ方をしている。
LiSA(リサ)は鬼滅の刃のイメージを払拭できるのか
たしかに「脱・鬼滅」することで、アーティストとして新しいステージにたどり着けるかもしれない。
だが冷静に考えてみると、社会現象化するほど肥大した作品のイメージを取り去ることなど果たして出来るだろうか。
たとえば「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌「残酷な天使のテーゼ」で一世を風靡した高橋洋子は、現在もエヴァのイメージが定着している。
高橋は「残酷な天使のテーゼ」以降、20枚弱のシングルをリリースしているが、ファンでない人間からすれば、未だに「エヴァを歌っている人」というイメージで捉えられがちだ。元々アニソンシンガーではなかったにもかかわらず、現在はそうした扱いを受けている部分もある。
アーティスト本人がどう思っているかとか、良い悪いは別として、LiSAも高橋洋子と同じような境遇になっていると思う。
そして、高橋洋子については分からないが、LiSAは「アニソンシンガー」と呼ばれることに多少抵抗があるようだ。
LiSAに限って言えば、早く「鬼滅の人」というイメージを取り払いたいはず。
しかし、先ほども述べたように、「鬼滅の刃」ほど爆発的にヒットした作品のイメージを取り払うことは正直難しいはず。
唯一イメージを払拭できる方法は、「紅蓮華」以上にインパクトのある作品をリスナーに提示する事。だが、それにはLiSAの実績だけでは難しく、「鬼滅の刃」と同等のヒット作とタイアップしなければ、そう易々と実現できないはず。
仮に上記の方法でイメージを払拭できたとしても、該当の作品がアニメだった場合は、そのイメージが再び付きまとう。ならば、アニメ以外の、実写ドラマ/映画などとタイアップすれば良いかもしれないが、鬼滅の刃を超えるドラマや映画など簡単に生まれるとも思えない。
つまり、同じことを再び繰り返さなければいけない恐れがある。
LiSA(リサ)は鬼滅の刃のイメージを抱えたまま活動するべき
ならばいっそのこと、「鬼滅の刃」のイメージを今後も払拭しなければいい。
特に最近は、コロナ禍でエンタメ業界は軒並み厳しい状態が続いている。
そんな中「鬼滅の刃」の勢いは、一時に比べ衰えているが、完全に消えてしまったわけではない。この「鬼滅の波」にまだまだ乗っていくべきではないだろうか。
LiSAとしては不本意かもしれないが、今後の活動で「鬼滅の人」というイメージは強烈なアドバンテージになると思う。
ライブで「紅蓮華」「炎」を披露すれば、ほとんどの人が知っていて確実に盛り上がるだろうし、鬼滅に絡めた作品を再びリリースすれば注目度は他を圧倒する。
いやらしい話、鬼滅の刃に商品価値がなくなるまで、利用できるだけ利用してやればいいのだ。
筆者は、LiSAのファンでも何でもないけれど、ファンとしては、いつまでも第一線で活躍してくれることを一番に願っているはず。そのために使えるものは何でも使って、今の勢いのまま音楽業界を盛り上げていってほしい。
それではまた。