ロック好きを公言するなら楽器の音ぐらい聴き分けてくれ
現在「ロック」という音楽ジャンルは、かつての歌謡曲やJ-POPのような市民権を得ている。
ロックフェス文化も人々の生活に溶け込み、近年ではレジャーとして参加する人も少なくないという。
マイノリティだったロックという存在は、もはや国民的娯楽といっても差し支えない。
かつては不良の音楽だったロック
不良といえばロック。ロックと言えば不良。
一昔前は「ツッパリ」や「ヤンキー」の象徴として忌み嫌われる存在だったロック。
でも今はどんな真面目な奴でもロックを聴く。
いまの世の中に存在しているかわからないが黒縁メガネの勉三さんみたいな中高生でもきっとロックを聴いている。
筆者が経験したわけではないが、かつてはギターを持っていようものなら「あいつは不良だ」と後ろ指をさされていたらしい。
それが今じゃ某軽音楽部アニメの影響もあり、ロックとは無縁そうな純粋無垢な可愛らしい女の子でもギターやベースを手にしバンド活動していたりする。
ロックに興味を持つ人間が増えることは、ロックファンとしては素直にうれしい。
・・だが、それと同時に、広く一般化しすぎたロックという存在に寂しさを覚えるのも事実。
それは、ロックという存在が常に尖った存在でいてほしいと願うからであり、触れたら火傷してしまう、そんなヒリヒリした緊張感みたいなものをロックからいつまでも感じていたいからだ。
とはいえ、こうした古い習慣や閉鎖的なコミュニティでは文化としていつか衰退してしまうしその辺りは難しいところである。
ロックについて、筆者の想う御託をあれこれ並べてきたが、小難しい話はここまでにしよう。
今回はこれだけが言いたかった。
ロックが好きなら楽器の音をもっと聴いてくれ
何かの縁でロックを好きになり、大好きなバンドが出来たんだったら、せめて好きなバンドの曲くらいもっと掘り下げて聴いてほしい。
というのも、ただなんとなくカッコいいからロックを聴いているとか、流行っているからロックを聴いているという知人が過去に多かったからだ。
要するにファッションの一環でロックに触れているという人種である。
もっとひどい人種だとライブで暴れたいがためにロックを聴いているらしい。
そんなものはちゃんちゃらおかしくてヘソで茶が沸いてしまう。
正直音楽の楽しみ方なんて人それぞれで、他人様の趣味にあれこれ介入できるほど偉い人間でもないが、自らの正義がまかり通る自分のブログの中だけではせめて言わせてほしい。
もっと音を楽しんでくれ
"音楽"は読んで字のごとくだけど、
元々「"音"そのものを楽しむ」ためだったり
「”音”そのものを楽しんだ」結果、発展してきた文化なんじゃないのかな?
音楽の歴史については、専門家でも何でもないので間違った認識だったなら申し訳ないけれど、音楽好きなのあなたなら少しは賛同してくれるはずだ。
ロックに限ったことではないけど、曲を聴いてなんとなく「良い曲だな」「かっこいい」と思って聴き続けるというのも、音を楽しむという点では間違いではない。
だけど、さらに音楽(ロック)を楽しむために、さらに好きになってもらうために、私はそんな人達にロックの聴き方を提案したい。
とにかく楽器の音をもっと聴いてほしい
正直楽器に興味がなければ、いま鳴っている音がギターなのか、ベースなのか、鍵盤なのか分からないかもしれない。(・・・さすがにドラムはわかるかな)
ましてやロックなんて言うジャンルは、基本的にギター、ベース、ドラムの編成なんだから最低限この三つは聴き分けてほしい。そうすることで楽曲の持つカッコよさは何倍にも膨れ上がるはず。
好きなバンドがどういう音を出しているのかある程度わかってくると、そのバンドのことを今以上に好きになれるし、何気ないプレイにも感動することができる。
それに、音の傾向がわかれば、同じようなジャンルのバンドも探しやすくなるので、さらに音楽の知識が深まる。
こうした「楽器の音を聴き分ける」という作業は難しい人もいるだろう。
特に「ボーカルの顔がカッコいい」という理由だけで、たいして曲の良さを理解せず、流行りのロックミュージックを聴いているスイーツ女子などには一層ハードルが高いかもしれないが、ぜひ一度トライしてもらいたい。
音をしっかり聴けと云っても、別に「ロックの本質に迫れ」とか「魂を感じろ」とか小難しいことを言ってるわけじゃない。
世の中にたくさんある音楽ジャンルの中で
単純に「"ロックバンドの音"ってカッコいいんだよ」ってことが言いたいだけ。
筆者は心からロックを愛する人間で、お察しの通り暑苦しいヤツだが、昨日までロックを知らなかった人間が、ロックに出会うきっかけはなんだっていいと思っている。
・ボーカルの顔が良かったから。
・アニメのタイアップでノリが良かったから。
・彼氏(彼女)がロック好きだったからその影響。
これ以外だって別になんだっていい。
でもせっかくロックの世界に足を踏み入れたのだから、
「イントロのリフやべーな!ご飯何杯でも行けるわ!」
「ここのベースがブリブリしてる!下っ腹に響くぜ!」
「ここのドラムどうやって叩いてんの!?もう人間じゃねーなこれ!」
みたいな感動を一度は味わってもらいたいし、ロックのことをもっともっと好きになってもらいたい。
ロック好きの同志としては心からそう想います。
楽器を聴き分ける方法
楽器の音を聴き分けるといっても、例えば昨日からロックを聴き始めたようなロックビギナーには難しいだろう。
そこで、私がいつも他人様に教えている方法があるのでここでシェアしてみたい。
初心者の方は特にその傾向があるが、楽器をやっていないと音の聴き分けが難しいと思いがちだ。でも実はそんなことはない。
もちろん楽器をやっているに越したことはないけど、楽器未経験でも問題なしである。
大層にこんなこと書いているが方法は至ってかんたん。
普段からいろいろなジャンル(バンド)の音楽を聴くように心がける。
これだけで自然と耳が鍛えられると思います。
特にロックビギナーはひとつのジャンルに集中して聴きがちでである。
下手したらひとつのバンドしか聴かないという人もいるだろう。
若いうちというのは自分の好きな音楽が正義だから仕方ないけれど、それじゃあもったいない。せっかくロック好きになったのだから、いろいろなジャンルに耳を傾けてみましょう。
聴くときのポイントはひとつの音に集中すること。
ある程度数を聴くことで、今上でなっている音はギター、下でなっている音はベース、ダンダンいってるのはドラムというように何となく分かるようになってくる。
そこまでの域に達すれば、後は曲(ジャンル)ごとに比較して聴くことが出来るので、
「この曲はさっきの曲よりベースラインが目まぐるしく動いていてカッコイイ」
「ドラムの手数が多くてカッコいい」
など、なんとなく判断できるようになってくる。
いきなり完全に聴き分けるのは難しいと思うので、まずは「何となく」を目標に音の違いを感じてみてほしい。
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