THE BACK HORNのおすすめ名曲/人気曲を紹介していきたい。
そんな筆者が独断でおすすめ曲を紹介していくのが今回の企画だ。
バックホーンは捨て曲がないバンドとしてファンにはおなじみだが、そのおかげで選曲はかなり難航した。
最終的に筆者のヘビロテ率から選んでいるが基本的にはどの曲も満遍なく聴いているので余計選ぶのが大変だった。
通常捨て曲になりそうなアルバムの7、8曲目とかシングルの3曲目とかもれなくカッコいいから困る。
こうした発言はバンドの古参ファンがいかにも口にしそうだが、バックホーンは本当に捨て曲がないのだから仕方がない。
どちらかというとバックホーン初心者向けに人気曲の中からチョイスしているので参考にしてみてほしい。
その前にまず、筆者とバックホーンとの出会いや彼らについてあれこれ語らせてほしい。
おまえのことなんてどうでもいいよ!という方はさっそく目次をどうぞ。
THE BACK HORNと筆者
では改めて。
筆者とバックホーンとの出会いはメジャーデビューシングル「サニー」だ。
「サニー」を聴いて激しい衝撃を受けた筆者は、そこから今日まで彼らを追いかけ続けている。
THE BACK HORNは「演奏や歌が下手」だとか「曲がダサい」などネットで散々な叩かれようである。
長年彼らを見続けている筆者からすると、あのダサさこそバックホーンの良さである泥臭さを増幅する装置なのだ。
そして、感情を爆発させた滅茶苦茶な演奏はたしかに下手かもしれない。だが、あの暑苦しさがなければバックホーンではないし筆者の心には何も響かない。
一部の古参ファンは
「最近のバックホーンは洗練されてきた」
「昔に比べてカッコよくなった」
なんて言っている。
たしかに現在のバックホーンは、初期のドロドロした世界観は多少鳴りを潜めている。
しかし、洗練されたお洒落な曲の中にも依然としてそこはかとないダサさが漂っている。
彼らの音楽は相変わらずカッコいい。それはつまりバックホーンらしいダサさは失われていないということだ。根幹は何も変わっていないと思う。
最近は上手くなったと言われる演奏だが、「岡峰光舟(B)」以外は、正直今でもライブでのプレイは下手糞だと思う。
だけど彼らを見ていると、プレイがどうとかそんなことはどうでも良くなるのだ。
あの4人で音を出していることが筆者には何より尊い。
月並みな表現だが、やっぱりロックは魂なんだと強く感じられる。
下手でもダサくてもいい。
あの泥臭さが無くならなければバックホーンは何をしてもいいと思っている。
一般的に、下手だとかダサいなんてのはマイナス要素だし、筆者もどうせ聴くなら上手くて洗練されたバンドの方が良いと思うときもある。だがバックホーンに対しては不思議と許せてしまう。
あとにも先にもそんなバンドは現れないだろう。
THE BACK HORNはそんな不思議な魅力を持ったロックバンドであり、筆者の中で他に替えのきかない唯一無二の存在である。
THE BACK HORN おすすめ人気曲/名曲
THE BACK HORN「ミスターワールド」
収録アルバム:人間プログラム
歌詞が極めて抽象的なためいろいろな解釈ができる曲。
この曲を知っているバックホーンのファン同士ならあーだこーだと盛り上がれます。
サウンドもカッコいいけれど、とにかく歌詞が最大の聴きどころ。
この頃のバックホーン(栄純)がいかに狂っていたかがわかる。
「ミスターワールド」ちょっぴり歌詞考察
プラスチックの雪が降る町で
という歌詞が出てくるのだが、その後に「世界は壊れた」とあるので、"プラスチックの雪"というのは、おそらく核兵器のようなものだと思う。
上空で爆発してその残骸が降ってきているような感じだろうか?
後半に「戦場」というワードも出てくるので間違いなく戦争に関係する歌なのだと思う。
ここまでのキーワードだけで考えるとロックバンドにありがちな「反戦ソング」と捉えることもできるだが、それは正直わからない。
一時期栄純は「世界が壊れてしまえば」いいと思っていたらしいので、当時の栄純にとってはこれが理想の世界だったのかも。
個人的にこの曲を原案にアニメでも実写でもいいので何かしら映像化してもらいたいとずっと思っている。
最後に、筆者が最もぶっ飛んだ表現の歌詞を引用したい。
排水溝に詰まった羽の折れた天使の死体に精液をぶちまける
どんな人生を歩んだらこんな歌詞が創造できるのだろう。
THE BACK HORN「キズナソング」
収録アルバム:ヘッドフォンチルドレン
ストリングスが導入されたスケール感の大きなバラードナンバー。
曲もさることながら山田将司のエモーショナルなボーカルが胸に突き刺さる。
菅波栄純が、路上で座り込んで書き上げたという歌詞にも注目してほしい。
特定の誰かに向けたメッセージのような歌詞だが、人類すべてを対象とした壮大なバラードにも聴こえるし、栄純自身を慰めているようにも感じられる。
この一節は何度聴いても心が震える。
誰もがみんな幸せなら歌なんて生まれないさ
だから世界よもっと鮮やかな悲しみに染まれ
THE BACK HORN「墓石フィーバー」
収録アルバム:ヘッドフォンチルドレン
「墓石フィーバー」はタイトルの時点で好きすぎるが、激しいリフと歌詞の世界が好きでチョイスした。
仮に書いたデモをそのまま使った部分もあるという歌詞が、異世界のような雰囲気を醸し出していてオドロオドロしくもあり、そこはかとなくユーモアも感じられる。
曲のテーマをどう解釈すればいいのか難しいのだが、面白い考察をしている方がいらっしゃったのでご紹介させていただきます。
THE BACK HORN「運命複雑骨折」
収録アルバム:ヘッドフォンチルドレン
個性的な単音リフで始まる「運命複雑骨折」は、栄純の音楽に対する苦悩が痛いほど伝わってくる生々しい歌詞が特徴である。
歌わなきゃ気が狂いそうだと叫びながら、歌いたい/歌うべき事が何もないという切羽詰まる状況を描き、「夢見る凡人、迷惑な奴でごめんなさい」と徹底的に自らを卑下する。
最後まで救いのないこの曲は、筆者のような”夢見る凡人”の心を優しく浄化してくれるのだ。
THE BACK HORN「Running Away」
収録アルバム:情景泥棒(ミニアルバム)
曲中に挿入されるマリンバ(木琴の一種)が印象的。
バックホーンの中では比較的聴きやすいオーソドックスなロックナンバー。
最近のバックホーンは古参ファンの評判が極めて悪いが、この曲もおそらく古参は嫌っていると思う。
「コーラスが気に入らない」とYouTubeのコメ欄で目にしたのだが、要するにバックホーンに"俗"な要素は求めていないということだろう。
東日本大震災以降のバックホーンは、それまでになくストレートな表現が目立つようになってきたが、それは歌詞だけでなく楽曲構成やアレンジにも表れている。
より多くの人に届くよう、ポップな表現を突き詰めた結果が、今のバックホーンなのだと思う。
人の好みはそれぞれなので反対意見もあって然るべきだが、この分かりやすい感じ筆者は大好きだ。
THE BACK HORN「赤い靴」
収録アルバム:B-SIDE THE BACK HORN
この曲はベースがヤバすぎるのでまずそれを意識して聴いてほしい。
イントロが終った直後からブリブリと最高の音を鳴らしている。これを聴いて何も感じなければロックを聴くセンスはないかもしれない。
バックホーンはベースが基本的に動きまくるためカッコいい曲ばかりなのだが個人的に「赤い靴」はその中でも特に秀でていると思う。
THE BACK HORN「ペルソナ」
収録アルバム:アサイラム
目の前にある障害物を叩き潰すようなリフで幕を開ける極めて攻撃的なロックナンバー。
この曲が収録された「アサイラム」というアルバムが好きなのだが、古参ファンにはあまり人気が無いようだ。この前後のアルバムは総じてそんな評価である。
いわゆる「バックホーンは変わってしまった」と思われている時期だ。
攻撃的なサウンドに呼応するかのように感情をぶつけ喚き散らす山田将司のボーカルも曲に説得力を与えており、爆走する疾走感抜群のサビは高揚感を煽られる。
「ペルソナ」を聴いていると、声と演奏がひとつの塊になり無軌道に飛び跳ね暴れ回っている、そんなイメージが浮ぶ。
イライラした時に爆音で聴くと最高にスカッとするし、車で流していると大声で歌ってしまうので"ひとりカラオケボックス"状態になる。
THE BACK HORN「戦う君よ」
収録アルバム:アサイラム
バックホーンはおそらく一生聴いていくバンドだが「戦う君よ」は毎日聴き続けると思う。
この曲はポジティブで直接的な歌詞がバックホーンらしくないという意見が一部のファンから上がっている。
作詞を担当した菅波栄純は
「聴き手側の事情を知らずに頑張れと背中を押すことは出来ないと思うが、応援はしたい」
「背中を押すのではなく伴走したい」
出典:エキサイトミュージック
と語っている。
なんとも栄純らしい控えめな人間性が滲み出ている。
そんな彼が不器用ながらも直接的な表現で他者を応援していると事実。
それだけでファンとしては胸がいっぱいになる。
「戦う君よ」に込めた栄純の想いを噛み締めて楽曲を改めて聴いてみてほしい
この歌詞には何度も助けられたし、今現在も助けられている。
泥だらけのまま笑えたのなら何処へだって行けるさ
THE BACK HORN「サニー」
収録アルバム:人間プログラム
冒頭にも書いたが、筆者がバックホーンと出会った記念すべき一曲であり、メジャー1枚目のシングルといういうことで彼らにとっても特別なナンバーだろう。
たしかスペースシャワーTVでMVを観たのが初めてだったと思う。
垢抜けないメンバーたちが、がむしゃらに演奏している姿を目の当たりにし画面に釘付けになったのを覚えている。
歌詞に登場する「人を○す時の気持ち」という部分にも大きな衝撃を受けた。
全編を通し不穏な空気が漂うMVと鬼気迫るサウンドとボーカル、厨二心をくすぐる歌詞に完全にヤラれてしまった。
そして、この曲が収録された1stアルバム「人間プログラム」を手に入れ、聴き込むまでもなくバックホーンの虜になったのだ。
バックホーンの楽曲は、耳から情報を取り込んでいるはずなのにハッキリと情景が浮かんでくる物が多い。
一曲聴き終えると、まるで一本の映画を観終わったかのような気分になるとメディアなどでも表現される。これはファンなら誰しも納得することだ。
それはサウンドが情景を連想させるほどカラフルであったり、極めて叙情的な歌詞が要因なのだろう。
「サニー」にもそれは当てはまるのだが、メジャー一発目のシングルからそれをやっていたと考えると、とてつもない才能だと言わざるを得ない。
サニーより好きな曲はたくさんあるけれど、特別な一曲として筆者の中でいつまでも輝き続けるだろう。
THE BACK HORN おすすめ人気曲/名曲 まとめ
完全に独断ではあるが、THE BACK HORNの魅力が詰まった名曲たちを紹介させていただいた。
この記事を読んでいるということは、大なり小なりTHE BACK HORNを知っている方だとは思うが、これからもっと深堀りしたいバックホーンリスナーの指針になっていれば幸いである。
それではまた。
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