女性ベーシストが在籍するかっこよすぎるバンド7選
近年女性ベーシストが増えているような気がするし、私が好きなバンドにも女性ベーシストは多い。
というわけで当稿では、バンドに華を添える女性ベーシストが在籍している邦楽ロックバンドを紹介していこう。
女性ベーシストのいるかっこよすぎるバンド
SUPERCAR(フルカワミキ)
1995年結成/2005年解散。
結成から解散までの間に、これだけ音楽性が変化し続けたバンドは日本では珍しいのではないだろうか。それまでの世界観に全く異なる新しいテイストを取り入れても、イメージが破綻することなくスーパーカーの音楽として機能する。それをやってのけたメンバー達のセンスは見事としか言いようがない。
スーパーカーのサウンドだけでなく、佇まいや活動スタンスに、影響を受けたであろうロックバンドは数え切れないほどいるし、今後も増えていくだろう。それくらいリスペクトされるバンドであり、現在一部では「伝説のバンド」と呼ばれ神格化されているがそれも納得できる。
スーパーカーでベースを担当する古川美季(現:フルカワミキ)は、ベーシストとしてはもちろんだが、ボーカリストとしても定評がある。スーパーカーというバンドは邦楽ロックにおける男女ツインボーカルのパイオニアのような存在であり、彼女の透き通る特徴的な歌声にリスナーは魅了されていた。
また、ファッションセンスやポップなキャラクターにも注目が集まり、一時期はユニクロなど地上波のCMに出演するなどマルチに活躍していた。フルカワミキのカリスマ的な存在感が、後の女性ベーシスト人口を増やしたとも言われている。
そこに鳴る(藤原美咲)
2011年結成の二人組バンド(サポートを含めスリーピースで活動中)。
ボーカル/ギターの鈴木重厚が毎度繰り出す変態フレーズが取り沙汰されることが多いが、藤原美咲も負けてはいない。彼のギタープレイに引けをとらない超絶的なプレイをかます、筆者がいま一番注目している女性ベーシスト。
そこに鳴るの音楽性は、メタルだったりマスコアだったり曲によってまったく違った顔を見せるが、藤原美咲はそのどれにも対応できる幅広い確かなスキルを持っている。難易度の高いタッピングも余裕でこなしている印象があり、この先の成長も楽しみな女性ベーシスト。
そこに鳴るはハードサウンドが売りだが、J-POPにも通じる普遍的なメロディのキャッチーさも同時に併せ持っており、ロックファンからの評価も高い。ほとんどの曲で、鈴木重厚と藤原美咲のツインボーカルという形で展開していくのだが、二人の掛け合いもスリリングで聴き逃せないポイントである。透き通る歌声にも定評があり、彼女がメインで歌唱する楽曲もぜひ聴いてみたい。
WHITE ASH(彩)
2006年結成/2017年解散。
アークティック・モンキーズなどに影響を受けた、オルタナ、ガレージ、ロックンロールロックバンド。語感のみを重視した、意味を持たせず単語を並べただけという歌詞が大きな特徴(意味のある日本語詞も存在する)。
無駄な音を削ぎ落したギター中心のサウンド、そこへキャッチーなメロディが乗る。やっていることは極めてシンプルだが、ロックの持つパッションを分かりやすい形で体現していた数少ないバンド。
のび太のヴィジュアルと中性的で魅力的なボーカルとのギャップもWHITE ASHを語る上で外せないポイントである。
WHITE ASH時代の彩は、個人プレイに走るタイプでもなかったし、比較的動き回るベースでもなかったので、目立つベーシストとはいえなかったが、地を這うような存在感抜群のサウンドは楽曲のボトムを堅実に支えていた。
WHITE ASH解散後はボーカル「のび太」と共に「THE LITTLE BLACK」として活動中。そちらでは、楽曲内でベースソロを披露するなど新しい表現にも挑戦している。
凛として時雨(345)
2002年結成。
極めて攻撃的なサウンドを主体とした、オルタナティブロックバンド。プログレ、マスロックを融合させたような、変拍子を多用した難解な曲構成が特徴。
超高音のツインボーカルが凛として時雨の武器でもあるが、ボーカル/ギター「TK」の声質が特徴的過ぎるため、そこで好き嫌いがはっきり分かれている。
凛として時雨でベースを担当する345(みよこ)だが、時雨加入以前はギターボーカルを担当しており、そのバンドの解散に伴い未経験のベースに転向している。
TKの変態的なギタープレイのおかげで目立たない存在だが、345のベースも十分に変態だ。動きまくる忙しいベースラインであってもボーカルを執りながら難なくこなす彼女は、陰の実力者である。
バックドロップシンデレラ(アサヒキャナコ)
2006年結成。
スカ、ハードコア、メタル、レゲエなど雑多なジャンルを吸収し、独自の「ウンザウンザ」というバンドサウンドを追求しているオルタナティブロックバンド。
口語体だったり俗な表現の歌詞が特徴的だが、サウンドは極めて大真面目というのがバックドロップシンデレラの面白い所。メンバーそれぞれのキャラも立ちすぎていて邦ロック界では完全に唯一無二の存在になっている。
ベースのアサヒキャナコは、アバンギャルドな男性メンバーの中にいても見劣りしない、独特なオーラを放つ紅一点である。安定感があり複雑なプレイも見事にこなしている。
HaKU(三好春奈)
2007年結成/2016年解散。
浮遊感があり、まるで打ち込みのようなサウンドが特徴的だが、鍵盤や同期は使用せずメンバーの演奏のみで成立させている、とてつもないセンスとスキルを持ったオルタナ/ミクスチャーロックバンド。
邦ロックファンの間では「凛として時雨」っぽいと度々ささやかれていた。おそらく、男女ツインボーカルという点と、高音で歌唱するという部分が似ていると言われた原因なのだろう。サウンド的にも時雨っぽい部分が垣間見えるが、いっさい狂気は孕んでいないので、比較するとまったくの別物だし、かなり間口の広い音楽性だと思う。
HaKUのベーシストである三好春奈は、相当にテクニカルなプレイヤーである。ライブ中、飛んだり跳ねたりと動き回っているのだが、まったくブレない安定したプレイを見せる。また、ギターソロの細かなフレーズに合わせユニゾンをする等、超絶技巧の持ち主。
RIZE(TOKIE)
1997年結成。
2000年代初頭に一大ムーブメントを起こしたミクスチャーロックバンドのひとつ。
デビューしてしばらくは「Rage Against the Machine」など、海外のラップメタル/ラップコアバンドの模倣だと揶揄されることもあったが、作品を重ねるごとにオリジナリティを増していき2020年現在そんな声は聞かれなくなった。
TOKIEがRIZEに在籍していたのは1997年~2001年である。リアルタイムではないものの、RIZEの攻撃的なサウンドを女性が演奏しているという事実に衝撃を受けたが、それよりもヤンチャな小僧二人に、見目麗しいお姉さまという構図はビジュアルインパクトが相当なものだった。
出典:ミドルエッジ
初期のRIZE作品は特にギターがシンプルなため、TOKIEのベースがひと際目立って聴こえる。パワーコードを鳴らしている裏で、ブリブリ動き回るベースサウンドは鳥肌モノ。
女性ベーシストのいるかっこよすぎるバンド まとめ
というわけで、女性ベーシストが在籍するロックバンドをいくつか紹介してきた。
もし気に入ったバンドがあれば、この機会にぜひ深堀りして聴いてみてほしい。
それではまた。
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