【初心者】ギター歪みエフェクターの用語を元バンドマンが解説してみた
今回はギター用の歪み(ひずみ)系エフェクターに関する話題を。
筆者は元バンドマンで、一応現在もギタリストの端くれであるが、当ブログでギターの話題はあまり出してこなかった。何故かといえば、ギター以外に書きたい記事ネタで頭の中が占領されていたからだ。
その結果、グチグチと音楽界に文句を垂れる記事ばかりになってしまった。ここらで他人様の役に立ちたいと急に思い立ち、初心者に向けた歪み系エフェクター講座をやらせていただきます。今後も折を見て、ギターに関する記事を書いていきたいのでよろしく。
歪み系エフェクターはロックギタリストの基本
この記事を読んでいるということは「歪み系エフェクター」が何なのか分かっている読者ばかりだとは思う。いずれにせよ、これからギターを弾いてみたいと思っているロックギタリストのほとんどが、初めて購入するのは「歪み系」のエフェクターになるはず。
いきなりアンプ直で「歪み」を作り出すギタリストもいる。だが、経験上エフェクターの歪みの方が、比較的かんたんに好みのサウンドに調整できるし、そもそもアンプだけでは再現できない音もある。まぁその辺りは好みもあるので、どちらが正解というのはないけれど。
初めはオリジナルの前に、誰かの曲をカバーするケースが多い。その時もエフェクターを使った方が、狙った音に近づくのが容易なのは間違いないと個人的には思っている。
あと、楽器屋等でエフェクターを購入する時は「○○○(曲名)みたいな音が出したい」と店員さんに伝えれば、希望に沿ったエフェクターを用意してくれるはず。
歪みの種類は大きく分けて3種類
・オーバードライブ
・ディストーション
・ファズ
初心者の方でもこの3種類は、名称くらいは聞いたことがあるかもしれない。
ちなみに、ファズが最も歪みが強く、次いでディストーション→オーバードライブと歪みは弱くなっていく。
単純に、歪みの量によってカテゴライズされていると考えて問題ない。
でもたとえば、ファズの中にも様々な音の形があって、一口に「ファズ」といっても同じカテゴリの音と思えないものもある。次の項目では、そういった様々な音を表現する際の用語を解説していく。
歪みの種類を表現する専門用語
ここで登場するエフェクターの専門用語はいつ使われているのかというと、エフェクターの商品説明の文章だったり、あなたが今読んでいるブログをはじめとする各種媒体でのレビュー記事。あとは、楽器屋で店員さんから「こういう音が出ますよ」と説明される際に登場するので、ざっくりとでも覚えておくとよいだろう。
クランチ
クランチ系のサウンドとよく表現されている。
一言で表すなら、完全に歪ませていない軽めの歪みサウンドを指す。言葉で表現するのは難しいけれど、中音域を少しだけブーストさせた軽く歪んだ音。
クランチ系は歪みが少ないゆえに、弾き方によって音の質感が変わるのが特徴。
たとえば、軽いタッチで弾けば、クリーントーンに近い透明感のある音になる。逆に強めに弾いてやれば、少しだけ歪んだ質感の音になる。様々なジャンルに対応できる汎用性の高いサウンド。使い勝手が良いので、愛用しているギタリストは多いと思う。
リード
これは読んで字のごとくで、リードパートを弾くギタリスト向けの歪みである。「リード向きの歪み」なんてよく表現されていると思う。
先ほどのクランチに比べ歪みが強い。単純に音の"線"が太くなり、存在感があるのが特徴。特にギターソロなど、単音フレーズで音を表現するときに、一つひとつの音の輪郭が際立って聴こえる。
ハイゲイン
ゲインというのは、アンプに入ってくる音量を制御する物。入力された信号をどれだけ増幅するかという機能を司っている。
分かったような分からないような説明だと思うけれど、私もしっかり理解していないし、はっきり言って上記は覚えなくても問題はない。一応、エフェクターの知識として頭の片隅にしまっておいてください。
もっと簡単に説明すると、「ゲイン」は歪みの大きさを表す言葉。
つまり、ハイゲインといわれたら「歪みが大きい」ということ。
ちなみに筆者は、歪みの強いメタルサウンドを中心に楽曲作りをしていたので、ハイゲインディストーションばかり使っていた。
ローゲイン
先ほどの「ハイゲイン」の逆。
クランチ/リードと同じような関係性だと思ってもらえたら。
ビンテージ
ビンテージというのは、古着などでも使われる「ビンテージ」の意味と同じ。
単純に年代物のエフェクターを指す場合と、現代の技術でビンテージエフェクターの音を再現しているというエフェクターもある。
モダン
先ほどの「ビンテージ」と対をなすエフェクター。
単純に、近年発売されたエフェクターという意味もあるけれど、均整のとれた現代的な歪みを生み出すエフェクターにも用いられる用語。
トランスペアレント
聞きなれない言葉だと思うけれど、「トランスペアレント」というのは「透明な」という意味がある。
言葉のまま「透明感のある」歪みであり、クリーンに近い音を出す、極めて軽い歪み方をするエフェクターの種類。
巷では一連のエフェクターを「トランスペアレント系」と呼び、人によって感じる音の質感が違うため、ここにカテゴライズする基準も変わってくる。つまり厳密に定義するのが難しい音の種類であるため、こんな名称のカテゴリがあるのだとざっくり覚える程度でいいと思う。
アンプライク
これも読んで字のごとくで、アンプ的な操作感、サウンドの変化を持った歪み系の総称。
アンプライクは、そのほとんどがチューブアンプの音を再現しており、各社が販売しているアンプはそれぞれ大きな個性があるので、自社の個性に合わせたチューニングが施されている。
普段アンプを持ち運ばない場合や、今のサウンドに、○○なアンプの質感をプラスしてみたいという場合に使われる。
マーシャル系
先ほど解説したアンプライクをさらに細かくカテゴライズした総称である。
マーシャルは、ロックギタリストの多くが憧れるサウンドであるだけに、マーシャルサウンドを再現した多種多様なペダルが各社からリリースされている。
フェンダー系
先ほどの「マーシャル系」同様、アンプライクの中で人気のフェンダー系サウンドをピックアップした総称。
ブティック系
元々「ブティック」という言葉は、(女性用の)衣服・装身具などを売る小規模な専門店のことを指す。一方、エフェクター界の「ブティック系」は、小さな工房などで、職人さんが手間暇をかけて製作されているエフェクターを指す。
そのため少量しか生産できず、単純に単価(販売価格)も上がってしまうのが特徴。その代償に、大量生産品では成し得ない、特徴的なサウンドを持つ物が多い。職人のこだわりがつまった、クオリティの高いエフェクターともいえる。
初心者が手を出すにはハードルが高いし、自身の求めるサウンドにどれがマッチするのか見極めるのも容易くはない。だが、どのエフェクターも個性が際立っているため、うまくマッチする物が見つかった際は、これ以上ない武器になることは間違いない。
ハイファイ
「ハイファイな音」「ローファイな音」というワードを、どこかで見たり聞いたりしたことはないだろうか。
ハイファイというのは「High Fidelity(ハイフィデリティ)」の略。「Hi-Fi」と表現されることもある。
そのままの意味でいえば「原音に忠実な音」。わかりやすく表現すれば単純に「高音質」ともいえる。いうまでもなく、「ローファイ」はその逆になる。
通常、音を歪みが強くなれば、その強さに応じて音の輪郭もつぶれてしまうものだ。音の輪郭がつぶれてしまえば、どんな音がなっているのか分からなくなるだけでなく、歪みだけが前に出てくるため、こもった低い音になったり、逆に耳障りな高い音になったりと、聴くに堪えない。
ハイファイ系は、その音の輪郭をクリアにし、原音を質を保ったまま歪ませてくれる。結果的に、原音を損なうことなく強めの歪みが得られるので、高音質に聴こえるということ。
自分のギターサウンドが、何だかこもって聴こえるとか、高音が耳触りだと感じたら、ハイファイ系の歪みを選択肢に入れてみよう。
初心者の歪み系エフェクターを選ぶポイント
自分が演奏したいジャンルのサウンドによるので、これがおススメですといった物はない。
たとえば、カバーしたいバンドの曲があるのなら、そのバンドのギタリストはどんなエフェクターを使っているのか調べたり、上でも少し書いたけれど、楽器屋さんに行って、「○○○ってバンドの○○○って曲をコピーしたい」といえば、だいたい見繕ってくれるはず。
まずはカバーでもオリジナルでも、弾いてみたいジャンルを決めることが先決だと思う。なんとなく練習するよりも、「自分はこんなフレーズを弾くギタリストになりたい!」という目標があった方が上達も早いし、それに向けて具体的に動ける。
筆者は、パワフルなメタルサウンドにしか興味がなかったため、その点では早い段階でアンプやエフェクターの選定もできたし、自分がある程度納得できる音作りもできたと思っている。
要するに、演奏したいジャンルや、オリジナルでこんな曲が作りたいというところまで決まっているのなら、曲のタイプによって大まかな定番のエフェクターというのがあるので、そうした情報をググれば答えにたどり着くのはそこまで難しくはないだろう。
意外におススメなのは、Yahoo知恵袋での質問。楽器カテゴリの住人はかなりの頻度で回答しているため、あなたの質問にもおそらくすぐに回答が付くと思う。丁寧な回答者がほとんどだが、上から目線の糞のような人間もたまに登場するため、そこは少しだけ我慢が必要。
【初心者向け】ギター歪みエフェクターの用語 まとめ
ということで、初心者さんに向けた、歪み系エフェクターの解説記事いかがだっただろう。100記事以上執筆してきて、ようやく初めてギタリストらしい記事が書けたと思っている。
この内容が、ひとりでも多くのギタリストのたまごに届いてくれたら幸いである。
それではまた。