ディッキ族に物申す!彼らが「嫌い」「ダサい」と言われる理由とは?
あなたはディッキ族をご存じだろうか?
いつからこんな言葉が使われはじめたのかといえば、この記事を読むと2012年前後を境に浸透しはじめたと推測することができる。
そんな「ディッキ族」なのだが、彼(彼女)らは「ダサい」「害悪だ」と忌み嫌われている。
ということで今回は、「ディッキ族」とは何なのか。
なぜディッキ族は嫌われているのか。
それら「ディッキ族」について物申したいことがあるので併せて語っていきたい。
ディッキ族とは
「ディッキ」とは「Dickies(ディッキーズ)のハーフパンツ」の意味。
「Dickies(ディッキーズ)」は1922年に創業された老舗のワークカジュアルブランドで、つなぎ、ワークシャツなどはアメカジスタイルを好む層に支持されている。
また、最近ではストリートブランドとしても一部定着している感がある。
ディッキーズは元々安価なブランドという事と、ハーフパンツのカラーバリエーションが豊富な点が支持され、フェス文化の台頭と共に若年層を中心にちょっとしたムーブメントになったということだ。
ということで、ディッキーズを履きライブ・フェスに参加する人たちを指して「ディッキ族」と呼んでいる。
ただ、元々ディッキーズはスケボー文化と親和性が高く、ブームになる何年も前からスケーターが好むパンクやハードコア系のライブで履いている人も多かった。
したがって、近年「ディッキ族」という言葉が一般層まで広く浸透してからは、別の意味で捉えられている側面もある。
それに関係するのが彼らが嫌われている理由だ。
ディッキ族が「嫌い」「ダサい」と言われる理由
ディッキ族が嫌われる理由
ひとことで言えば、ディッキ族には「自己中心的な人間」がいるから。
- 無駄にテンションが高い所謂「ウェイ系」
- モッシュ、ダイブなどの危険行為を周りを無視して敢行
- 自分さえ楽しければ良いという身勝手な思考
などなど、これは氷山の一角に過ぎないが、要するに純粋に音楽を楽しみたい層からすれば"目障りで邪魔な存在"である。
前項で触れた「ディッキ族の別の意味」というのが、簡単にいえば『ライブやフェスで迷惑をかける奴』ということ。
それがエスカレートするとこうなる↓
カラーディッキーズ履いてるやつがすげー馬鹿だというのが分かる画像はこちらです。
— KEVIN SUCK (@MxKxT666) November 14, 2013
ロック好きと言ってるだけのじゃれあいたいだけの野郎達です。 pic.twitter.com/aSZbIT7PeF
このようにライブ以外の場でも迷惑をかけ始める。
彼らの名誉のために言っておくと、上記の迷惑な輩はディッキ族のほんの一握りだと思う。
すべてのディッキ族が害悪という事ではないので、くれぐれも誤解しないでほしい。
嫌われる理由を上に挙げたけど、ディッキ族のコアな年齢層は10代~20代中盤と予想できる。
若者は影響を受けやすいため、フェスやライブに出向けば会場の雰囲気にあてられてテンションも上がるだろう。
演奏が始まり爆音に包まれれば、暴れたくなる気持ちも分からないではないが、客は自分ひとりではない。
周りの人たちも皆お金を払って観に来ている音楽ファンだ。
どの世界にも空気の読めない阿呆はいるけれど、どうか節度ある行動を心がけてほしい。
ディッキ族がダサいと言われる理由
ファッション的にダサいと言われることも多いディッキ族。
たしかに野暮ったいハーフパンツのシルエットは、"スタイリッシュ"とは正反対のイメージ。
トップスと合わせづらいという声もあるが、パンツのボリューム・カラーと相談してTシャツのサイズや柄を選べば難しくはないはず。それこそスケータースタイルを意識すればいい。
ブランド的にはある種定番となっているものの、「安っぽい」などの理由からディッキーズ自体にそもそもダサいイメージがあるため、それがディッキ族の悪いイメージに繋がっているのかもしれない。
と、ここまではファッション的にダサいということで語っているけれど、ディッキ族がダサいと思われている理由はビジュアルやブランドイメージだけではないと思う。
前項で挙げた身勝手な行為を思い出してほしい。
あのような行いは、考えるまでもなく人としてダサい。
また、徒党を組んで蛮行に及ぶ姿は尚更ダサく感じる。
ディッキ族たちが路上で寝そべっている画像のツイートを引用したが、仮にあの場所で一人だったとしたら同じ行為に及んでいただろうか。
おそらくそんな肝の据わった輩はいないだろう。
あんなものは半端なヤンキーとやっていることは大差ない。控えめに言って害悪だ。
「お手々繋いでみんな仲良く」的な横の繋がりを重視する傾向もすこし異常すぎる。
無作為に繋がろうとする様はハッキリ言って気味が悪いし、ロックをコミュニケーションツールか何かと勘違いしているのではないだろうか。
ディッキ族をディスる音楽ファンが増えるている現状にも納得だ。
そして、上記以上に筆者がダサいと思うのが
- ディッキーズを履いていればおしゃれ
- おしゃれライブキッズが履いているから自分も履く
という、思考停止した状態でディッキーズを選んでいる意志薄弱さ。
もちろんすべてのディッキ族がそうでないことは百も承知だ。
心から好きで履いている人はさておき、半ばライブやフェスにおける「制服」と化している面もあり、こちらも身震いするほど気色が悪い。
安いハーフパンツが履きたいならユニクロでもしまむらでもいいわけで、わざわざディッキーズをチョイスしているという点がダサさを助長させている。
もちろん機能面や丈夫さで選ぶメリットはあるけれど、それよりも、とりあえずディッキーズにしておけばフェス友から浮かずに済むとか思っていそうで寒い。
フェス文化の隆盛
ライブとフェスでディッキ族の生態は厳密には違うのかもしれないが、少なくとも近年レジャー化したフェスの雰囲気が、誰も望んでいないディッキ族を生んでしまったのかもしれない。
そもそもロック自体がポップカルチャー化しているので、こう言ってはなんだが、心からロックを愛していない”にわか”リスナーの流入も多いのではないだろうか。
ロックが好きなのではなく、ロックを利用して暴れたいだけという人間だ。
どんなスタンスで音楽を聴こうが構わないけれど、他人様に迷惑をかけて良いという事にはならない。
完全なる偏見だが、そういった人間がディッキ族になっていく気がするのだ。
はっきり言って現状の邦ロックは、一昔前のJ-POPと立ち位置はほぼ変わらないと思う。
邦ロックは、すでにサブカルではなくメインストリームに躍り出た文化で、以前にも増してリスナーに消費されるだけの音楽になった。
また、フェス文化の勢いはいまだ健在で、動員数は落ち着いているらしいが平均単価の上昇で年々市場規模は拡大しているようだ。
2019年6月にぴあ総研が発表したデータによれば年間300億円に迫る勢いらしい。
コロナの影響で今後どうなるか分からないけれど、多方面への経済効果を鑑みれば、意地でも現状を維持する方向で動いていくだろう。
これらの事柄から、今後もにわかリスナーの増加は容易に予想できる。
つまりディッキ族は益々増え続けるという事だ。
それを考えると少し頭が痛くなるが、阿呆でも金を払っている以上は立派な客だ。
ロックの火を消さないためには致し方ないのかもしれない。
ディッキ族「嫌い」「ダサい」のまとめ
ということで『ディッキ族』に対するあれこれを語ってきた。
途中辛辣な言葉が並んでしまったがそれには理由がある。
筆者はフェスに足を運ばなくなってもう何年も経つ。
その原因はもちろんディッキ族だ。
彼らの行動は頭では理解できるけど、少しでも目に入れば我慢の限界を超えるため『行かない』という選択をした。
ググってみると同じような想いでフェスやライブに行かなくなった人が結構いることを知ったのだが、おそらくこちら側がマイノリティだろう。
当分状況は変わりそうもないので今後の参加も半ば諦めているが、誰しもが楽しめるフェス文化に様変わりすることを願って今回は締めたいと思う。
それではまた。
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