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人気ロックバンドとして売れるために必要な2つの秘訣

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現在、10代に邦ロックファンから熱い支持を受けている人気バンドといえば

 

King Gnu

Official髭男dism

Mrs. GREEN APPLE

 

である。過去にそうした概念が存在したかは不明だが、ロック界の御三家と呼んでもいいだろう。

 

 

近年さまざまなバンドがブームになり消えていく中、上記の3バンドは売れ方のスケールが他とは違う。一般層への知名度に関してはどれほどのものか測りかねるが、民放のテレビ番組にも頻繁に名前が登場することから、普段音楽を聴かないライト層にもバンド名くらいは認知されているのかもしれない。

 

 

少し前まで、ダンスやヒップホップに少々押され気味だと言われていたロック(バンド)カルチャーだが、ロックの誇る御三家のおかげで、すこしは見直されていれば良いのだが。

 

 

さて、ロックバンドが彼らのように大ブレイクするには何かきっかけがあるのだろうか。

 

毎年たくさんのバンドがデビューしては消え、を繰り返している。

一方で武道館のような大きな会場でライブを開催したり、地上波に出演してお茶の間の人気者になったり。同じ「ロックバンド」という職業にもかかわらず、なぜそこまで売れ方に差がついてしまうのか?

 

私はマーケッターでも何でもない、単なる音楽好きの元バンドマンだ。そのため専門的なことは何も分からないが、確実に言えることは

 

 

純粋に音楽だけでは絶対に売れない

 

ということ。

 

バンドが音楽だけで売れていた時代などもう遠い昔のことだろう。

 

人々が完全にネットに支配されている現代社会は、過去の販売戦略が通用しない部分もある。

 

その中で消費者に選んでもらうために何が必要なのか。ストレートに表現するなら、バンドが売れるために何が必要なのか、筆者なりの考えを語っていきたいと思う。

 

 

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ロックバンドが売れるために必要なこと 「イメージ戦略編」

ヴィジュアルを見直す

見た目に気を付けなければならないのは、ヴィジュアル系バンドマンだけではない。

今をときめく「MAN WITH A MISSION 」は、元々「Grantz」というバンドだったのは有名な話だがヒントはここにある。

 

Grantzが鳴かず飛ばずに終わり、どんなことをしてでもリスナーの元へ音楽を届けようと考えたメンバーは、その方法としてオオカミになることを選んだ。

 

当然あれだけ奇抜なかぶりものをしていたら、ネットニュースをはじめとする大手メディアや音楽媒体、個人ブロガーなどがこぞって取り上げるだろう。

 

そうなれば、常にアンテナを張りめぐらす音楽ファンはその情報に飛びつき、「MAN WITH A MISSION 」という存在はバズることになる。結果として不特定多数の耳にまで自分たちの楽曲を届けることが出来たはずだ。

 

何をおいてもまず、楽曲を聴いてもらうことが何よりも大切な事だと言える。

 

当たり前のことだが、不特定多数に楽曲を届けたからと言って、誰でもブレイクできる保証などない。単純に曲のクオリティが低ければ話にならないし、時代との親和性も重要になってくるだろう。

 

 

MAN WITH A MISSION 」の場合は、たまたま好意的に受け止められたから良かったものの、受け手がオオカミの見た目に拒否反応を示していたら、単なる色物バンドとしてあっさり消えていたかもしれない。

 

それは結果論でしかないが、ヴィジュアルを奇抜にすることは、望まない結末を迎えることもあるだろう。しかし、楽曲を多くのリスナーへ届けるため、こうした戦略が有効な手段であることに間違いない。

 

現在の「MAN WITH A MISSION 」は「オオカミバンド」として完全なブランドイメージを確立した。

 

たとえバンド名が分からなくても「オオカミのバンド」と言うだけで、多くの人が彼らをイメージできるまでになった。

 

それはつまり、楽曲を届けやすいシステムが出来上がったということだ。

 

 

ここまで読んで勘違いしている方がいるかもしれないが、オオカミのように「奇抜なビジュアルを目指そう」ということではない。

 

奇抜にする必要はなく、ビジュアルを工夫することで消費者にイメージを植え付け、キャラクターとしても少なからず商品価値を持たせようということだ。それがライバルバンドとの差別化につながるはず。

 

したがって、「MAN WITH A MISSION 」はたまたま「オオカミの被り物」で成功しただけであって、そこまで思い切る必要もないと思う。

 

もっと身近なアイテムでもいい。

 

たとえば、ACIDMAN大木伸夫のように、常にハットをかぶっているだけで十分差別化はできる。

 

 

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イメージを植え付ける

特に邦ロック業界は顕著だが、ロックバンドは同じようなビジュアルイメージが多い。

 

似たようなファッションで似たような髪型、どこかで観たことのあるMV。それでは差別化できるわけがない。音楽を聴く前に「また同じようなバンドか…」と思われるのがオチだ。

 

ご存知の読者さんもいるかもしれないが、音楽というのは「音」だけを聴く場合より、映像込みで聴くことで、より強く印象に残るらしい。MVを作成する意図はそういった部分もある。

 

したがって、「どんな見た目の人間か」というのが、より重要になってくるということだ。

 

どこにでもいるお兄ちゃんのようなビジュアルでは、やはりそれなりの印象しか残せないのではないだろうか。

 

とはいえ、「MAN WITH A MISSION 」のように、いきなり冒険するのは常識的に考えて難しい。

 

だからこそ、大木伸夫のようにファッションの一部でイメージを定着化させるのは有効な手段だと思う。

 

大木伸夫といえばハットをかぶっている」というイメージは、もう何年も前から共通認識として定着しているはずだ。

 

ACIDMANといえば佐藤雅俊(ベース)もキャップ率が高いことで有名。

 

浦山一悟(ドラム)は、以前ニットキャップをよくかぶっていたが、最近はいろいろな帽子をかぶっている。

 

要するにACIDMANは全員が基本的に帽子キャラなのだ。

 

これはバンドイメージとして大きな武器になる。

 

 

ちょっとだけ想像してみてほしい、メンバー全員がいつも帽子を着用している邦ロックバンドがいるのかどうか。即座に思い浮かばなかったはずだ。

 

 

イメージ戦略はこんなにも素晴らしい

ここでひとつ例を挙げてみる。

 

 

ある日Youtubeで好きなバンドのMVを観ていた。

 

関連動画の中に、気になるバンドがあったので聴いたところ、すごくかっこよくて気に入ってしまった。

 

その時は、たまたま時間がなくバンド名などをメモる時間がなかった。

 

運悪くログインしていなかったので再生履歴もない。

 

そうなると、MVの印象から記憶を辿るしかなくなる。

 

 

仮にこのバンドがACIDMANだった場合…

 

 

「バンド名なんだっけな?あのみんな帽子かぶってるヤツら」というように正解に少し近付くことができる。Yahoo知恵袋等で特徴を伝え質問すれば、誰かしらが答えをくれるかもしれない。

 

何となくでもリスナーにイメージを与えることが出来れば、アーティスト側としては、再び聴いてもらえる可能性が高まるのだ。

 

もし何も印象に残らなければ、その段階で終わってしまうだろう。

 

 

リスナーもそこまで暇じゃない。

 

たまたま見つけたバンドの曲がカッコよかった。

でも名前がわからない。

 

大抵のリスナーはおそらくこの段階で「ま、いっか」となる。

 

手がかりが何もないのに熱心に探すなんてのは音楽オタクのすることである。

 

だからこそ、記憶にフックがかかるような、自分たちだけのイメージを作り上げることが大きな武器になるのだ。

 

 

バンドのイメージというのは、何もメンバーのビジュアルだけで表現できるものではない。

 

たとえば、アルバムのアートワークだったり、歌詞の内容やサウンドメイクでもイメージを与えることが出来るだろう。

 

メディアで発言することがあれば、その時の内容でもイメージを植え付けることが出来るかもしれない。

 

再びACIDMAN大木伸夫の話題になってしまうが、彼は「宇宙」をテーマに楽曲制作することが多い。インタビューでもそのことを度々口にしている。

 

そうしたことを繰り返し見せられる内に、いつしか「ACIDMAN=宇宙」というイメージが筆者の中で完璧に出来あがっている。

 

 

元々ACIDMANの楽曲は好きでたまに聴く程度だったのだが、宇宙というイメージが完全に定着してからコアなファンになったという経緯がある。

 

筆者も大木同様、宇宙に対し人一倍興味を持っていたため、大木伸夫の書く詩の世界に心から共感し感銘を受けるようになったのだ。

 

つまり、ACIDMANが放つイメージに価値を見出し、より一層ACIDMANのことが好きになった。

 

おそらく、宇宙のことが無ければ、筆者はそこまでACIDMANにハマっていなかったと思う。ただなんとなく良いバンドだなぁで終わっていたかもしれない。

 

 

付加価値を付けることの大切さ 

ビジネスでは「付加価値を付ける」という考え方がある。

 

要するに、

商品に付加価値を付けることによって、高い値段でも買ってもらえるようにする、多くの商品の中から、顧客に選んでもらえるようにする。

といった考え方である。

 

 

バンド活動にそのまま当てはめるなら、

バンド自体に、付加価値を付けることによって、高額なグッズを購入してもらったり、ライブに何度も足を運んでもらえるようにする、その他大勢のバンドの中から選んでもらえるようにする。

といった感じになるだろう。

 

 

大木伸夫は、イメージ戦略として宇宙を用いたわけではなく、本当にただ宇宙が好きなだけだったのだろう。しかし、そんな宇宙への熱い想いが、一人の”にわかリスナー"を"コアなファン"に変えてしまったのだ。

 

大木の宇宙イメージに感銘を受けた人間が、私一人というのはたぶんありえない。彼が大の宇宙好きと知った後、コアなファンになった人間は相当数いるのではないか。

 

 

ここまでの話で、バンドが売れるにはビジュアルを含むイメージが大切だというのが、お分かりいただけたかと思う。

 

バンドに対しイメージを持つことで、楽曲から受ける印象もまた変わってくるからだ。

 

売れなくてどうすればいいのかわからないバンドマンのあなた。まず自分たちのイメージを一から練り直してみてはいかがだろうか。

 

 

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ロックバンドが売れるために必要なこと 「楽曲編」

いつからだろうか「音楽には売れるための法則がある」と言われ続けている。

 

特に日本では、J-POP的な曲構成やメロディラインにすることで、大ヒットしやすいと言われている。

 

別の表現をするならば、バックの演奏がどんなものであっても、メロディや曲の構成を日本人好みにしてしまえば、ヒットする可能性があるということだ。

 

 

たとえば、X-JAPANの人気曲はほとんどがメタルサウンドである。

 

にもかかわらず、多くの支持を得ているのは、メロディが歌謡曲並みにキャッチーだからではないだろうか(メロスピ自体、日本人の好む音楽ではあるが)。

 

とにかく、誰でも覚えやすいメロディはそれだけで強力な武器になる。

 

 

 

King Gnuにみるヒットの法則

ではここで、いまをときめくKing Gnuを例に挙げてみよう。

彼らの音楽は基本ブラックミュージックなので、日本人の一般的なリスナーからすれば、非常にマニアックな音楽性であると言える。

 

しかし、マニアックなそのサウンドに、J-POP的な構成とメロディを乗せることで爆発的にヒットしたという背景がある。

 

 

要するに、「X-JAPAN」も「King Gnu」も、音楽性が(一般的なリスナーにとって)マニアックであるにもかかわらず、『分かりやすい曲構成+大衆向けのメロディ』にしたことで大ヒットしたと言えるだろう。

 

※ちなみに「分かりやすい曲構成」というのは「Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→サビ」のような、いわゆるJ-POP的な曲展開のことです。

 

 

 

仮に、King Gnuサウンドに、「ブラックミュージックにありがち」なメロディを乗せていたら、おそらく今のように大ヒットはしていないはずだ。

 

それは単に、オシャレなブラックミュージックになるだけである。

 

King Gnuは、根幹にある音楽センスが尋常ではないため、一部の音楽通には大絶賛されるだろうが、「知る人ぞ知る」お洒落バンドになっていた気がする。間違ってもスイーツ女子が聴くような音楽性ではないからだ。

 

それをここまで大衆的な音楽だと錯覚(錯聴)させているのは、常田大希の天才的なセンスが為せる業だと思う。

 

 

邦楽がヒットする条件

King GnuのようなJ-POP的アプローチには、メロディ以外にもポイントになる箇所がいくつかある。

・曲は短めに作る(イントロも短くする)

・曲の構成をはっきりさせる(サビを強調)

いくつかあるポイントの中で、ヒット曲の多くは、上記の要素をほぼ満たしているそうだ。

 

この二点は普遍的な要素でもあるので、いわゆる「懐メロ」であっても、この要素を満たしていることが多い。逆にいえば、これらを満たせば売れる可能性が大いに高まるということだ。

 

 

ロックバンドが売れるために必要なこと まとめ

ということで、ロックバンドが売れるために必要なことを、大きく二つの項目に分け語ってきた。

 

楽曲に関しては、一朝一夕で変えられるものではないが、イメージ戦略は明日からでも出来ると思う。どんな物をつかっても良いので、まずは気軽にチャレンジしてみてほしい。 

 

それではまた。

 

 

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